最強種族のケモ耳族は実はポンコツでした(長編)

にんじん

第六話 真犯人(脚本)

最強種族のケモ耳族は実はポンコツでした(長編)

にんじん

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〇上官の部屋
ローレル・ダンディライオン伯爵「一体誰の仕業なのだ!」
リリー・ダンディライオン「もしかしたらお父様、私の誘拐が失敗したので、盗賊達は強硬手段にでたのかもしれません」
ローレル・ダンディライオン伯爵「うむ、その可能性が高い。しかし、オリハルコンで出来た頑丈な貯蔵庫を破壊出来ること自体が信じがたい事だ」
リリー・ダンディライオン「そういえばお父様、ビートル伯爵の貯蔵庫も同じように破壊されてイチゴが奪われてしまったのでは?」
ローレル・ダンディライオン伯爵「犯行の手口が酷似しているって事だな」
リリー・ダンディライオン「はい。もしかしたら、私たちの考えは間違っている可能性があります」
ローレル・ダンディライオン伯爵「今回の犯行はビートル伯爵の差し金でなく、ビートル伯爵のイチゴを強奪した犯人と同一人物だと言いたいのだな」
リリー・ダンディライオン「はい、お父様。しかし、オリハルコンの貯蔵庫を破壊するなんて不可能です」
ローレル・ダンディライオン伯爵「ケモ耳族・・・」
マカロン(また、大変な事件が起こってしまったようね。いったい誰の犯行なのかしら??)
リリー・ダンディライオン「お父様、ケモ耳族とは、なんのことでしょうか??」
ローレル・ダンディライオン伯爵「オリハルコンの貯蔵庫を破壊することが出来る唯一の人物だ」
リリー・ダンディライオン「犯人はケモ耳族ということでしょうか?」
ローレル・ダンディライオン伯爵「もしも、ケモ耳族が存在するならその可能性は高い」
リリー・ダンディライオン「存在すれば?」
ローレル・ダンディライオン伯爵「そうだ。ケモ耳族は世界最強種族と恐れられる伝説の人種であり、100年以上前にその存在は確認されたと言われている」
ローレル・ダンディライオン伯爵「しかし、存在した事実の証拠はどこにもないので、伝説上の生き物だと語り継がれている」
リリー・ダンディライオン「ケモ耳族とはどのような種族なのですか??」
ローレル・ダンディライオン伯爵「ケモ耳族とは、獣人族のように獣の耳を持った人種だが、体長は3mを越える巨人であり、」
ローレル・ダンディライオン伯爵「体は鋼のように固い筋肉で覆われている。ケモ耳族のパンチは一瞬で山を吹き飛ばし、」
ローレル・ダンディライオン伯爵「地面を殴れば底が見えない大穴を作り出すと言われている」
ローレル・ダンディライオン伯爵「ケモ耳族は1人で、1000の兵士を殲滅させ、魔獣の群れさえ赤子の手をひねるように退治する最強の種族だ」
リリー・ダンディライオン「そんなおとぎ話の主人公のような種族が存在するのでしょうか?」
ローレル・ダンディライオン伯爵「存在しない・・・存在しないから伝説の種族と言われている。しかし、オリハルコンの貯蔵庫を壊せるのはケモ耳族しかありえない」
リリー・ダンディライオン「お父様、現実的な考えをしてください。そのような強さをもった種族が存在するはずがありません」
リリー・ダンディライオン「お父様だってわかっているはずです」
リリー・ダンディライオン「お父様は、予想だにしていない出来事が起きて混乱しているのだと思います」
ローレル・ダンディライオン伯爵「そうかもしれない。今話したことはわすれてくれ」
リリー・ダンディライオン「お父様、バナナを盗んだ犯人を捜すよりも、誕生祭に献上する甘いモノを用意することのが大事だと思います」

