〇ケーキ屋
客「ちょっとあんた」
店長「はい、いらっしゃいませ！」
客「私、ここのお菓子、毎日買ってたじゃない？」
客「どうしてくれんの？」
店長「へ？」
客「ウェイト100kg越えたじゃない！」
店長「・・・・・・」
客「美味しいもの作るのは素晴らしいけどさ」
客「そしたら食べ過ぎないような工夫も しなきゃダメじゃない？」
店長「は、はあ・・・？」
客「脂肪吸引の費用、弁済してくれるわね？」
店員(鈴)（ひっどいクレーマー）
店員(鈴)（お父さん・・・どうすんだろ）
店員(鈴)（大きな声。爆発してるみたい）
店員(鈴)（もう、１秒だって耳にしたくない）
客「ちょっと君！」
客「これ、なんかガリっつったんだけど」
店員(鈴)「え」
客「歯が欠けたんだよ」
店員(鈴)（異物混入!?）
店員(鈴)「もっ、申し訳──」
客「歯医者に100万かかるって言われてさあ」
店員(鈴)（ひえ〜）
客「歯に100万かけるくらいなら」
客「君に投資したい」
店員(鈴)「!?!?!?」
店員(鈴)「え？え？え？」
客「・・・・・・」
客「って、先生に言ったら渋い顔されてさ」
店員(鈴)（あ、なんだ）
客「『歯を大事にしない人からの投資はいりません』って言うから」
客「『じゃあ歯を治したら付き合ってくれんの？』って聞いたんだよ」
客「なあ、どうなの」
店員(鈴)「どうなったんですか？」
客「それを聞いている」
客「付き合ってくれんの？」
店員(鈴)（え、私に言ってる？）
店員(鈴)「か、からかわないでくださ──」
客「って言ったら、医者が考えこんじゃってさ」
店員(鈴)「お医者さんに！ですよね！」
客「・・・・・・」
客「医者が言ったんだ」
客「『こうしよう。君はこの100万円で弁護士を雇いたまえ』」
客「『店から賠償金をたんまりとるんだ。君の歯も治せるし僕も投資を受けられるってわけさ』」
店員(鈴)「え」
店員(鈴)「そ、そんな、困ります」
客「困る？」
客「君が困ること、俺がすると思う？」
店員(鈴)「!?!?!?」
客「でも歯を治さないと付き合えないし」
店員(鈴)「そんな！私、歯なんて気にしませんよ！」
客「私？」
店員(鈴)「わた──いし、医師は気にしませんよ」
客「・・・・・・」
客「やりたいビジネスがあるから、 医者にはどうしても投資したいんだ」
客「この混入した異物を見て思いついた、 新しいビジネスをね」
店員(鈴)（うちのお菓子に入ってた異物で!?）
店員(鈴)（なんか、すごい人だな）
店員(鈴)（それにしても、さっきから）
店員(鈴)（・・・私とお医者さん どっちを口説いてるんだろ）
客「だから俺、医者に言ってやったんだ」
客「はい」
客「なに!?分かった。すぐ行く！」
店員(鈴)「うそ・・・」
店員(鈴)「お客さん！」
店員(鈴)「お菓子に入ってた異物は何だったんですか？」
店員(鈴)「クレームの続き、必ず聞かせてくださいね!?」