〇開けた交差点
ピンク「──消しゴムマジックで消してやるのサ！」
　　グワァァァ!!
レッド「あのさぁ、ピンクちゃん・・・」
レッド「消しゴムマジックで怪人消すの、やめてくれない!?」
　　──この子は、戦隊ピンク。
　　悪の組織から地球を守る、ヒーロー戦隊の仲間だ。
レッド「そもそも、なに消しゴムマジックって!? 隕石落としてるだけだよね!?」
ピンク「失礼なのサ！ れっきとした必殺技なのサ！」
レッド「いや、規模感考えて!? 地面ボッコボコだからね!?!?」
レッド（この子、本当にヒーローなのか？ なんか狂気を感じるんだけど・・・）
ブルー「ピンクちゅわ〜ん！ 今日も消しゴムマジック決まってたね〜♪」
ピンク「あ？ 誰だ、てめぇ」
ブルー「くぅ〜、冗談きついぜ!! 同じヒーロー戦隊のブルーだよ♪」
ピンク（あ・・・！ イイこと思いついたのサ！）
ピンク「ブルー、一緒に写真とるのサ！」
ブルー「写真？ いいけど、急にどうしたんだい？」
ピンク「ハイ、チーズラテ〜☆」
ブルー（チーズラテなんてあったかな？）
ブルー「よくわかんらんが、 ピンクちゃんいい匂いするから、ヨシ！」
ピンク「レッド！ スマホ画面を見るのサ！」
レッド「お、おう・・・？」
ピンク「ここに写ってるブルーを選択して～・・・」
ピンク「確定ボタンを押すと、 画面からブルーが消えるのサ！」
レッド「わっ、本当だ！ ブルーが背景と同化してる・・・！」
ピンク「・・・と同時に」
レッド「ブル～～～～～!!!!!!」
ピンク「このように隕石を呼ぶことができるのサ！」
グリーン「──お遊びはここまでだ!!」
レッド「お前は、中二病のグリーン!!」
グリーン「誰が中二病だ・・・！」
レッド「聞いてくれよ、グリーン・・・ ブルーがっ、ブルーがぁぁっ!!」
グリーン「──あぁ、承知している」
グリーン「この邪眼《エメラルドアイ》で、一部始終見させてもらったぞ!!」
レッド「いま、そーゆーのいいからぁ〜」
グリーン「先日からイエローの姿が見えないと思っていたが・・・」
グリーン「貴様の仕業だな、ピンク・・・!!」
レッド（イエローちゃん、最近見かけないなぁとは思ってたけど・・・まさか!?）
ピンク「ヒロインは２人もいらないのサ・・・」
レッド「ひぃぃぃ!!」
ピンク「邪魔なものはぜ〜んぶ、 消しゴムマジックで消してやるのサ」
グリーン「ブルーはともかく、 よくもイエローに消しゴムマジックを!!」
レッド「そ、そうだよ！ ブルーはともかく、イエローちゃんまで消すなんて!!」
グリーン「まさかとは思うが・・・ 悪の組織が送り込んだエージェントではあるまいな？」
ピンク「勘のいいガキは嫌いなのサ」
グリーン「待たれよ！ そのスマホから手を離せ──・・・」
ピンク「・・・・・・」
ピンク「アタシはヒーロー戦隊でもなければ、悪の組織のエージェントでもない・・・」
ピンク「こうして、ピンク様の、ピンク様による、ピンク様の時代が始まるのでした」
ピンク「なーんつって」
ピンク「ギャハハハ──・・・!!」