〇上官の部屋
兵士「伯爵様!大変です」
  血相を変えた兵士が、再び大声を上げて部屋に入ってきた
ローレル・ダンディライオン伯爵「今度は何事だ!」
兵士「通路で女の子が倒れています」
ローレル・ダンディライオン伯爵「なんだと!すぐに介抱をするのだ」
兵士「いえ、それが・・・」
ローレル・ダンディライオン伯爵「それが、どうしたのだ!今はバナナの件で俺は忙しいのだ」
兵士「起こそうとしたら暴れてしまい、手がつけられないのです」
マカロン「あの~もしかしたら、私の友達のビスケットちゃんかもしれません。私が起こしてきます」
  なんとなくだが、通路で寝ているのはビスケットちゃんだと思った
兵士「お願いします」

〇貴族の部屋
  通路で寝ていたのは、やっぱりビスケットちゃんであった。
  私が声をかけると素直に言うことを聞いてくれて、私が泊まる予定の部屋に連れて行った。
リリー・ダンディライオン「このお部屋を自由にお使いください。さきほど聞いたビスケットの材料は台所に方に用意しておきます」
マカロン「ありがとう!リリーちゃん」
リリー・ダンディライオン「いえ、感謝するのは私の方です。私はこれからお父様と一緒に会議に出席しなければいけません」
マカロン「バナナが盗まれた件ですね」
リリー・ダンディライオン「そうです。でも、問題はありません。私には秘策があるのです」
マカロン「秘策?」
リリー・ダンディライオン「はい。また、マカロンさんに助けていただくことになるでしょう」
リリー・ダンディライオン「では、会議に出席してきます」
  リリーちゃんは部屋を出て行った
マカロン(私が助けることになる?どういうことなのかしら??)
  私はリリーちゃんの意図は理解できなかった。
ビスケット「う~ん う~ん バナナを食べ過ぎて苦しいよ」
マカロン「バナナの食べ過ぎ!!」
ビスケット「愛しの愛しの~バナナ様~あなたはなぜ~こんなに~私を苦しめるの~」
ビスケット「ずっと一緒~ずっと一緒~バナナ様~バナナ様~あなたへの愛が~愛が~多すぎて~こんなに~こんなに~苦しいの~」
ビスケット「ゲッポ!ゲッポ!もう~無理よぉ~バナナ様~」

〇貴族の部屋
マカロン「バナナの食べ過ぎって・・・もしかして」
マカロン「ビスケットちゃん!バナナをどこで食べたのよ」
ビスケット「神様がくれたのよ」
マカロン「神様がくれたって、どういうことなの?」
ビスケット「目の前にバナナの束があったのよ!これは神様が用意してくれたプレゼントなのです」
マカロン「そうなのね。それならよかったわ」
マカロン「って、ならないわよ!もしかして、貯蔵庫を破壊してないわよね」
ビスケット「邪魔者は排除したわよ。それは、神様からの試練だからね」
マカロン「貯蔵庫を壊して、中にあったバナナを食べたってこと!」
ビスケット「違うわ!」
ビスケット「神様の試練を乗り越えて、ご褒美を授かったのよ!」
マカロン「そうなのね。神様の試練を乗り越えて、ご褒美をもらっただけなのね」
ビスケット「そうよ❤」
マカロン「それならよかったわ。私はてっきりビスケットちゃんが、貯蔵庫からバナナを盗んだものだと勘違いするところだったわ」
ビスケット「そうとも言うわね!」
マカロン「そこは否定してよ!せっかく現実逃避をしようと思っていたのに!」
ビスケット「そんなことより、お腹が空いたわ。ビスケットを作ってよ!」
マカロン「わかったわ」
  バナナを盗んだ犯人はビスケットちゃんである事を知ってしまった。
  しかし、その事実から目を背けることした。
  伯爵様の大事なバナナを盗んだことがバレたら、どのような刑罰に相当するのか想像ができない
  いや、想像をしたくない。
  だから、現実逃避をするために、大好きなお菓子作りをして、気を間際らすことにした。
  第七話に続く

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