先生、死んでる場合じゃありません!

大河内 りさ

P11・出版権が欲しいです!(脚本)

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〇可愛らしいホテルの一室
クロエ「わっ!? 何!?」
レイヴィダス「おはようございます、先生!!」
クロエ「レイさん・・・」
レイヴィダス「入ってもよろしいでしょうか!?」
クロエ「だめです!!」

〇城の廊下
レイヴィダス「此度のコスプレは 編集者カジュアルver.です!」
レイヴィダス「さあ、今日こそ連載に向けた 打ち合わせをしましょう!!」
クロエ「嫌です」
レイヴィダス「何故です!?」
クロエ「数日前に鬼人領から 戻ったばかりじゃないですか!」
クロエ「構想を練る時間を──というか・・・」
クロエ「それどころじゃありませんよね!?」

〇貴族の応接間
ストラスール「魔界への魔力の供給方法、ですか・・・」
ストラスール「申し訳ございませんが、 私には分かりかねます」
クロエ「そう。困ったわねぇ・・・」
クロエ「このままでは、他の場所でも鬼人領と同じようなことが起きてしまうと思うんですよ」
ストラスール「おい、そこのスライム以下」
レイヴィダス「名前で呼べ、名前で!!」
ストラスール「本当に方法が分からないのですか?」
レイヴィダス「今まで意識したことがなかったんだ」
ストラスール「道具を使ったり、 歌ったり踊ったりなどは──」
レイヴィダス「していない」
ストラスール「チッ、使えない」
レイヴィダス「舌打ちィ!?」
クロエ「どなたかいらしたみたいですね」
刀威「レイヴィダス!!」
クロエ「刀威さん!?」
レイヴィダス「何故ここに・・・」
刀威「貴様、14巻のどこがきりがいいんだ!? シオンがあんな状態で終わるなど──」
レイヴィダス「早速『わたアル』を読んでくれたんだな!?」
刀威「いいから早く15巻をよこせ!!」
ストラスール「急に来られては困りますね、刀威殿」
刀威「シルヴィス公・・・」
刀威「礼を失した訪問、申し訳ない」
刀威「しかし、続きが気になって いてもたってもいられなかったんだ」
ストラスール「ああ、シオンでしたらあの後──」
刀威「待て!! ネタバレしたら貴公といえ容赦は──」
???「失礼いたします」
リディア「騒がしいご様子ですが、 いかがなさいましたか?」
刀威「リディア嬢!」
リディア「あら、刀威様。 ご無沙汰しております」
刀威「お目にかかれて光栄です」
ストラスール「・・・・・・」
レイヴィダス「待て待て、無言で本性を現すな! 怖い!!」
ストラスール「失礼いたしました」
ストラスール「刀威殿が急にリディアの手を 取るものですから殺意が沸きまして」
レイヴィダス「挨拶くらい許してやれ」
リディア「刀威様がいらっしゃるなんて珍しいですわね。どうなさったの?」
刀威「その・・・ 『わたアル』の続きを借りに・・・」
リディア「まあっ! お読みになったのですね!」
リディア「ちなみに刀威様はシオン派? それともユリウス派?」
刀威「キャラクターとして好きなのは シオンだが・・・」
リディア「そうですかぁ〜!」
リディア「俺様攻なシオンがお好きということは、刀威様は健気受の素質がございますわねっ!!」
刀威「健気受・・・?」
刀威「すまない、リディア嬢。 何を言っているのかさっぱり──」
リディア「申し訳ございません! 私ったら何てはしたない・・・」
リディア「解釈は人それぞれですものね。 シオンは誘い受と見る方もおりますし」
ストラスール「リディア、お前は席を外しなさい」
ストラスール「刀威殿はこちらへ。 クロエ様の魔力について相談があります」
刀威「俺はマンガを借りに来ただけだ」
刀威「レイヴィダス! 最終巻までまとめて持ってこい!」
