両思いのはずなのに、全然告白しない幼馴染に痺れを切らした女(脚本)
〇フェンスに囲われた屋上
神様
こんなんあんまりじゃないが
一徹(何かめっちゃ怒っちゅう!?)
─30秒前─
屋上で 待ちゆうき
一徹「これは‥‥」
一徹「もしかするともしかしてか!?」
一徹(俺はあいつのことが好きやし、 あいつも満更でもないはず!)
一徹「とうとう、俺の‥‥ 長年の想いが報われる時が来たがや!」
一徹「よう、乙女!」
一徹「一体、どうしたが──」
─冒頭に戻る─
乙女「‥‥‥‥‥‥」
一徹(頼むから何か言うてくれ!)
一徹(何やらかしたか、わからんき!)
一徹(理由がわかってないき「すまん」も言えん)
一徹(「何に謝りゆうが?」って詰られる)
一徹(すぐさま「何に怒っちゅう?」言おうなら)
一徹(「少しは考えゆうが!?」と怒られる‥‥)
詰んだ
乙女「‥‥う」
乙女「うちのこと、どう思いゆうが?」
乙女「誤魔化さんといてよ!本心で言うて!」
一徹「『こんまい』『がい』『ごくどーもん』」
乙女「それを誤魔化しゆう、言うがって!!」
乙女「こんまい、ごくどーは余計やき! そりゃあ、がいやろうけど‥‥」
乙女「けど」
乙女「うちら、両思いじゃないが‥‥‥?」
乙女「今まで何べん、えい雰囲気になっても 全然告白してこんかったけど‥‥」
乙女「うちの勘違いやったが?」
一徹「勘違いやない!」
一徹「俺は乙女に初めて会った時から 好きやったがやき!」
あんたが引っ越してきたお隣さん?
うち、乙女言うが!
よろしゅうね
乙女「じゃあ、何で‥‥」
一徹「俺には」
一徹「どうしても告白できん事情がある」
一徹「告白したら、」
一徹「告白されんやろう?」
乙女「ん?」
一徹「俺はずっと、乙女から告白されたかった!」
一徹「小学の時、高知に引っ越して来て、お前の 土佐弁(と笑顔)に惚れたからずっと」
一徹「告白されたくて、告白せんかっ──」
乙女「ごめん、いっぺん殴らして」
一徹(事後申告‥‥)
乙女「こんな、いごっそうに惚れてる うちもうちやね」
一徹「?」
乙女「テツ」
乙女「い、いっぺんだけやきね‥‥」
乙女「あんたのことが、好きなが」
乙女「うちと付き合ってくれん?」
乙女「これじゃ、いかん‥‥?」
ありがとうございます!
甘みの強い柑橘系な地方青春ワンシーン
ご馳走様でした☺︎
なるほど、土佐弁。高知でしたか。
『がい』ってなんぞやと思い調べたら、意味は『強い・荒い』など……この場合は『暴力女』もしくは『がさつな女』ですかね?
まさに青春映画のワンシーンって感じで良かったです!こういう関係憧れですねー。方言っていいですね、性格もぽくていい!お酒の銘柄ではよく聞いていたのですが、「いごっそう」の意味をちゃんと検索しました!
ありがとうございます!
告白を主人公が頂いたとき、テロップと同じ気持ちでした。かわいいっっっ!
そして土佐弁は全然わからなくなるんですね!