Xmas Wars~スイーツ総選挙~(脚本)
〇月夜
──クリスマス
それは、年に一度の大一番
友達とのパーティー
家族との豪華なご飯
恋人とのデート
多くの人が、大切な人と過ごす聖夜──
だが、それを楽しみにしているのは
何も人間たちだけではなかった
〇ケーキ屋
都内某所、ケーキ屋にて
主人公「クリスマスだし、 久しぶりにケーキ屋さんに来たけど」
主人公「今どきは色んなケーキがあるんだなぁ、どれを買って帰ろう・・・」
そうして悩む男性の前、
人間には見えない世界で、ケーキたちによる熾烈な争が既に始まっていた──
デコレーション・ショートケーキ「今年もこの日がやってきました!」
デコレーション・ショートケーキ「クリスマスの食卓に並ぶケーキに選ばれるこの名誉!」
デコレーション・ショートケーキ「そしてご指名率&売り上げナンバーワンを決めるこの戦い・・・!」
デコレーション・ショートケーキ「デコレーション・ショートケーキの精として負けるわけには行きません・・・!」
デコレーション・ショートケーキ「お兄さん!ぜひ、美味しいこの私、デコレーションショートケーキを選んでください♡」
「お待ちなさい!」
デコレーション・ショートケーキ「こ、この声は!」
デコレーション・ショートケーキ「ブッシュドノエル!」
ブッシュドノエル「いかにも、ブッシュドノエルよ」
ブッシュドノエル「クリスマスケーキ売上1位の座、今年こそこのブッシュドノエルが頂くわ!」
「ちょっと待ってよぉ~」
デコレーション・ショートケーキ「あなたはっ!」
シュトーレン「私も混ぜてほしいなぁ」
デコレーション・ショートケーキ「シュトーレン・・・!」
シュトーレン「私も1番になってみたいの~」
ブッシュドノエル「もちろん、受けて立つわ!」
デコレーション・ショートケーキ「こ、今年も大変な戦いになりそう・・・!」
〇ケーキ屋
ブッシュドノエル「ノエルとはフランス語でクリスマス! 名前にクリスマスを持つ私こそ相応しいわ!」
ブッシュドノエル「恋人へのプレゼントが買えなかった貧しい青年が、せめての気持ちで、年末に使う薪を送ったっていうお話から」
ブッシュドノエル「薪みたいなケーキを作ったのがはじまり、なんてロマンチックな逸話があるくらいなのよ」
シュトーレン「それなら、私だってドイツ式クリスマスの伝統のお菓子だよ!」
シュトーレン「洋酒につけたフルーツと、沢山のナッツを使って、今どきは色んなアレンジもあるんだよ~♡」
デコレーション・ショートケーキ「ふ、2人ともクリスマス感満載・・・!」
デコレーション・ショートケーキ「でもでも!私はクリスマス以外もすごく人気!」
デコレーション・ショートケーキ「子どもから大人までみ~んな食べれるケーキの代表なんだから!」
言い争う3人の元に
新たな影が忍び寄ってくる──
「み~んな全然わかってな~い」
デコレーション・ショートケーキ「この声はまさか!」
デコレーション・チョコケーキ「私がいちばんに決まってるのに!」
デコレーション・ショートケーキ「チョ、チョコケーキ・・・!」
デコレーション・チョコケーキ「チョコはみ~んなが大好き! それをケーキにしたチョコケーキも1番なんだよ!」
デコレーション・チョコケーキ「だいたい、ブッシュドノエルはロールケーキにチョコムースをぬってるんだからチョコケーキじゃない?」
ブッシュドノエル「たしかにチョコが使われてる物が多いですが、横暴すぎますわ・・・?!」
デコレーション・チョコケーキ「チョコを使ったケーキの代表といえば私!だったら、ブッシュドノエルも私の仲間でしょ~♡」
ブッシュドノエル「そ、そんなことないわ!私はフランスの伝統、ブッシュドノエルなんだから!」
