エピソード4 UNKNOWN SNIPE(脚本)
〇荒廃した街
────キョロキョロ。
インパルス「どっか行け、早く」
半崩した塀の下に身を隠す二人。
変異バイオノイド「ア"ア"ア"ア"ア"」
────ヨロ、ヨロヨロ。
シルクレット「行きましたね」
インパルス「よーしよしよし」
インパルス「前進、再開」
シルクレット「スラムエリアはあと9キロで抜けれます────」
シルクレット「・・・・・・」
インパルス「・・・・・・」
シルクレット「・・・・・・見張ってますね」
インパルス「堂々としすぎだ。・・・・・・サプレッサー持って来るんだった」
ブーーーン────。
シルクレット「どこか行きましたね」
刹那────
パアッ!!
「!!・・・・・・これは、照明弾!?」
突如、空が明るくなった。インパルス、シルクレット、変異バイオノイド達は照明弾に食い付く。
インパルス「シルクレット、走れ!!走れっ!!」
ダッ、インパルスとシルクレットは駆け出す。
────が、
ッ!!
遠くから放たれた弾丸はシルクレットの右足を貫く。
インパルス「シルクっ!?」
インパルス「!」
インパルス「がっ!!」
次弾は振り返ったインパルスの左肩に被弾、貫通。
インパルス「ちっ!シルクレット・・・・・・!!」
シルクレット「────いっ、痛い」
シルクレット「これが────痛み、痛覚」
インパルス「何言ってんだ!!」
インパルス「────っ!!またかよ・・・・・・」
────バシュ。
──────バシュ。
3発目、4発目が容赦なく二人を襲う。
三発目はインパルスの右脇腹に、四発目はシルクレットの左足に。
三発目の照明弾が二人を照らす。それは姿なき狙撃手(スナイパー)に、位置と無様を知らせる。
さらに不幸、最悪か────
変異バイオノイド「ア"ア"ア"ア"ア"」
インパルス「クソが・・・・・・」
────ジリ、ジリ。
インパルス「当たれ・・・・・・当たれよ・・・・・・」
インパルス「ごぶっ────」
五発目、インパルスの右胸に命中──肺に残る。
メットの下から血を吹き出す。
────ジリ、ジリ、ジリ。
インパルス「・・・・・・きゅう・・・・・・えん、か?」
────バタリッ。
シルクレット「インパルスっ!」
車両が二人の盾になるように隠す。右側のドアが開くと────
ロッソ「よぉー、お二人さん!!帰りが遅いと思ったらこれかい!?」
インパルス「────ゴフッ」
ロッソ「──と、ふざけてる場合じゃないな」
ロッソ「さっ、乗った乗った」
〇荒廃した市街地
────大戦、末期。
指揮官「進めぇっ!」
指揮官「倒れた仲間の屍を盾にしろ!」
────ウルサイ。
指揮官「お前達の『変わり』はいくらでもいる!」
────シニタクナイ。
指揮官「お前達は進むしか道はない!」
────イキノコリタイ。
サイボーグ兵士「だす、助け"て"ぇ!!」
サイボーグ兵士「手"を"、かしてっ!!」
────ヤメロ
────────オマエハ、ユルサレナイ
〇集中治療室
────ピ────ピ────ピ────ピ────ピ────ピ。
プロテクターが外され大量のコードと管に繋がれていた。
キリク「ふーむ・・・・・・まさか」
キリク「・・・・・・まさか、こんな『年代物』とこんにちはをするとは~」
「キリク君」
キリク「わー少尉、何かお土産ありますか~?糖分が欲しいと私の脳ミソ君が直訴してます~」
クリプト少尉「残業ながら手元には飴しか持っていない」
クリプト少尉「────で」
キリク「・・・・・・とんでもない代物が襲いましたね~」
キリクはインパルスから取り除かれた弾丸をトレーに乗せクリプト少尉に見せる。
クリプト少尉「────これが」
キリク「大戦末期使用され~、戦前旧国家軍事銃器にも採用された────」
キリク「『リフォンブル弾30』、です~」
クリプト少尉「・・・・・・久方ぶりだな。今は不採用となり『マルケル弾44』が正式だが」
キリク「アサルト、スナイパー、マシンガン、ハンドガン。これらを専用の改造道具(カスタマイズ・キット)で使用可能に共通化し」
キリク「戦闘を円滑にするため、炸薬と一緒に神経毒薬を詰め込んだり──」
クリプト少尉「挙げたらキリがない。狙撃手はインパルスとシルクレットをわざわざ標的にした、と」
キリク「────まぁ、そうかもしれないですが~。違ったり~、とか~?」
キリク「とにかく~、私はインパルスのメディカルに集中、徹夜いたします~」
キリク「ところで~、新型新人(ニュータイプ・ルーキー)さんは何処(いずこ)へ~?」
クリプト少尉「・・・・・・M.A.M.O.(まも)機関だ」
クリプト少尉「彼女は『彼処』から来た・・・・・・。頭ごなしに叱られたが」
キリク「うわ~、聞くという選択がブービーでした~。彼処は私~、生理的に無理です~。話が~通じない人が~、政治をしてるみたいです~」
キリク「そんな所で~、・・・・・・グズの群れです~」