第一探索編パート6(脚本)
〇黒
・・・・・・・・・・・・
あれ・・・あたし・・・
たしか、オニーサンをゾンビから庇って・・・引っ掻かれて・・・それで
じゃあ、ここは・・・
・・・・・・あ
〇アパートのダイニング
ここは・・・確か・・・
・・・ママ?もう一人は・・・
・・・・・・!!!!
元夫「なんじゃ、文句あるんか?」
柳生摩耶「あの子ももう中学生なんですよ!?いい加減、女遊びはやめて・・・!!」
元夫「どの口がほざくねん!?ハッ、ブヨブヨの賞味期限の切れた女が!!」
柳生摩耶「・・・・・・!!」
元夫「お前ら二人を養うんや、キャバクラぐらい行っとかなやってられんわ、アホンダラ!!」
柳生摩耶「・・・・・・」
・・・ああ、これあたしの過去だ
・・・そーいやこのやり取り、小さい頃見たなぁ
〇高い屋上
次はここ・・・学校の屋上かな?
・・・あ、あたしだ
男子「だからよお前、俺のオンナになれつってんだよ」
柳生花凛「ハッ、誰があんたなんかと・・・」
男子「へっ・・・おもしれー女・・・」
柳生花凛「・・・は?なんの真似よ」
男子「お前・・・もう俺のだから」
柳生花凛「・・・」
男子「ぎ・・・・・・!?」
柳生花凛「へぇ、やっぱ男はタマ蹴られると痛いんだ」
柳生花凛「アンタ達は女を従わせるのが好きなんでしょーけど、あたしはアンタらみたいなの大嫌いだから」
・・・あはは、懐かしいなあ
言い寄ってくる男がどいつもこいつも支配しようとしてくるから、こうやってぶちのめしたんだっけ
結構敵作っちゃったけど・・・まあ、一部は姐さん姐さんってついてきたけどさ
〇アパートのダイニング
・・・あ、これは確か、あの男が出ていった後の・・・
柳生花凛「・・・ママ、あたし中学出たらバイト探すから」
柳生花凛「これ以上、ママに迷惑かけられないし・・・」
柳生摩耶「ありがとう花梨ちゃん、でもそんな事しなくても大丈夫よ」
柳生花凛「でも・・・」
柳生摩耶「いいのいいの!!学生の内は家の事なんか心配しなくて大丈夫よ」
柳生摩耶「大丈夫、高校まではなんとしても行かせてみせるから」
柳生花凛「・・・・・・」
・・・大丈夫なわけないのはすぐ解った
あの男に捨てられて辛いハズなのに、ママは気丈に笑ってた
ママは、あたしのいる前では絶対に泣かなかった
それが、あたしの心の負担になるって、わかってたんだろうね
・・・大した人だよ、ママは
それに比べてあたしは・・・・・・
〇黒
???「・・・・・・・・・ちゃん」
???「・・・花梨・・・んちゃん・・・」
柳生摩耶「花梨ちゃん!!」
柳生花凛「────────!!!!!!」
〇病室のベッド
柳生花凛「ここ、は・・・」
柳生摩耶「花梨ちゃん・・・花梨ちゃん!!」
柳生花凛「ママ!?」
柳生摩耶「よ、よかった、本当に・・・本当に!!」
柳生花凛「えっ、何?あたし、確かゾンビにやられたんじゃ・・・」
柳生花凛「なのに、なんでまだ人間のままなの・・・!?」
職員「落ち着いてください、ゾンビ化はゾンビに噛まれた場合の現象です」
職員「あなたは引っ掻かれただけで、それでゾンビ化はしません」
柳生花凛「運転手さん・・・!!」
柳生摩耶「この人が花梨ちゃんを助けてくれたのよ」
柳生花凛「えっ!?」
職員「こんな事態だから車の運転手してますけど、私もここで働く医者の一人なんですよ」
職員「それに、助けてくれたのは私一人じゃありません、ほら・・・」
柳生花凛「あ・・・!!」
〇デザイナーズマンション
────以下回想
職員「何か大きな音したけど二人共大丈夫かな・・・」
職員「あ、帰ってきた!おー・・・」
職員「いぃい!?」
職員「ど、どうしたんですか!?そんな・・・そんな血まみれで!?」
橘宏美「見ての通りだよ!!応急処置急いで!!」
職員「は、はい・・・!!」
〇車内
職員「ゾンビ化の兆候は見られないからその心配はないけれど・・・」
職員「何にせよ出血がひどすぎる!!これじゃ病院に着くまで持たんぞ!?」
橘宏美「そんな・・・!?」
橘宏美「・・・待てよ」
橘宏美「・・・彼女の血液型は?」
職員「班分けの際に聞いたのですが、Aと・・・」
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