バイオノイド

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エピソード1 hunt time(脚本)

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〇未来の都会
  ──ああ、綺麗だな。
  紙煙草を片手に、無人となったタワーの展望台から見下ろす夜景を独占としていた。
インパルス「──こちら『インパルス』。目標地点到着。ターゲットは・・・・・・まだ確認してない。GHQ、オーバー」
「──こちらGHQ。ターゲットはその展望台に隠れている。『ステルススキン』を搭載している」
「と、言っても初期先行として作られたためバッテリーもそろそろ持たん筈だ。見つけ次第、発砲許可──始末しろ。オーバー」
インパルス「インパルス、ラジャー」
  通信を終わらせるや紙煙草を携帯灰皿に入れ、ポーチに仕舞う。立て掛けていた小銃を取りセーフティーを解除する。
  レーザーポインターの発光。照準器機の微調整。コッキングハンドルを引き、弾倉を装填。ストックを右肩にくっ付け背を丸く屈む。
インパルス「・・・・・・」

〇未来の都会
(嫌だ・・・嫌だ・・・。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)
ナヴィ_コードNo.07966(消えたくない・・・。消えたくない・・・。何で・・・?)
  展望台デッキに設けられたカフェテリアのカウンター裏に縮こまるように隠れる。
  ガタガタと身体を恐怖で震わせ、口を真っ赤に染まった両手で覆い、自分の置かれた状況に涙を流す。
ナヴィ_コードNo.07966「私は・・・・・・『なりたくない』。死にたく・・・・・・うっ!」
  突然、胸に激痛が走る。口からは蒼い人工血液を吐く。目は大きく見開き、血走る。心臓が恐怖とは違う鼓動が高まり──
ナヴィ_コードNo.07966「・・・・・・嫌、だ。嫌・・・・・・イ・・・・・・・・・・・・ヤァ・・・・・・・・・・・・・・・殺シテエ」
  髪の色も変化しだし、そして一本一本床に抜け落ちていく。彼女の声質も獣のように変化、身体からも鳴ってはならない音がなり──
  それは彼女の人格も消え失せ、別のものに成り果てた。
■■■■■■「・・・・・・フーッ」
インパルス「──こちらインパルス。・・・・・・ターゲットは完全に変異(トランス)した」
「──わかった。ターゲットはレベルIの個体と確認。・・・・・・楽にしてやれ」
インパルス「言われなくとも──」
  通信を切るとナヴィだったクリーチャーに銃口を向け、安全装置を外し──引き金を引いた。
■■■■■■「グゥォオォォォォォ」
  インパルスの小銃から放たれた弾丸が成り果てたナヴィに当たる。
  蒼い人工血液が紫色に変色し血飛沫が舞う。首をインパルスの方に向け──
  ────ヤメテ
インパルス「・・・・・・そんな顔をするな」
インパルス「そんな顔をするなぁ!!」

〇未来の都会
  ────タワー一階広場。
インパルス「・・・・・・・・・・・・」
クリプト少尉「インパルス、ご苦労だった。ターゲットは絶命を確認・・・・・・」
クリプト少尉「手をかそうか?」
インパルス「大丈夫だ、少尉。・・・・・・自分の足で帰投する」
クリプト少尉「わかった。・・・・・・明日、メンテナンスを受けろ。システムを初期化させて貰え」
インパルス「・・・・・・そうさせて貰うよ。この身体は、バグが一度起きれば──嫌な記憶が甦る」
  ────ヤメテ、■■■■
インパルス「──っ!」
クリプト少尉「日が上がるまでには戻っていろ。──次の『害獣苦情』まで備えていろ」

次のエピソード:エピソード2 SILKLET part1

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