読切(脚本)
〇体育館の裏
白「やぁやぁ! ちゃんと来てくれて嬉しいよ」
白「・・・放課後体育館裏に来て」
白「な〜んて呼び出し、ぶっちゃけ怪しいからさ」
白「怪しまれて来ないかなって不安だったんだ」
白「え?」
白「ボコボコにされるのかと思った?」
白「ふ〜ん・・・ 私がそういう女に見えてるわけだ?」
白「・・・・・・・・・」
白「うそうそ! そりゃそういう想像もするよね!」
白「けど、そういう呼び出しじゃないよ」
白「そこまで言えば呼び出された理由・・・わかるよね?」
白「ちょっ!? なんでいきなり財布を出すの!?」
白「ボコボコじゃないならカツアゲだと思った・・・?」
白「あのさ・・・本当に私をなんだと思ってるわけ?」
白「・・・明るい雰囲気だけど、性格はそこそこ悪い告理白(こくりはく)さん?」
白「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
白「・・・付き合ったら色々わからせるところから始めなきゃいけないみたいだね」
白「はっ!」
白「な、な〜んちゃって!」
白「こっちの話だから気にしないで!」
白「そうじゃなくて・・・わかるよね?」
白「ん・・・」
白「・・・・・・・・・」
白「・・・・・・・・・・・・・・・」
白「あ、あれ?」
白「もしかして本当に察してくれてない?」
白「え・・・?」
白「・・・・・・彼女がいる?」
白「そ、そうなんだ・・・」
白「ごめんね? その、知らなかったからさ」
白「謝らないでよ!」
白「勝手に一人で空回ったのは私だよ? むしろ笑ってくれたほうが私も恥ずかしくないって!」
白「まぁ、私と付き合えたかもしれないってちょっとくらい後悔してもいいけどさ」
白「・・・うん。 それじゃ、またね!」
白「・・・・・・・・・」
白「・・・・・・そっか」
白「フラレ、ちゃったな・・・」
白「・・・・・・・・・」
白「妄想なのに失敗したんだが!?」
白「なんでフラレてるんだ私!?」
白「いや、もしかしたらその可能性はあるんだけどさ・・・」
白「それにしたって・・・一人でやってる予行練習でフラレるって・・・」
白「む〜・・・ 私らしくないなぁ」
白「もう一回途中からやってみよ」
白「変な可能性考えちゃったけど、来てくれた時点で告白ってわかってるほうが自然だもんね」
白「来ないと思ったから不安だったって言えば、そんなことないって言ってくれるかもだし!」
白「その時点出好きだって言えば、さすがに伝わるよね」
ガサッ・・・
白「え・・・?」
白「嘘、なんで君がここにいるの?」
白「それ、私が予行練習で書いたラブレター?」
白「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
白「あ、あわわわわわ!? 間違って出すところまで予行練習しちゃった!?」
白「それやったらもう予行じゃないじゃん!?」
白「お願い、待って・・・」
白「ちゃんと告白したいからやり直させてぇぇぇぇ!!」
白さんの表情豊かな語りがとっても魅力的ですね。様々なシチュエーションを考えておきながらもドジっ子、すごく愛すべきキャラですね!
彼女は告白した後の相手の反応より、告白するまでのプロセスを楽しんでいるように思えました。彼女がいるということですが、後々何か進展もありそうな予感がします!
白ちゃんのノリノリの百面相一人芝居を見ていると、予行練習やら予行ラブレターやら、もはや予行している自分や時間そのものが好きな告白予行マニアなんじゃないかと思いました。むしろ告白相手がそこにいたら邪魔なぐらいの。手紙も読んで物陰から様子を見ていたであろう相手が逃げ出す背中に「やり直しさせて」ってすごいなあ。