二代目です

まいまいまま(mymymama)

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〇神社の本殿
  12月23日
あかり「ごめん。今日はあまり時間がないんだ」
あかり「それと前から言ってるけど、24日はダメ。25日の午前中も絶対にダメ。会えないから」
りく「冗談だよね?」
あかり「やだ!もうこんな時間! とにかく25日のお昼からね」
あかり「またね!」
りく「初めてのクリスマスなのに? 会えない理由も教えてくれないなんて」
縁結びの神様「あんた・・・そりゃ終わっとるよ・・・」
  神社の境内を掃除しながら、縁結びの神様はそっと見守っていた。
  人間には神様が見えない。
りく「ふう。何度言っても、だめか・・・。 お参りして帰ろうかな」
  あかりとずっと仲良く出来ますように
りく「僕はあかりに内緒にしなければいけないような事は絶対にしません!」
縁結びの神様「おっ! 立派な心掛け。 いいキッカケを作ってしんぜよう~」
縁結びの神様「その前に、この枯葉を燃やして片付けておかねば・・・」
  すると境内に見覚えのない物が落ちていた。
  拾い上げると、

〇神社の本殿
縁結びの神様「うわっ!突風が!!」

〇神社の本殿
  白い何かにたき火の火がついて、燃えてしまった。
縁結びの神様「わ!なんだなんだ。あっという間に燃えてしまった」
あかり「あれ?無いな・・・この辺りだと思ったけど・・・」
縁結びの神様「おや、あの娘はさっきの」
あかり「あの・・・スミマセン。この辺りに、赤い帽子と白いモフモフっとしたもの落ちていませんでしたか?」
縁結びの神様「ドキっ!! もしかして・・・これかの?」
あかり「あ!やっぱり!!ここに!」
縁結びの神様「申し訳ない・・・。 白い方は、火が点いてしまってすぐに燃えてしまったよ」
あかり「えっ!大変!! どうしよう・・・あれがないと・・・」
縁結びの神様「風が吹いてきて、あっという間だったから、どうしようもなくて・・・」
縁結びの神様「って!お嬢さん。わしの姿が見えるのか?」
あかり「え?今更誤魔化そうだなんて・・・」
縁結びの神様「そんなつもりでは・・・」
縁結びの神様「おかしいな。わしの姿は人間には見えないハズ」
あかり「そうだ!おじいさん!!いい事思いついた!」
縁結びの神様「おじいさんって!!」
あかり「そのりっぱなお髭、付け髭でしょ? 私に2~3日貸してください」
縁結びの神様「付け髭って!!」
縁結びの神様「ワシのトレードマークの髭を付け髭呼ばわりしおって。けしからん!!」
縁結びの神様「だが・・・うっかり燃やしてしまったのもちと気にはなる」
縁結びの神様「この髭をそり落としたとて、すぐにどうにでも出来る」
縁結びの神様「仕方ない。この髭、貸すとするか」
あかり「わ!助かります! ありがとうおじいさん。 必ず返しに来ますから~」

〇月夜
縁結びの神様「しかし、人間の娘にワシが見えるとは。 不思議な事があるもんじゃ」
縁結びの神様「ううっ! 寒いと思ったら、雪が降ってきたようじゃな」
縁結びの神様「こんな日は一杯やって温まるのが一番!」

〇月夜

〇神社の本殿
縁結びの神様「おっと・・・一杯やっておったらウトウトしてしまった・・・」
縁結びの神様「うわ~寒い寒い。 今日は雪が止みそうにないのぉ」

〇雪山
  12月25日早朝
縁結びの神様「これは見事!綺麗な雪景色」
縁結びの神様「こんな日は、誰も参拝客は来ない来ない。 朝から、酒盛りしても大丈夫・・・」
縁結びの神様「おや?」
  ふと目をやると、お賽銭箱の上に、包みが置いてあった。
縁結びの神様「何だこれ?昨日の晩はこんな箱無かったハズ」
縁結びの神様「あーーーっ!」
  うっかり箱を落としてしまった。
  箱の中から出てきたものは・・・
縁結びの神様「これは・・・ワシの髭!と赤い帽子」
縁結びの神様「なんだ?くりすますつりーと・・・マフラー?」
縁結びの神様「参道にも、足跡すら残っておらん・・・」
縁結びの神様「一体どうやってここに・・・?」
  手紙に気が付いた。
  メリークリスマス!
  お髭ありがと~う♪
縁結びの神様「お髭って・・・もしやあの娘!」
  来年、またお髭を借りに来るので
  その時に寒くないように、お髭の代わりにマフラーをしておいて下さいね♪
  帽子とクリスマスツリーはオマケ。
  
  サンタより
縁結びの神様「なんと!あの娘、サンタじゃったのか!」

〇神社の本殿
  1月1日 お正月 初詣
あかり「ここの神社、すっごい有名な縁結びの神様がいるのよ」
あかり「だから りくと一緒にここに来たくて」
  りく と あかり
  2人ならんで参拝中。
縁結びの神様「お揃いで来てくれたのか」
縁結びの神様「だけどのぉ。 あの娘はサンタ。おじいちゃんなんだよな?」
  すると、そっと目をあけた あかりと神様は目が合った。
あかり(もう!私は、普通の高校生だよ)
あかり(クリスマスイブに、おじいちゃんに変身するだけ)
あかり(借りたあのお髭でね)
  小さな小さな声でつぶやいた。
縁結びの神様「変身とな。今時のサンタは変身出来るのか!」
あかり(えへへ?私は2代目サンタ。 これからは祖父に代わって私がサンタ・・・)
あかり(腰が痛いおじいちゃんに寒い中、プレゼント配りは重労働だからね)
縁結びの神様「マジ感動」
あかり(だから、またクリスマス時期にお髭を貸してね・・・)
縁結びの神様「OK!髭も、縁結びもまかせておけ!!」
  神様はそっとあかりにお守りを渡した。
りく「あかり? 長い願い事・・だね?終わった?」
あかり「見てかわいいお守り。私の大好きな星型」
りく「いつの間に?お揃いで?嬉しいな」
縁結びの神様「サンタの娘さんに特別仕様のお守り。 縁結びの神特製だから、間違いないぞ」
  あかりに神様が見えたのはきっと、大勢の子供達を喜ばせているご褒美。 ~完~

コメント

  • 縁結びの神様のおかげでりくとあかりが結婚したら「奥様は二代目サンタ」シリーズができそう。二人の子供が三代目になるまでの「チビッ子サンタ見習修行」シリーズも見てみたいです。

  • それだとクリスマスの予定は空きませんよね!
    まさか彼女がサンタさんをやってるとは思いませんでしたが、翌日の返却物を見てるとあぁ本当にサンタさんだったんだなぁと。
    彼も優しくて、幸せになって欲しいです!

  • こんなに微笑ましい神様との対話は見たことありません!
    もしかしてサンタさんも何かしら特殊な能力があるのかな?神様も見えるわけだし…。

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