第10話『再会の隠し味』(脚本)
〇合宿所の稽古場
三好優弥「今日から夏休みかぁ」
三好優弥「合宿の準備するか」
上杉遼羽「設備はほとんど揃ってるらしいからな」
三好優弥「じゃあ平気か」
上杉遼羽「食糧は持っていって 足りない分は現地調達すればいいな」
上杉遼羽「まあ、日用品ぐらいでいいんじゃないか?」
三好優弥「じゃあ買い物でも行くかな」
〇明るいリビング
三好優作「久しぶりに帰ってきたが 何か変わりはないか?」
三好水葉「特にないよ!」
三好優作「そうか、なら良かった 水葉は料理がかなり上達したらしいな」
三好水葉「うん!今晩作ってあげるね!」
三好優作「楽しみにしてるよ」
三好双葉「今日帰っちゃうの?」
三好優作「ああ、優弥の機嫌が悪くならないうちにな」
三好双葉「なんで、あの人の機嫌伺わないといけないの?」
三好優作「まあ、そう言うな」
三好優作「仕事も残っていてな」
三好優作「親がいないストレスを楽しんでくれ」
三好水葉「自分で言っちゃうんだ」
三好優作「そうだな」
三好葉月「そういえば、今度合宿に行くんですって?」
三好水葉「うん!」
三好葉月「また、心霊スポット?」
三好双葉「まあ、それしかないよね」
三好葉月「楽しんでらっしゃい」
三好水葉「うちの母も少し倫理観壊れてる」
三好双葉「普通止めるよね」
三好水葉「そういうところ、お兄ちゃんは似てる」
三好葉月「あの子は認め無さそうだけどね」
三好双葉「でも、ご飯ぐらいは食べていくでしょう?」
三好葉月「ええ」
〇商店街
三好優弥「まさか、こんなところで会うなんてな」
宇喜多羽彩「優弥も買い物?」
三好優弥「いや、暇つぶし」
宇喜多羽彩「そうなんだ!」
宇喜多羽彩「じゃあさ、買い物付き合ってよ!」
三好優弥「いいぞ」
宇喜多羽彩「合宿のために色々調達したいんだよね」
三好優弥「あ、俺もそうしよう」
〇アパレルショップ
宇喜多羽彩「えっとここだとシャツとか買おうかな」
三好優弥「俺も下着買っとくかな」
宇喜多羽彩「優弥って服とか興味あるの?」
三好優弥「ない」
宇喜多羽彩「だよね!」
三好優弥「失礼なやつ」
宇喜多羽彩「私が選んであげようか?」
三好優弥「おお、頼むかな」
宇喜多羽彩「やった!」
〇試着室
宇喜多羽彩「おお、いいじゃん!」
三好優弥「そうか?」
宇喜多羽彩「やっぱ忘れがちだけど 顔とスタイルはモデルなんだよね」
三好優弥「お前も一言余計だよな」
宇喜多羽彩「誰かさんに似たんだよ!」
三好優弥「あとで水葉と双葉に説教しないとな」
宇喜多羽彩「お前だお前」
〇ドラッグストア
三好優弥「携帯用歯ブラシ、タオルぐらいかな」
宇喜多羽彩「一応、化粧水、乳液も買っとこう」
三好優弥「じゃあ、花火でも買っとくか」
宇喜多羽彩「花火か!」
宇喜多羽彩「あ、そうだ、夏休み中に 花火大会と縁日があるんだけど 一緒に行かない?」
三好優弥「おお、いいね」
宇喜多羽彩「良ければ2人で行きたいんだけど」
三好優弥「どうして?」
宇喜多羽彩「ど、どうしてって、、」
宇喜多羽彩「いいじゃん!別に!」
宇喜多羽彩「2人の方が歩きやすいから!」
三好優弥「まあ確かに 団体行動するような場所でもないよな」
宇喜多羽彩「じゃあ約束ね」
〇狭い裏通り
宇喜多羽彩「あれ、優弥どこだろ はぐれちゃった」
チャラ男「ねえ、君さ、可愛いね」
宇喜多羽彩「なんですか?」
