ミネラルショップ(脚本)
〇店の入口
店主「いらっしゃいませ。どうぞ、ゆっくり見ていって下さい」
店主「⋯もしかして、こういうお店は初めてですか?」
店主「なるほど。店の前を歩いていたら、何か綺麗な物がたくさん並んでいたから、入ってみたくなったと⋯」
店主「では、もし良かったら、このお店の説明をさせてもらっても宜しいですか?」
――間
店主「畏(かしこ)まりました。では、説明させて頂きますね」
店主「この店は、石などの鉱物を取り扱う、鉱物専門店(ミネラルショップ)「ドリームクリスタル」です」
店主「⋯そうですね、普段は耳にする機会は少ない、石専門のお店になります」
店主「昔から言うと、数は増えては来てますが、知名度はまだまだ低いですね」
店主「最近はパワーストーンなどのブームで石の名前が知られるようになり、」
店主「そこから鉱物に興味を持ってもらえ、店を訪ねて下さる方もいらっしゃいます」
店主「うちは、基本的に手が加えられてない自然の原石を取り扱っておりますが、」
店主「パワーストーンやアクセサリーなどの加工品も置いております」
店主「⋯あ、そうです。あちらのショーケースの物などが、それら加工品になりますね」
店主「ところで⋯原石ですが、今まで見られた事は、ありましたか?」
店主「⋯なるほど、ここにある紫の石の置き物みたいな物がホテルや旅館などの入口に飾ってあったんですね」
店主「まさにそれが、原石のオブジェになります」
店主「ちなみに、こちらはアメジストになりますが、石それぞれに意味や効果があり、」
店主「アメジストだと魔よけなどの効果があるので、お店の入口に置いてあったりするわけです」
店主「石の効果などでいうと、パワーストーンで男性にわりと人気な、金運アップのタイガーアイなどが、わかりやすいかもしれませんね」
店主「石の種類は一般的に知られている水晶などから始まり、希少価値が高く、高価な物まで様々です」
店主「さらに、新たに発見されて見つかる、新種の鉱物もあったりします」
店主「こちらに並んでいる物も原石になりますが、見て頂いているように、実に色や形、大きさなど、様々です」
店主「⋯そうですね、まるで機械で加工して作ったように、精巧な作りに見える物もあると思いますが、」
店主「このほとんどが、掘り出されたままの自然の形を保った物ばかりです。まさに、自然の神秘さを肌で感じられますね」
店主「水晶は、こちらの棒状のものなどよりパワーストーンなどの、数珠玉の物しか知らない方も多いと思いますが、」
店主「この姿こそが自然にある水晶の形そのものなんですよ」
店主「驚かれるのも無理はありません。私も、鉱物の世界に足を踏み入れるまでは、想像もできませんでした」
店主「ゲームやアニメなどで出てくる、クリスタルのあの形が、自然に存在しているなんて夢にも思ってませんでした」
店主「まだまだ話はつきませんが、簡単に説明させて頂くと、このようなものでしょうか」
店主「もし、お客様が鉱物に少しでも興味を持って頂けたら、嬉しいです」
店主「⋯っ!ありがとうございます」
店主「気に入って頂けたようで、良かったです。それでは、ごゆっくり見ていって下さいね」
――間
店主「あ、お帰りですか?」
店主「どうもありがとうございます。何か、気になる物は見つかりましたか?」
店主「⋯なるほど、今回の記念に石をひとつ欲しいけど、迷われていると⋯」
店主「では、初めてこのお店に来て頂いたお客様に、ピッタリな石があります!」
店主「少々、お待ち下さいね」
――間
店主「お待たせしました、こちらになります」
店主「どうぞ、手に取って見て下さい。きっと気に入って頂けるはずですよ」
店主「そちらの石は、「ハーキマーダイアモンド」という石で、別名「ドリームクリスタル」とも呼ばれています」
店主「なぜダイヤモンドなのかというと、そちらは水晶でありながら透明度が高く、」
店主「ダイヤモンドのような綺麗な輝きを放つことから、ダイヤモンドの名前が付けられています」
店主「採掘される地層は、約五億年前の古代地層で、ドロマイトという岩石のぽっかりと空いた空洞内に石が形成されます」
店主「その姿は非常に神秘的で、まるで深い森にひそかに眠っている妖精のようです」
店主「ハーキマーダイアモンドは水晶ではありますが水晶とは異なるエネルギーを持っていて、」
店主「夢を実現させるサポートをしてくれるとされています」
店主「なので、「ドリームクリスタル」とも呼ばれているわけです」
店主「そうです、気がつかれたように、このお店の名前は、その石「ドリームクリスタル」から来ています」
店主「どんな叶えたい願いも、きっと力になってもらえるはずです」
――間
店主「とても喜んでもらえて良かったです」
店主「お代、ですか?」
店主「⋯」
店主「実は、ただいまの期間、初来店のお客様に、来店記念プレゼントをお渡ししてます」
店主「良かったら、こちらの石を差し上げますので。どうか、大事にしてやって下さい」
――間
店主「ご来店、ありがとうございました」
店主「良かったら、またぜひ、ミネラルショップ「ドリームクリスタル」へ起こし下さい」
おわり
パワーストーンのアクセサリーを何度か購入したことがあります。ストーン自体を浄化するための月光浴やクラスターに乗せることなどが印象に残っています。神秘的な世界ですよね。この物語を読んで久々にお店にも足を運んでみたくなりました。
店主のお話は、たまたま通りかかった初めての人にでも興味を持たせてくれるような感じでした。石とはとても神秘的なものだと思うし、人それぞれに何か効果をもたらせてくれるような気がします。