〇華やかな裏庭
「ニンニくっさぁッ──!!」
ハッカク「ちょっと！」
ハッカク「『おくび』 ご遠慮いただけませんこと？」
ミント「あら、ごめんあそばせ」
ハッカク「とてつもなく・・・ニオイましてよ？」
ミント「まっ!?」
ミント「言い方ッ！およしになって！」
ハッカク「え？」
ミント「美少女・・・でしてよ？」
ミント「ニオってるんじゃないの」
ミント「香って・・・ますのよ？」
ミント「くすぐるパフューム・・・でしてよ？」
ハッカク「しかし何でこんなにもクサっ── 香ってますの？」
ミント「うん、ランチにちょっとね・・・」
ミント「ニンニクマシマシのマシのマシ──」
ミント「痛恨のミス・・・でしてよ？」
ハッカク「ミスってあなた！」
ハッカク「このあとデートでしょうに！」
ハッカク「せっかくの逢瀬を無駄にするおつもり!?」
ミント「・・・はぁ」
ミント「だからあなたは小娘なのよ」
ハッカク「は？」
ミント「よくって？」
ミント「殿方はね、 女の子の香りが大好きですのよ」
ミント「むしろご褒美じゃありませんこと？」
ハッカク「その香りって──」
「ニンニくっさぁッ──!?」
「誰じゃ！さっきからぁッ──!!」
「口臭衛生あなどるなぁッ──!!」
ハッカク「ほら、ご覧あそばせ!?」
ハッカク「みなさんクサがって──」
ハッカク「ごっ!?」
ミント「おだまり」
ハッカク「ぐぅぉ・・・てっめぇ・・・」
ミント「キュビズムは好きか？ 顔面キュビズムは好きか？」
ハッカク「そんなに プリンセス（臭姫）扱いがお嫌なら──」
ハッカク「吐息ケアをなさってくれませんこと？」
ミント「ふんっ、手は打ってありますわよ」
ハッカク「え？」
ミント「お飾りですの？ そのバカデカイおめめは、お飾りですの？」
ハッカク「はぁ〜？」
ミント「『葉っぱ』 これよ。目に入らなくて？」
ハッカク「なんか、 『小汚ねえ葉っぱ持ってやがるな』と」
ハッカク「思ってはいましたけど」
ハッカク「それがどう関係ありますの？」
ミント「噛むのよ」
ミント「葉っぱ噛んで──」
ミント「お口ケアかましますわぁッ！」
ハッカク「言葉もありませんわ・・・」
ミント「これで・・・だれにも・・・！」
ミント「プリンセス（臭姫）なんて・・・！」
ミント「言わせないからなっ──」
ダーリン「お待たせ、ハニー」
ミント「ダーリン！」
ダーリン「今日も綺麗だよハニー 心なしか空気も澄んでいるようだ」
ミント「当然ですわ だって、わたくし香る美少女っ──」
「ニンニくっさぁッ──!? ハニー・・・ハニンニクゥッ──!?」
ハッカク「・・・」
ミント「なによその目は・・・ 哀れんで・・・ますの？」
ミント「ココロもカラダも弄ばれたわたくしを・・・ 哀れんでますのっ!?」
ハッカク「そうね 深く同情しますわ・・・殿方に」
ハッカク「でもしょうがないわね・・・ シメの一杯。行きますわよ」
ミント「それって・・・マシマシですの？ ニンニクマシマシのマシのマシ？」
ハッカク「なんだかんだ言っても、 食べれば元気が出ますものね」