読切(脚本)
〇オフィスのフロア
社会人A「お〜い。 これ、誰か片付けといて」
桜小路彩花「────」
佐々木圭吾「自分がやっときます。 何の資料ですか?」
社会人A「今度のクリスマス前に発売されるワインのイラストのポスター何だけど・・・」
佐々木圭吾「イマドキ、イラストっすか? しかもポスター?何で?」
社会人A「ああ、どうしてもポスターでお願いしますって申し出があってね・・・」
佐々木圭吾「何の策略ですかね~。 ポスターって・・・」
社会人A「まあ、頼むな。よろしく」
桜小路彩花(きっと主催した人モダンな人かな? 確か弱冠38歳にしてワイン工場疎か葡萄畑をいくつも持っているとか)
桜小路彩花「痛い!? 何するのよ!? 圭吾」
佐々木圭吾「ぼ──っとしてんじゃねえよ。 今からポスター作り忙しくなるぞ」
桜小路彩花「何も殴らなくても良いでしょ」
桜小路彩花「それに、何?え? 何で私が一緒に手伝わなきゃいけないのよ」
佐々木圭吾「さっさと仕事終わらせて手伝えよ」
桜小路彩花「・・・ったく」
桜小路彩花(今日は華金で千代子とステーキ食べ行く約束していたのに・・・。早く仕事終わらせて切り上げなきゃ)
桜小路彩花「はい。 こちらな品川•リム社の桜小路と申します。お世話になっております」
桜小路彩花「えっ・・・。 あっ、はい・・・」
〇オフィスのフロア
桜小路彩花「ごめん圭吾、私今から銀座の方にいかないと行けなくなっちゃった・・・。今している仕事終わらせて銀座に行くから・・・」
佐々木圭吾「ああ・・・」
桜小路彩花「ごめんだけど手伝えない・・・。結構、時間かかる仕事だから。 それに・・・」
佐々木圭吾「それに・・・? 戻って来いよ!?」
桜小路彩花「今日は実は銀座で友達と会うことになってるの。だから、ごめん・・・。どうしてもダメなんだ。 手伝えない・・・」
佐々木圭吾「ふん、ごめんくらい言ったらどうなんだ!?」
桜小路彩花「ごめんなさい。 本当にごめん!?」
佐々木圭吾「ったく・・・」
佐々木圭吾「ご飯、奢れよ・・・」
桜小路彩花「分かってるよ〜」
佐々木圭吾「ったく」
〇オフィスのフロア
佐々木圭吾「ステーキ重な」
桜小路彩花「バレてた・・・!?」
佐々木圭吾「じゃあ、よろしく。 頑張れよ」
桜小路彩花(お金が飛んで行く〜)
桜小路彩花「行ってきまぁぁぁす」
〇オフィスビル前の道
桜小路彩花「着いたぁ 銀座にある会社にしては結構、小さい会社だなぁ。確か向日葵の種のお菓子を作っている商品を売り出しているんだっけ?」
桜小路彩花(けど、そんなの売れるのかなぁ)
桜小路彩花「あっ・・・」
山中さわお「いやぁいやぁ、いやぁ。 今日は。 君が品川•リム社の桜小路彩花さん?」
桜小路彩花「フルネーム・・・。 あっ、はい・・・」
桜小路彩花「今日は。申し訳ありません。 下まで降りてきて頂き・・・。 足元が悪いというのに」
山中さわお「いやぁ、構わないよ。 さぁ、中に入って下さい。 雨の振らない内に」
桜小路彩花「はい」
桜小路彩花(雨、振らないといいなぁ。 傘持ってきてないよ)
〇オフィスの廊下
桜小路彩花(中は結構おしゃれ)
山中さわお「素敵でしょ。 内の会社は世界平和をモットーに動いているからね。 会社は小さくてもお洒落にがモットー何だ!!」
桜小路彩花「素敵ですね」
山中さわお「では、こちらに」
〇会議室のドア
桜小路彩花「美味しい」
山中さわお「では早速、本題に・・・。 この、向日葵の種のお菓子何ですが・・・。どうぞ、食べてみて下さい」
桜小路彩花「とても美味しいです。 さっぱりしていて麦の味がして。 ふわふわさくさくしています」
山中さわお「気に入って貰えて良かったよ。コンセプトはさっき、言った通り内の会社は世界平和がモットーでね」
山中さわお「この向日葵の種をまずは東京中に配っていけばと思ってね。 それで種を蒔くんだ。パッケージはこれ何だけどね」
桜小路彩花「百合の花!?」
山中さわお「この向日葵の種のチョコを袋に入れてこの百合の花の絵がついたパッケージで閉じるんだ」
桜小路彩花「う〜ん・・・。 それだと売れないんじゃないですかね だって・・・」
桜小路彩花「────」
桜小路彩花(うわぁ。泣いちゃう)
桜小路彩花「あぁ、こうしたらどうですか?」
桜小路彩花「チョコボールみたいにクチバシ付けて売るとか」
山中さわお「それじゃあコストが足りない」
桜小路彩花「う〜〜ん。 そうだなあ・・・」
なんて彼女は人が良くて優しいんでしょう。控えめだし。自分にないもの、とくに自分が若かった時に持ってなかったものをもっている彼女に惹かれます。
大きな事件が起こる前にお話が終わってしまったけど、彩花の明るくて素直なパーソナリティーが伝わってくるエピソードでした。ひまわりの種を百合のパッケージに入れる問題点を指摘されて泣きそうになる山中さんがツボでした。