読切(脚本)
〇簡素な一人部屋
俺は宗野晃大。大学生として一人暮らしを初めて3ヶ月が経ったある日、二人の女が押しかけてきた。
三輪香奈(宗野由美)「おにーちゃーん。結婚しよ!!」
宗野由美(三輪香奈)「あ、あんた、私の体で何言ってんの!!」
押しかけてきたのは、俺の妹の宗野由美と、幼なじみの三輪香奈のはずだが
話によると、”二人の体が入れ替わってしまった”らしい
非現実的すぎて、理解が追いつかない
三輪香奈(宗野由美)「兄妹という”制約”がなくなったんだよ。おにぃちゃん、これからは”夫婦”だね!キャー」
宗野由美(三輪香奈)「勝手に話進めんな」
宗野晃大「あのさ、状況がまだよくわかんないんだけど」
宗野由美(三輪香奈)「だから、今日目覚めたら私とあんたの妹の体が入れ替わってたの。それで、状況を確認するために二人で会って話してたら、」
宗野由美(三輪香奈)「あんたの妹が、いきなり『おにーちゃんと結婚するんだ!』とか言って、ここに来ちゃったわけ」
宗野晃大「なっなるほど、だいたいわかった(わかってない)」
三輪香奈(宗野由美)「でも、香奈ちゃんだって、私がおにーちゃんと結婚したら、うれしいでしょ?」
宗野由美(三輪香奈)「は?」
三輪香奈(宗野由美)「だってこないだ、『最近、晃大と話せなくて悩んでるって』相談してきたじゃん」
宗野由美(三輪香奈)「アーーーーーー」
宗野晃大「え?」
宗野由美(三輪香奈)「そんなこと、いいいいいってないしぃ。しょ、証拠ないじゃん!!」
三輪香奈(宗野由美)「相談の証拠はないけど、香奈ちゃんがおにーちゃんのこと好きだって証拠はあるよ」
宗野晃大「え?」
宗野由美(三輪香奈)「そっそれは」
宗野晃大「日記か?」
三輪香奈(宗野由美)「そうだよ。香奈ちゃん家にあったの。さっすがおにーちゃん。やっぱり、私の夫にふさわしいね」
『さっすがおにーちゃん。やっぱり、私の夫にふさわしいね』とかいうパワーワード
三輪香奈(宗野由美)「ということで、読み上げます」
宗野由美(三輪香奈)「やめてーーーーーーーー」
三輪香奈(宗野由美)「『6月10日 晃大とずっと一緒に居たくて、同じ大学を受験して合格できたけど、最近は全然話せなくてしょぼん(´・ω・`)』」
宗野由美(三輪香奈)「あーーー聞かないでぇぇ!!!」
三輪香奈(宗野由美)「『6月25日 授業頑張ってる晃大はかっこよかった!!でも今日も話せなかったよぉ。はぁ、結婚したい』」
宗野由美(三輪香奈)「もうやだ、死にたい」
三輪香奈(宗野由美)「よかったね。私と入れ替わったおかげで、疎遠になったおにーちゃんとまた話せるね。”兄妹”として」
宗野由美(三輪香奈)「この野郎ぉ」
三輪香奈(宗野由美)「だめだよぉ、私がおにーちゃんと結婚したら、”お義姉さん”って呼ばなきゃ」
宗野由美(三輪香奈)「呼ぶか!!」
宗野晃大「そういえば、なんでドレス?」
三輪香奈(宗野由美)「いやぁ、なんか香奈ちゃんの家にあってさぁ。着て来ちゃった」
三輪香奈(宗野由美)「もしかして、おにーちゃんと結婚式挙げるために買ったとか?バカ高いのに」
宗野由美(三輪香奈)「そそそそそそんな分けないじゃん」
三輪香奈(宗野由美)「図星だねぇ」
三輪香奈(宗野由美)「どう?おにーちゃん、似合ってる?」
宗野晃大「ま、まぁ、きれいだとは思うぞ」
三輪香奈(宗野由美)「やだぁ。おにいちゃんったら!!」
宗野由美(三輪香奈)「もう、バカ・・・・・・」
カオスすぎる・・・・・・
読みやすい!
この2人の掛け合い、楽しいですねー!主人公目線で、ヒロイン2人のドタバタ、これぞゲーム小説のど真ん中ですね!しかも、幼馴染と妹というみんなの大好物でww
妹の由美は無邪気なフリしてけっこうな性悪ですね。香奈が一方的な被害者になって終わったけど、由美をやり込める反撃のターンで一気に形勢が逆転したら更に盛り上がったかも。それにしても、こういう時に男の人がなんの役にも立たないのはリアルだな〜。