チャラ男「良かったら、遊びに行かない?」
宇喜多羽彩「・・・・・・」
チャラ男「そんな怖がらなくていいよ」
チャラ男「美味しいご飯食べてさ そのあとは分かるよね?」
三好優弥「羽彩、こんなところにいたのか」
チャラ男「誰?彼氏?」
三好優弥「違うけど?あんた誰?」
チャラ男「はあ?」
チャラ男「俺のこと、この界隈で知らないわけ?」
三好優弥「知らんな」
チャラ男「てめえ、高校生のくせに生意気だな」
三好優弥「羽彩は下がってな」
宇喜多羽彩「うん」
チャラ男「ちっ」
チャラ男「てめえ、マジふざけんなよ」
三好優弥「女の前だからってイキるなよ」
三好優弥「クソダサいぞ あんたいくつだよ」
チャラ男「大人に対してその口の聞き方」
三好優弥「そうだったら もっとまともな態度取れよ」
チャラ男「マジてめえ、後悔させてやるからな」
三好優弥「やんなら、さっさとかかってくればいいだろ」
三好優弥「どこ狙ってんの?」
チャラ男「避けやがった」
三好優弥「ほらほら」
チャラ男「何なんだよこいつ!」
三好優弥「だからどこ狙ってんだよ」
三好優弥「じゃあ次は俺の番な!」
三好優弥「弱っ」
チャラ男「俺が悪かった」
三好優弥「分かってくれればいいんだよ」
チャラ男「あんた、もしかして 『路上の悪魔』だろ? 勝てるわけねえ」
三好優弥「そんな呼び方、知らんな」
チャラ男「2度とあんたらには 手を出さねえから許してくれ」
三好優弥「いや、俺ら以外にも同じことしたら 同じことするけど」
チャラ男「わ、わかった」
三好優弥「何言ってんだかな 誰が悪魔だ」
三好優弥「とりあえずここから離れるぞ」
宇喜多羽彩「うん」
〇レトロ喫茶
三好優弥「落ち着いたか?」
宇喜多羽彩「うん、ありがとう」
宇喜多羽彩「ホント男の人嫌い」
三好優弥「これで2回目だな」
宇喜多羽彩「え?」
三好優弥「あ、いや」
三好優弥「気のせいだ」
宇喜多羽彩「合ってるよ」
三好優弥「え?」
宇喜多羽彩「前に一度も優弥には 助けられたことがある」
三好優弥「すまん、思い出せない」
宇喜多羽彩「うん、何となく察してた」
宇喜多羽彩「前から言おうと思ってたんだけど まったく記憶にないみたいだから 聞かないでおいたの」
宇喜多羽彩「最初に再会したのは一年生の時で 私が料理部で食堂で店番やってた時かな」
宇喜多羽彩「優弥を見て、驚いたよ」
宇喜多羽彩「髪の色が違うだけでそのままだったからね」
宇喜多羽彩「そして、嬉しかった」
三好優弥「でも、話しかけてこなかったな」
宇喜多羽彩「は、恥ずかしかったんだよ!」
三好優弥「意外と可愛いところあるんだな」
宇喜多羽彩「意外って何よ!」
宇喜多羽彩「引く手数多の羽彩さんを 捕まえておいて」
宇喜多羽彩「まったく」
宇喜多羽彩「最初は恥ずかしかったのもあったし 話せる機会を探してたの」
三好優弥「それが旧校舎だったのか」
宇喜多羽彩「うん」
宇喜多羽彩「あの日、たまたまね合宿があって 旧校舎が空いてたから入ったの」
三好優弥「あそこにいたのは偶然だったのか」
宇喜多羽彩「そう」
宇喜多羽彩「前から旧校舎に入ってみたくて」
三好優弥「でも、もっと話す機会あったよな 俺食堂頻繁に行ってたし」
宇喜多羽彩「あと理由があってね 料理の技術上げてから 優弥にはちゃんと話しかけたかったの」
三好優弥「なんでだ?」
宇喜多羽彩「2年前優弥に私の料理を食べてもらうって 約束したから」