レイヴィダス「最終巻・・・」
刀威「何だその顔は」
レイヴィダス「刀威、心して聞け」
レイヴィダス「最終巻は────」
刀威「最終巻は・・・?」
レイヴィダス「ないっ!!」
刀威「・・・・・・ない?」
刀威「ないとはどういうことだ!? まさか最終巻だけ持っていないのか!?」
レイヴィダス「そうではないのだが・・・」
クロエ「ごめんなさいね、刀威さん。 あの作品、まだ完結していないんですよ」
刀威「お前──」
刀威「いや・・・」
刀威「滝松先生!!」
クロエ「は、はいっ」
刀威「何故だ、どうして完結していない!?」
クロエ「え~っと・・・」
クロエ「色々あって休載しているうちに 老衰でころり・・・みたいな?」
刀威「・・・っ」
刀威「御愁傷様です」
クロエ「恐れ入ります・・・?」
刀威「しかし、続きを描くべく レイヴィダスが転生させたのだろう?」
刀威「それなら完結の目処は 立っているんだな」
クロエ「・・・・・・」
刀威「おい、どうして顔を背ける」
クロエ「鋭意作成中です」
刀威「目が泳ぎまくってるぞ」
刀威「まさか続きを描いていないのか!?」
クロエ「1話分のネームはあります!」
刀威「1話分だけだと!? 貴様、完結させるつもりはあるのか!?」
クロエ「ごめんなさい〜!!」
刀威「・・・まあいい。早く下書きに移れ」
クロエ「ええっ!?」
刀威「返事」
クロエ「はっ、はい・・・」
レイヴィダス「おお・・・」
リディア「勢いで納品を確約させましたわね」
リディア「刀威様が担当編集者になった方が よろしいのでは?」
刀威「ところで・・・」
刀威「相談というのは、 魔力の供給方法についてか?」
ストラスール「ええ、そうです」
刀威「ふむ・・・」
刀威「魔力を筆に乗せてマンガを描かせてみる ・・・というのはどうだ」
ストラスール「マンガを媒介にして 魔力を循環させるということですね」
レイヴィダス「ついに『わたアル』が魔界デビューか!?」
レイヴィダス「いや、その前に出版権を 買い取らなければ・・・」
刀威「元は異世界のマンガだろう。 バレなきゃいいんじゃないか?」
レイヴィダス「しかし──」
ストラスール「双界に何か影響があっては困ります」
ストラスール「レイヴィダス様はこれ以上 異世界に関与しないでください」
レイヴィダス「・・・はい」
刀威「──と、いうことだ」
刀威「アシスタントは手配してやるから、 早急に下書きを仕上げろ。いいな?」
クロエ「本気ですか!?」

次のエピソード:P12・画伯の誕生です!

コメント

  • 偏頭痛ですか‥
    どうか無理なさらずに。
    地震頭痛の可能性も、人間も動物なので、
    あるかも、と思います。
    私も辛い事があったわけでは無いのに、
    能登の地震の数日前から
    謎の鬱に苦しんでました。
    地震のニュースが入った途端に
    嘘のように治ったんですが💧😅
    くれぐれもご自愛ください。

  • 最近晴れたり雨が降ったり暑かったり寒かったりで体調崩しますよね。偏頭痛は僕の周りにも多いです。天気予報より正確だとか仰る方もいたりします。
    ファンの輪が広がってく様が丁寧に描かれていて楽しいです。リディア、いいキャラですね。

    BL用語、調べちゃいましたよ…。本作中には出てきませんでしたがリバとスパダリ攻めは知らんかったです。勉強になります!

  • ついに刀威さんまで『わたアル』のトリコに……、そして、そんな刀威さんを上回るリアの熱量やら妄想やら性癖やらアレコレww
    魔界の各人を魅了するマンガ文化というソフトパワー、偉大なモノなのデスネ……

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