サンタちゃんはなまけたい!

Too Funk To Die

サンタちゃんはなまけたい!(脚本)

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〇西洋風の部屋
  ──北欧、サンタクロースの家
サンタちゃん「そこのポテチとってー」
トナカイ「はい」
サンタちゃん「あとテレビつけて、笑点見なきゃ」
トナカイ「・・・はい」
サンタちゃん「それとドラゴンボールの18巻も」
トナカイ「いい加減にしろおおおお!!」
  僕はトナカイ。
  代々サンタクロースに使える、由緒正しいトナカイだ。
サンタちゃん「どうしたのトナカイさん。鼻赤いよ?」
トナカイ「元からだわ!!」
  そしてこの一年中パジャマのグータラ少女がサンタちゃんだ。
  サンタクロースの末裔である。不本意だけど。
トナカイ「もうすぐクリスマスですよ!?」
トナカイ「準備しましょうよ!!」
サンタちゃん「えー無理むり」
サンタちゃん「おもちゃは全部工場で作ってるしさ」
サンタちゃん「プレゼントも全部お父さんとかが渡すし」
サンタちゃん「私要らないじゃん」
トナカイ「要らないじゃん、って・・・」
  このとおり、やる気ゼロである。
サンタちゃん「そんなことより早くオヤツ持ってきてー」
トナカイ「・・・・・・」

〇綺麗なキッチン
ビクセン「災難だな君も」
トナカイ「ビクセンさん」
  ビクセンさんは先輩トナカイだ。
  僕がここに来るより前からサンタちゃんの世話をしている。
ビクセン「お嬢のことを悪く思わないでやってくれ」
ビクセン「昔はああではなかったのだが・・・」
トナカイ「でも、仕事もしないで生活していけるんでしょうか?」
ビクセン「そうかまだ教えてなかったな」
ビクセン「サンタクロースは重要無形文化財」
ビクセン「国から補助金が出るから、何もしなくても生活できる」
トナカイ「上級国民かよ・・・」
サンタちゃん「ふたりともー、オヤツまだー?」
ビクセン「はいはい、ただいまー!!」
トナカイ「あ、あの!!」
ビクセン「ん?」
トナカイ「ビクセンさんは、どうしてそれでもサンタちゃんのお世話を・・・?」
ビクセン「おっぱ○が大きいからだ」
トナカイ「・・・転職しようかな」

〇黒
  しかし、クリスマスを目前に控えたある日。
  サンタちゃんのグータラ生活は、突如終わりを告げた。

〇西洋風の部屋
  補助金終了のお知らせ
  サンタクロースさんは大変立派な人物でしたが、あなたは特に何もしてないので、補助金を打ち切ります。 政府
サンタちゃん「ええー!? こんなことってある!?」
トナカイ「誰もが予想した展開だよ!!」
トナカイ「・・・あれ、ビクセンさんは?」
  実家の畑を手伝います ビクセン
トナカイ「逃げやがったあの野郎・・・」
サンタちゃん「・・・おやすみ〜」
トナカイ「この流れでのび太並みの早寝キメれる!?」
サンタちゃん「だって今更働くとか無理だし」
トナカイ「こんなときこそサンタクロースの出番でしょう!?」
トナカイ「みんなにプレゼントを配って回りましょう!!」
サンタちゃん「えー。なんでわたしがそんなこと」
トナカイ「サンタだからだよ!!」

〇月夜
  ──クリスマスの夜
  嫌がるサンタちゃんを宥めすかし、僕たちは夜の空へと繰り出した。
サンタちゃん「わわわすごい、本当に飛んでる!!」
トナカイ「しっかり掴まっててくださいね!!」
  ささやかな活動でも政府に認めてもらえば、補助金を継続してもらえるかもしれない。
サンタちゃん「行け行けトナカイさーん!!」
トナカイ「まったくもう、現金なんだから・・・」

〇近未来の手術室
  一通り町を回り終わり、最後の家──
サンタちゃん「なんだろ、この家・・・?」
女の子「あなたたち、誰?」
サンタちゃん「やば、見られちゃった!?」
トナカイ「でもなんでこんな時間に起きて・・・」
???「何者だ!?」