三好優弥「ごめん、覚えてない」
宇喜多羽彩「気にしないで」
宇喜多羽彩「だからね、料理の腕前が上達するまで 話しかけないって決めたの」
三好優弥「羽彩の料理美味いぞ」
宇喜多羽彩「ありがとう」
宇喜多羽彩「嬉しい」
宇喜多羽彩「ただ」
宇喜多羽彩「勝てないの」
三好優弥「何に?」
宇喜多羽彩「2年前優弥にあった日に 優弥からもらった お弁当の味に勝てないの」
宇喜多羽彩「あんな美味しいお弁当 再現したくても出来ないの」
三好優弥「双葉か水葉が作ったのかな うちの親は弁当作らないし」
宇喜多羽彩「多分違う」
宇喜多羽彩「水葉は高校に入るまで 料理出来なかったし」
宇喜多羽彩「双葉のお弁当何回か 食べさせてもらったことあるけど 多分違うかな」
宇喜多羽彩「だとすると、作ったのは 優弥ぐらいなんだよね」
三好優弥「俺は料理得意ではないな」
宇喜多羽彩「じゃあ、誰が料理作ったんだろ」
三好優弥「誰だろう」
〇おしゃれなキッチン
〇明るいリビング
宇喜多羽彩「こんばんは!お邪魔しまーす」
宇喜多羽彩「夜分遅くにすみません」
三好優作「ま、まさか優弥が 友達を連れてくるなんて」
三好葉月「あなた、動揺し過ぎて 挨拶忘れてるわ」
三好葉月「あなたが宇喜多さんね こんばんは」
三好葉月「話は娘たちから聞いてます」
三好優作「こんばんは」
宇喜多羽彩「こんばんは」
三好優作「遠慮せず、夕飯を食べて いってくれていいからね」
三好葉月「しかも、女の子」
三好葉月「優弥、双葉、水葉が お世話になってます」
宇喜多羽彩「こちらこそ、部長の優弥くん 双葉ちゃん、水葉ちゃんには お世話になってます」
三好優作「こちらこそ、優弥と仲良くしてくれて ありがとう」
三好葉月「ええ、ゆっくりしていってね」
三好水葉「わーい、羽彩先輩だ!」
三好双葉「料理多めに作っておいてよかったです」
宇喜多羽彩「ありがとう!」
三好優弥「親がいるけど安心して食べてくれ」
宇喜多羽彩「いいのかな 家族団欒にお邪魔して」
三好優作「むしろ、嬉しいよ」
三好葉月「ええ」
宇喜多羽彩「なら、よかったです」
〇男の子の一人部屋
三好優弥「まあ、何もないけど 適当に座ってくれ」
宇喜多羽彩「ここが男の子の部屋か 思ったより片付いてるね」
三好優弥「あまり使ってないからな」
三好優弥「それでどうだった?」
三好優弥「今日はおふくろも 料理手伝ってたと思うけど」
宇喜多羽彩「違うかな」
三好優弥「そうか」
宇喜多羽彩「確か、優弥が食べさせてくれたのは チキンのマリネってやつだったんだけど」
三好優弥「今日出てたやつか」
宇喜多羽彩「少し味が違うの」
宇喜多羽彩「あと食材も少し違うかな」
三好優弥「何でだろ? そんな味付け変わらん気するけど」
三好優弥「双葉と水葉に聞いてみるか」
宇喜多羽彩「ちょっと待って!」
三好優弥「ん?」
宇喜多羽彩「今度私から聞いとく」
三好優弥「何でだ?今聞いても変わらないだろ」
宇喜多羽彩「そうじゃないの」
宇喜多羽彩「自分の力で再現してみたいの」
三好優弥「そうか、そういうことなら」
宇喜多羽彩「ありがとう」
〇家の廊下
三好水葉「・・・・・・」
おぉー!!!!!!優弥の秘密がっ!!!!!また一つ増えました!!路上の悪魔?気になりますねー!!!!なぜそんなに強いんだ⁉︎って思いましたが、これも何かあったんですね・・・面白いです・・・!!✨😆