デコレーション・ショートケーキ「あのブッシュドノエルをうろたえさせてる・・・!」
デコレーション・ショートケーキ「チョコケーキとは、いつも人気を争ってるけど、クリスマスでもやっぱり強敵だよぉ」
シュトーレン「私はチョコ使ってないから、チョコケーキに何か言われることもないよねぇ」
「あら、だったらあなたが1番問題あるじゃない」
デコレーション・ショートケーキ「もう!次はいったい誰なの!」
チーズケーキ「私を忘れたなんていわせないわ」
チーズケーキ「このチーズケーキをね!」
デコレーション・ショートケーキ「チ、チーズケーキ!」
チーズケーキ「私抜きでナンバーワンを決めようなんて有り得ないわよ」
シュトーレン「そ、それより!私が問題ってどういう意味なの~!」
チーズケーキ「気づいてないようだから教えてあげるけど」
チーズケーキ「そもそもシュトーレンは菓子パンであって、ケーキじゃないでしょ!」
シュトーレン「そ、それは・・・!」
デコレーション・ショートケーキ「たしかに、シュトーレンはクリスマスの定番だけど、種類としてはケーキじゃなくてパンだね」
シュトーレン「で、でもでも~!チーズケーキだって、クリスマスのケーキとはちょっと違くないですか~?」
チーズケーキ「わかってないわね~!今や季節関係なくケーキを食べるなんて当然!」
チーズケーキ「ベイクド、レア、スフレ・・・ 色んな私が好きなケーキランキングに入ってる」
チーズケーキ「クリスマスにだって私は選ばれるはずだわ!」
デコレーション・ショートケーキ「さすが最近勢いのあるチーズケーキ・・・! 強気の発言すぎる・・・!!」
デコレーション・チョコケーキ「じゃあさ!とりあえず今はこの男の人が誰を選ぶか勝負してみようよ!」
チーズケーキ「あら、いいわよ。見るからにチーズケーキが好きそうな方だもの」
シュトーレン「シュトーレンは男性にも人気ですから!私の勝ちですね~!」
ブッシュドノエル「やはりクリスマスケーキとして目を引くのは私!私に決まってますわ!」
デコレーション・ショートケーキ「わ、私だって!やっぱりケーキといえばイチゴが可愛いショートケーキだもん!」
そうしてスイーツたちが騒ぐ中、ディスプレイを眺めていた男性が口を開いた
主人公「よし!これにしよう!」
主人公「すみません! えっと、この──」
デコレーション・チョコケーキ「『絶対に私だよね!』」
チーズケーキ「『私に決まってるわよ』」
シュトーレン「『私を選んでください~♡』」
ブッシュドノエル「『相応しいのは私ですわ』」
デコレーション・ショートケーキ「『うぅ~!私を選んでください~!!』」
主人公「この「特性クリスマス★和菓子」下さい」
デコレーション・チョコケーキ「え?」
デコレーション・ショートケーキ「え?」
和菓子「え?」
和菓子「わ、私ですか?!」
デコレーション・ショートケーキ「えぇ~!!??」
主人公「クリスマスツリーっぽいお饅頭とか」
主人公「サンタやトナカイ型の練り切りとか ちょっと変わってて面白いし!」
和菓子「う、嬉しいです!」
和菓子「今年は流行りにのって、思い切って いめちぇんをしてみてよかったぁ」
デコレーション・ショートケーキ「そ、そんなぁ」
〇月夜
こうして、和洋の壁を超えながら
スイーツの精たちは、人間以上にクリスマスを謳歌しているのであった
スイーツの精たちの会話がすごく楽しかったです!
やっぱり自分が選ばれたいですよね。笑
結局選ばれた和菓子さんは、主張もしてないのに選ばれてとまどってましたね。
そこもかわいいです!
ケーキの精たちもクリスマス楽しんでたんですね!
とっても可愛くて面白かったです!
ケーキ擬人化とは、斬新ですね! 髪の色にケーキの個性が出ていて、すごくいいと思います!