先生、死んでる場合じゃありません!

大河内 りさ

P10・ピンチです!(脚本)

先生、死んでる場合じゃありません!

大河内 りさ

今すぐ読む

先生、死んでる場合じゃありません!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇謎の施設の中枢
クロエ「火竜・・・?」
レイヴィダス「その凶暴性から世界の均衡を乱し、破壊や混沌をもたらす存在とされている古代生物です」
レイヴィダス「まさかこんな所に封印されていたとは──」
刀威「のんきに話してないでさっさと片付けろ!!」
アルフォル(レイの魔力なら倒せるだろうけど、クロエちゃんが魔法を扱いきれるかどうか・・・)
アルフォル「・・・ッ」
アルフォル「退こう」
刀威「何を言っているアルフォル」
刀威「鬼人領の魔獣の異常行動── 原因はどう考えてもあれだろう」
レイヴィダス「火竜から溢れた魔力が 辺り一帯の魔獣を凶暴化させ──」
レイヴィダス「さらにはガーゴイルなど他地の ものまで誘い出したということか」
刀威「分かってんなら早くしろ」
刀威「倒すのが難しいなら再封印でもいいぜ」
レイヴィダス「そうだなぁ・・・」
クロエ「・・・・・・」
レイヴィダス「ん〜・・・」
レイヴィダス「よしっ」
レイヴィダス「今日のところは帰ろう!!」
刀威「はあ!?」
レイヴィダス「ほらっ、今日はガーゴイルと戦って疲れちゃったし、火竜の相手はまた今度ってことで──」
刀威「お前、魔王を引退する気にでもなったのか?」
刀威「それなら今ここで、 俺が引導を渡してやるよ!!」
アルフォル「わーっ、待った待った! 仲間割れしてる場合じゃないから!!」
クロエ(このままではいけないわ・・・)
クロエ「ここは私にお任せください」
レイヴィダス「先生!?」
刀威「ホムンクルスごときに何ができる」
クロエ「あの恐竜──火竜と契約します!!」
火竜「グルルルルルル・・・」
刀威「そんなことできるわけが──」
クロエ「できます!」
クロエ「弱らせてから捕まえる ポシェモン作戦でいきましょう!」
刀威「ポシェモン・・・?」
クロエ「曾孫がポシェットモンスターっていう ゲームが大好きなの。それでね──」
アルフォル「クロエちゃん!! その話は後でゆっくり聞くからっ!!」
火竜「ガアッ」
アルフォル「危ねっ」
アルフォル「とりあえずこいつの体力 削りゃいいんだな!?」
アルフォル「刀威、手伝え!!」
刀威「チッ」
刀威「失敗したらレイヴィダスの 首をもらうからな!」
刀威「ハッ!」
アルフォル「オラッ!」
火竜「グォォオオオッ!!」
レイヴィダス「くっ・・・」
レイヴィダス「おおっ、見ろアルフォル! ちょこっとだけ水が出たぞ!!」
レイヴィダス「消火活動は私に任せろ!!」
アルフォル「はいはいよかったね──っと!!」
アルフォル「ぐっ・・・」
火竜「ガアッ!!」
アルフォル「・・・くそっ」
刀威「こっちだ!」
火竜「グァアッ!!」
刀威「このっ・・・」
クロエ「深淵の底より湧き上がりし 清冽なる水よ・・・」
クロエ「激流の如く奔り 潮騒の鐘声を轟かせろ──!!」
火竜「グルル・・・」
「ハッ!!」
アルフォル「どうだっ・・・!?」
火竜「オオオォォーーーーーーン!!」
刀威 / アルフォル「うわぁああっ」
レイヴィダス「刀威! アルフォル!!」
クロエ「・・・っ」
クロエ「汝、運命の星海に漂う光 我、其の運命を──」
火竜「グォォオオオーッ!!」
クロエ「きゃあっ」
レイヴィダス「先生っ!!」
クロエ「・・・大丈夫です」
レイヴィダス「無茶しないでください! すぐに撤退しましょう!」
クロエ「いいえ! アルさんと刀威さんの 仇を討たなければ──」
アルフォル「勝手に殺さないでくれる?」
クロエ「アルさんっ!」
アルフォル「待ってろ。 すぐにあいつの動きを封じてやる」
アルフォル「今だっ!!」
クロエ「汝、運命の星海に漂う光── 我、其の運命を両手で掬う匙」
クロエ「ここに定めるは運命の契り」
クロエ「契約の証明にて其を命名せん」
クロエ(火竜の名前は・・・)
クロエ「『ひーちゃん』!!」
クロエ「我の新たな力と成れ──!」
ヒーチャン「キューン」
クロエ「・・・うまくいったの?」
アルフォル「ああ、やったなクロエちゃん!」
クロエ「『アル』さ──」
「あっ」
アルフォル「・・・・・・マジか」
クロエ「私ったらなんて迂闊な・・・ ごめんなさい、アルさん~!」
刀威「・・・・・・・・・」
刀威「お前、どうしてその魔法を──」
クロエ「と──」
刀威「待てっ、名前は呼ぶな!」
クロエ「・・・っ」
「・・・・・・・・・」
刀威「──よし、もう大丈夫だろう」
クロエ「刀威さん、お怪我は?」
刀威「大丈夫だ。 たいして力になれずすまなかった」
アルフォル「気にすんな。 何もしてないヤツがそこにいるから」
レイヴィダス「先生! お見事でございました!!」
レイヴィダス「魔法を詠唱するお姿は 精霊王もかくやという美しさで──」
刀威「レイヴィダス!」
刀威「これはいったいどういうことだ!!」
刀威「これではまるで、彼女が──」
刀威「彼女が魔王のようではないか!!」

