物書きの卵(脚本)
〇明るいリビング
文子「よーし、今日も書くぞー!」
私の名前は文子。
趣味で物書きをしている。
趣味と言ってもこれは私にとって生きがい、生きる意味だ。
文子「どんなの書こうかな・・・ やっぱりSFかなぁ? 話題のAIの話書こう!」
カタカタ・・・
文子「展開はAIが人間に取って代わるものにしよう! エンディングは・・・」
カタカタ
文子「よし、出来た! 早速公表しよう! ・・・これでよし!」
そしてコメントが複数付く。
文子「今度のは自信作だからきっと絶賛コメだぞ! なになに・・・」
文子「え? 展開が早すぎる? 心情描写が薄い?! 微妙!?」
自信作が否定された。
それがきっかけで文子はすっかりスランプになる。
あれほど好きだった書く事すら怖くなってしまった。
体調まで軽く崩してしまった。
それほどショックだったのだ。
もう書ける気がしない。
書こうとも思わない。
自分にとって書く事は生き甲斐であり唯一の特技だった。
アイデンティティを失ってしまった。
そのとき電話が鳴る。
「もしもし? 明日渋谷行かない? ちょっと欲しいグッズあってさー」
文子「あっもしもし? ごめん、今そんな元気ないかな──」
「どしたん? 話聞くよ?」
文子「うん、私の作品、自信作だったんだけど酷評されて・・・」
文子「私の作品ってつまらないのかな・・・ 才能無いのかな・・・ 物書きやめようかな・・・」
「・・・あのね。 芸術に正しいとか正しくないとかそういう物差しはないの。 だから好きに表現しなさい」
文子「えっ・・・?」
まさか友人に励まされるとは思わなかった。
文子「でも、自信がどうしても湧かなくて・・・」
「自信が無いのは不足を自覚してるから。 努力して自信を埋めなさい!」
文子「・・・うん! ありがとう!」
「その代わりお金が足りなくてちょっと──」
ピッ
文子「よーし、こうなったら書いて書いて書きまくるぞ! 没を重ねてそこから這い上がるんだ!」
そして執筆に取りかかる。
あぁ、やっぱり自分は書くのが好きなんだな・・・文子はそう思った。
文子「出来た! 怖いけど公開するぞ!」
そして文子はまたしても公開する。
するとコメントが3件つく。
名無しさん:前よりマシになったがダメ
ぬこさん:まだ粗だらけ
文子「うーん、世の中甘くないか・・・」
さつきさん:私には凄く刺さりました!
主人公の苦悩が良く伝わりました!
ファンになります!
文子「ファン!? えへへ・・・嬉しいなぁ」
文子「そうだ、今の私ではみんなを喜ばせることは出来ないけど・・・ 私の作品を好きでいてくれてる人のために書こう!」
文子「よーし! 明日も頑張るぞー!」
こちらの作品も、とても共感してしまいました😊
高評価コメント1つでモチベーション全然変わりますよね😆
好きな事をやり続ける情熱を持てることほど、自分を豊かにするものはないですね。友達の【自身が不足している!】という喝も、とても納得する言葉でした。
わかります!イイねしてもらえると言うことは読んでもらえたということ。しかもコメントまでもらえた時は顔がニヤけますよね😊この気持ちを大事に恐れず沢山いろんな話を書いていきたいですね。