第十六話デモンズ・シークレット(後編)(脚本)
〇豪華な社長室
秘書「・・・以上が本日の午後からの予定です」
沢村真一「・・・ああ」
秘書「・・・総理? 最近、お顔の色が優れませんが」
沢村真一「はは、ただの寝不足さ 気にするな」
秘書「近頃 敷地内の緑がやたらと枯れてきていて、 何者かに枯葉剤でも撒かれたのではと噂になっております」
秘書「総理もお気を付けなさってくださいね」
沢村真一「・・・ああ」
秘書「少しお休みになられては? 午後の会見までお時間もありますし」
沢村真一「いや、大丈夫だよ・・・ 気分転換に散歩してくる」
秘書「・・・私もお供致します」
〇中庭
秘書(ここまで被害が及んでいる・・・ 昨日はもっと少なかったのに)
秘書(一体どこの輩が? どなたかご対応なさっているのかしら)
沢村真一「・・・・・・」
秘書「総理?」
秘書「え?」
〇中庭
にわの
みどりが
どんどん
かれていく・・・!
秘書「そ、総理?」
沢村真一「うう・・・」
秘書「総理! 総理、しっかりしてください!」
沢村真一「・・・げ、ろ・・・」
秘書「え?」
沢村真一「に、げ、ろ・・・」
秘書(総理の体から出てきた!?)
カイゼルの
からだに
みどりのエネルギーが
すいこまれていく!
秘書「み、緑が・・・」
秘書(この男が緑を枯らしているの?)
カイゼル「ふむ やはり遠隔操作で吸うよりも 直接の方が美味いな」
秘書「・・・・・・」
カイゼル「やぁ、お嬢さん いつもこの男の中から見ているよ 仕事熱心だね、感心感心」
秘書「・・・・・・」
カイゼル「ちょっと彼の体を借りているよ 総理大臣として この国を私の食糧庫となるように 作り替えてもらいたいからねぇ」
秘書(に・・・逃げなきゃ・・・)
カイゼル「おっと」
秘書「きゃあっ」
カイゼル「そうそうお嬢さん 私はちょっと今機嫌が悪くてね 腹が立って腹が空いてしまったんだよ」
カイゼル「ちょっと協力してくれないかな・・・ たまには違う味も食べたくてねぇ」
秘書「う・・・うあぁぁあぁ」
カイゼル「いただきます」
カイゼル「やはり・・・やはりこれが一番だな 植物エネルギーは素晴らしいが 私はやはりこっちが好みだ」
政治家「総理ーどちらにいらっしゃいますか」
カイゼル「・・・まだ、食べたりないな」
〇道場
倉石 龍太(リュウタ)「はっ!」
櫻井華(ハナ)「はぁっ!」
倉石 龍太(リュウタ)「今日はここまでだな」
櫻井華(ハナ)「そうね」
櫻井華(ハナ)「待ってて、飲み物を・・・」
櫻井華(ハナ)「やだ、切らしてる」
櫻井華(ハナ)「もう、エイジね? ちゃんと最後の一本飲んだら 買い足しておいてって・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「何か買ってこようか」
櫻井華(ハナ)「いいの?じゃあお願い」
倉石 龍太(リュウタ)「ああ」
〇スーパーマーケット
倉石 龍太(リュウタ)「ちょっと買いすぎたかな」
倉石 龍太(リュウタ)「レジーナ・・・!」
レジーナ「あ・・・リュウタ・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「随分暗い顔をしているな」
レジーナ「・・・・・・」
レジーナ「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「あっ」
こども「ママー あのお姉ちゃん泣いてるー」
倉石 龍太(リュウタ)「ちょ、おい、 と、とりあえず移動するぞ!」
〇荒廃した国会議事堂
宅配業者「こんにちは、お荷物をお届けに・・・」
宅配業者「あれ?誰もいないのかな・・・」
宅配業者「あのー」
宅配業者「!!」
宅配業者「み、皆・・・倒れてる! 死んでる・・・!?」
宅配業者「わぁあぁっ」
〇見晴らしのいい公園
倉石 龍太(リュウタ)「飲むか?」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・あ、女性はこういうの 飲まないんだったか・・・?」
レジーナ「ううん、飲む ありがとう」
レジーナ「にが」
倉石 龍太(リュウタ)「やっぱり止めとけばよかったな」
レジーナ「大丈夫よ」
レジーナ「・・・ありがとう、リュウタ」
倉石 龍太(リュウタ)「落ち着いたか」
レジーナ「うん」
倉石 龍太(リュウタ)「なんで泣いたんだ」
レジーナ「・・・」
レジーナ「あのね・・・」
レジーナ「う!?」
倉石 龍太(リュウタ)「レジーナ?」
レジーナ「うぅぅ・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「レジーナ、どうした? 気分が悪いのか?」
レジーナ「うっ・・・うぁぁぁっ!」
倉石 龍太(リュウタ)「な、なんだ!?」
〇見晴らしのいい公園
倉石 龍太(リュウタ)「植木が枯れていく・・・」
レジーナ「うぅっ・・・」
そらから
とりがおちてきた!
倉石 龍太(リュウタ)「鳥が・・・!」
倉石 龍太(リュウタ)「レジーナ、お前が?」
レジーナ「リュウタ、私・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
レジーナ「ちがう、私じゃ・・・私はそんなこと・・・!」
倉石 龍太(リュウタ)「レジーナ!」
〇通学路
レジーナ「はぁはぁ・・・」
レジーナ「うっ」
〇通学路
うえきが
どんどんかれていく・・・
レジーナ「うそ、どうして・・・?」
イン「姫!」
レジーナ「イン、ヤン・・・」
ヤン「大丈夫か、姫」
レジーナ「私じゃない、私は何もしていないのに」
ヤン「わかってる 行こう」
イン「さあ、立てますか」
〇研究所の中
赤根武瑠(タケル)「モンスターが出たんですか!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「いや、それがどこにも反応はないんだ」
赤根武瑠(タケル)「え、でもツリーが光ってるし・・・」
櫻井華(ハナ)「大変よ!テレビ点けて!」
赤根武瑠(タケル)「ハナさん?」
〇豪華な社長室
カイゼル「我が名はカイゼル 全ての生命を等しく喰らう者」
カイゼル「これよりこの国に生きる全ての命は 我が支配の下、 その生命エネルギーを 我に差し出すものとする」
カイゼル「逆らうことは許さん お前たちは等しく我が食糧となるのだ」
カイゼル「この国・・・ひいてはこの星は 全て我が食糧なり その第一号となること、 光栄と思うがいい」
沢村真一「・・・・・・」
〇研究所の中
「・・・・・・・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「なんだ・・・これ・・・!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「この人がカイゼル・・・」
櫻井華(ハナ)「・・・タケル!」
赤根武瑠(タケル)「はい!」
碧川瑛士(エイジ)「ちょっと皆テレビ点けて・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「点けてるよ」
櫻井華(ハナ)「エイジも 行くわよ!」
碧川瑛士(エイジ)「OK」
葉隠拓郎(ハガクレ)「皆・・・頼んだぞ」
〇見晴らしのいい公園
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・レジーナ」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・!!」