〇近未来の手術室
謎の男「お前たち、こんなところで何してる!?」

〇近未来の手術室
サンタちゃん「今度は親御さんまで!?」
トナカイ「いや絶対違うでしょ!?」
謎の男「ここを見たからには生きて帰さねえぞ・・・!!」
トナカイ「と、とにかく逃げましょう!!」
謎の男「待ちやがれ!!」

〇研究施設の一室
トナカイ「く、行き止まりか・・・」
謎の男「もう逃さねえぞ!!」
サンタちゃん「トナカイさん、ここは任せて!!」
トナカイ「サンタちゃん!?」
サンタちゃん「昔おじいちゃんから、悪い子どもにはこれを渡しなさいって言われたプレゼントがあるの!!」
サンタちゃん「くらえ!!」
  ──ポイッ
  ドゴォーンッ!!

〇炎
謎の男「か、火事だー!!」

〇黒
  翌日──

〇荒廃したショッピングモール
リポーター「私は今、クリスマスの夜に謎の火災で全焼した建物の前に来ています」
リポーター「ご覧ください、辺り一面が焼け焦げています」

〇西洋風の部屋
テレビの声「出火元には不審な点も多く、警察は放火と見て調べを進めています」
「・・・やっちまった」
トナカイ「サンタさん、あなたなんてことを!!」
サンタちゃん「知らないよ私!! まさかおじいちゃんがあんなもの持たせてたなんて・・・!!」
サンタちゃん「確かに「危ないから危険物取扱者(甲種)取ってから使いなさい」って言ってたけど!!」
トナカイ「そこまで言うなら具体的な効果も伝えといて、サンタクロースさん!!」
テレビの声「ところがこの事件、新しい展開を見せています」
「?」
リポーター「なんとこの施設、子どもたちを拉致し、非合法な実験を行っていたのです!!」
「ええー!?」

〇荒廃したショッピングモール
リポーター「今回、囚われていた女の子に話を聞くことができました」
女の子「はい、あの。施設では狭い部屋に閉じ込められていて、とっても怖かったです」
女の子「でも、昨日の夜はサンタさんが来てくれたんです」
リポーター「サンタさん?」
女の子「はい、見たんです、トナカイさんとサンタさんを」
女の子「この火事は、サンタさんがわたしたちに自由をプレゼントしてくれたんだと思います」
リポーター「確かにクリスマスの夜、この町の子どもたちに匿名の方からプレゼントが配られると言う出来事もあったようです」
リポーター「この火事で奇跡的に怪我人がいなかったのも、サンタクロースのなせる技だったのかもしれません」
女の子「サンタさん、ありがとう!!」
リポーター「以上、現場からお伝えしました」

〇西洋風の部屋
「・・・・・・」
サンタちゃん「・・・そういえばさっき、手紙来てた」
  サンタちゃんへ
  補助金は継続するよ
  ひどいこと言ってごめんね
  来年もよろしこ 政府
「・・・・・・」
サンタちゃん「いやっふうぅー!!」
トナカイ「よくそんな切り替えられるなおい!!」
サンタちゃん「まあまあいいじゃん、細かいことは気にしない」
サンタちゃん「それよりトナカイさん、オヤツ持ってきてオヤツ!!」
トナカイ「・・・まあ、いっか」
  ピンポーン
トナカイ「? 誰だろう」
  ガチャ
ビクセン「すまないが私ももう一度」
トナカイ「帰れ」
  おしまい

コメント

  • コンテスト大賞受賞作品と知り、拝読させて頂きました。
    可愛いサンタちゃんとトナカイさん。面白すぎです。笑ってしまいました。アイディアが素敵ですね✨

  • スゴく面白かったです!
    トナカイさんのツッコミがよい!笑
    表紙はご自身で描かれてるんでしょうか?
    メチャクチャうまいですッ!
    具体的な使用アプリとかあれば教えてほしいです。
    宜しくお願い致します。

  • とても楽しく読ませて頂きました!
    思いがけないサンタ事情が描かれていて、このお話以外にも物語が広がっていきそうな期待のある作品だと感じました!他の作品も拝読させていただきます!

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