〇黒背景

〇祭祀場
刀威「──はあぁ!?」
刀威「つまりお前は、マンガとやらの 続きが読みたいがためだけに」
刀威「異世界の人間を巻き込んだのか!?」
レイヴィダス「改心前のストラスールと 同じことを言うんだな・・・」
刀威「改心て何だ!?」
刀威「くそっ、ストラスールは すでに毒されているのか・・・!!」
レイヴィダス「安心しろ! 此度の視察に布教用『わたしのアルカディア』を持ってきている!」
レイヴィダス「きりのいい14巻までだ!!」
刀威「うるせえ!!」
アルフォル「何はともあれ、無事に解決してよかったよ」
クロエ「でも、どうしてひーちゃんの 封印が解けていたんでしょう?」
アルフォル「そこなんだよなー」
アルフォル「魔王の魔力が安定してれば 魔界への影響なんて・・・」
アルフォル「安定してねーわ!!」
レイヴィダス「フハハ・・・!」
レイヴィダス「安定していないどころか 私の魔力はスライム並だぞ!!」
刀威「原因お前じゃねえか!!」
アルフォル「そうか」
アルフォル「レイの魔力が供給されずにいたから 秩序が乱れて瘴気が発生したんだな」
クロエ「どういうことですか?」
刀威「魔界は魔王の魔力と祈りにより 支えられ成り立っている──」
クロエ「つまり魔王は、 公的なエネルギー供給源──」
クロエ「水道局みたいなものなんですね!!」
アルフォル「多分だけどちょっと違うと思う」
刀威「簡単に言えば、 レイヴィダスの監督不行き届きで」
刀威「封印が弛緩し、今回の件が 引き起こされたということだ」
クロエ「でしたら・・・」
クロエ「レイさんの魔力をお預かりしている私が 代わりに祈祷すればいいのでしょうか」
レイヴィダス「それなんですが、先生──」
レイヴィダス「供給方法が分からないのです!!」
クロエ「ええっ!?」
刀威「お前のことだからどうせ無意識に 魔力垂れ流してたんだろ」
刀威「サムズアップするな腹立たしい」
クロエ(早くレイさんに魔力をお返しする方法を探さないと、大変なことになりそうねぇ・・・)

次のエピソード:P11・出版権が欲しいです!

コメント

  • 「ひーちゃん」🤣🤣🤣

    「私の魔力はスライム並みだ」🤣🤣🤣

    今回も楽しいお話ありがとうございます❣️😭

  • 本格アクション楽しかったです。
    そしてまた巻き込まれ事故(笑)そのうちみんな眷属にされちゃうんじゃないかと思ってしまいますね。

  • 緊迫した中での突然のポシェモン発言、ツボってしまいましたww 戦闘などの緊張感のある場面で、唯一人だけテンポの異なる発言のクロエさん、流石です! そして、布教用にコミック14巻まで持参するレイさま、お見事です!

成分キーワード

ページTOPへ