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ぽんたろう

過去編第10話『無意識の追想』(脚本)

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〇病院の診察室
医師「おそらく記憶喪失ですね」
医師「娘さんが亡くなったこと、自責の念、身体的負担、様々な要因で記憶喪失となり 娘さんの記憶を無くしてるんでしょう」
医師「それにここ最近の記憶までなくなっています」
医師「それは娘さんに関する記憶でしょう」
三好優作「治るんでしょうか」
医師「何かの拍子に記憶を取り戻す可能性は 充分にあります」
医師「しかし、記憶喪失の原因を考えると 無理に記憶を呼び起こすのは危険かもしれません」
三好葉月「自責の念に駆られるかもしれないと?」
医師「ええ」
医師「それもありますし PTSDのようになってしまう可能性もあります」
医師「今はなるべく息子さんには 娘さんのことを思い出させないようにした方がいいでしょう」
三好優作「分かりました」

〇明るいリビング
三好優弥「親父もお袋も 早く仕事行けよ」
三好優弥「家のこといつもほったらかしで」
三好優弥「あいつに、、、」
三好葉月「足がふらついてるじゃない」
三好優作「どうやら俺たちも不安要素になるのか」
三好葉月「私たちは優弥にとって 芳しくない立場のようね」
三好優弥「な、何の話してんだ」
三好優作「父さんと母さんは しばらく長期の仕事で長く留守にする」
三好葉月「あなた?」
三好優弥「マジかよ」
三好優作「お前が水葉と双葉の面倒を見てくれ」
三好優弥「はああ?」
三好優作「その方が父さんたちと 顔合わせなくて楽だろ」
三好優弥「まあ、それはいいけどよ」
三好葉月「時々は帰ってくるから 頼んだわよ」

〇女の子の二人部屋
三好優作「というわけだ」
三好優作「水葉、双葉、やってくれるか?」
三好水葉「うん」
三好優作「優弥はお父さんとお母さんに どうやら反発したがるようだ」
三好優作「仕方ないことだ 本当は私たちがするばずだった責任を あいつは1人で解決してきた」
三好優作「無責任な親だと思われても仕方ない」
三好優作「少し休ませてやろう」
三好双葉「不安なんだけど」
三好優作「大丈夫たまには戻ってくる」
三好優作「なるべく優弥には 詩乃を連想させるものは 見せないようにしてくれ」
三好双葉「だから、あの人が帰ってくる前に お姉ちゃんに関するものを 片付けさせたの」
三好優作「そういうことだ」
三好優作「双葉、優弥を許せないか?」
三好双葉「無理」
三好双葉「お姉ちゃんを死なせた上に お姉ちゃんのことを忘れるなんて 許さない」
三好水葉「双葉、お兄ちゃんは 自分を責めた結果 記憶喪失になっちゃったんだよ!」
三好双葉「関係ない!」
三好優作「この話はやめようか」
三好水葉「ねえ、この家は大丈夫なの?」
三好水葉「お姉ちゃんとの思い出あるよ」
三好優作「家自体は大丈夫みたいだが 詩乃の部屋はどうなるか」
三好水葉「じゃあ、お姉ちゃんの部屋は 私の部屋ってことにしとく」
三好優作「そうだな、優弥は人の部屋に 勝手に入り込むような性格じゃないから そう言えば納得するだろ」
三好水葉「頑張るよ」
三好優作「詩乃が亡くなったばかりなのに お前たちには負担をかけてすまない」

〇明るいリビング
三好優弥「さて、何するかな」
三好葉月「優弥は進学どうするつもり?」
三好葉月「行かないならお父さんの仕事手伝ってみる?」
三好優弥「いや、行こうかな」
三好葉月「え?」
三好優弥「恋翔学園」
三好葉月「優弥、、」
三好葉月「でも、あなたじゃ学力が足りない」
三好葉月「誰かが尋ねてきたみたい」
三好優弥「誰だろ?」
三好葉月「凄い人があなたを 尋ねて来られてるわよ」
斎条「お邪魔させてもらうよ」
三好優弥「あなたは?」
斎条「私は恋翔学園理事長 斎条だ」
三好葉月「まさか、斎条さんが直々に 来てくださるなんて思いませんでした」
斎条「ある方に頼まれてやって来ました」
斎条「三好優弥 君には恋翔学園に入学してもらいたい」
三好葉月「理事長自ら打診を?」
斎条「そうです」
斎条「私は学力だけではなく 人を育む教育をモットーにしている」
斎条「三好優弥 君のような存在が我が学園には必要なのだ」
斎条「理事長推薦枠の特別入試を設けていて それを受けてもらおうと思っている」
三好優弥「でも、俺学力が足りない」
三好優弥「俺だけズルは出来ない」
斎条「そうか 正々堂々としているな」
斎条「ならば、力を貸そう」
斎条「指導者を付ける その人間に学びたまえ」
斎条「君なら出来る」
三好葉月「でも、どうしてそこまでしていただけるのですか?」
三好優弥「確かに」
斎条「ある方が生前に 『面白い子がいるから気にいるはずだ。 よろしく頼む』と仰っていました」
斎条「まさにその通りでした」
斎条「君を見て確信した 我が学園に来る逸材だということをね」
三好優弥「俺、頑張ります」
斎条「頼んだぞ」

〇おしゃれな教室
三好優弥「呼ばれて学園に来てみたものの」
三好優弥「俺1人か?」
金剛天寿「来たようだな」
金剛天寿「私は校長の金剛天寿」
金剛天寿「私が補習の担当をする」
三好優弥「よろしくお願いします!」
金剛天寿「足りない学力を補いたいと聞いた」
三好優弥「はい」
金剛天寿「権力に頼らず自ら茨の道を選択する 感心だ」
金剛天寿「三好氏には 入学に必要な最低限の学力を 付けてもらう」
金剛天寿「あともう1人いるぞ」
金剛天寿「君の仲間だ」
三好優弥「何で、そんな格好をしてるんだ」
京極「まともな私服を実家に忘れて来た」
三好優弥「変なやつ」
京極「その言葉そのまま返してやる」
金剛天寿「早速仲良くなったようだな」
金剛天寿「では、補習を始めよう」

〇面接会場
斎条「それでは、建前だが 面接をさせてもらおう」
斎条「学力も試験合格レベルに達したと判断した」
斎条「あとは面接だけだ」
三好優弥「あの、面接なのに こんな服装で本当にいいんですか?」
斎条「君は制服が嫌いなんだろ?」
三好優弥「ええ、あんまりいい思い出がないです」
斎条「ならば、着崩すことを許可しよう」
斎条「そんな気持ちでは 楽しい学園生活は過ごせないだろう」
三好優弥「ありがとうございます」
斎条「君はこの学園で何をしたい?」
三好優弥「いろいろと見つけたいんです」
三好優弥「やりたいことを」
斎条「この学園にいれば見つかるだろう」
三好優弥「あと、何か学園でしないといけないことが ある気がするんです」
三好優弥「それをやり遂げます」
斎条「よろしい」
斎条「君を合格とする」

〇名門校の校門(看板の文字無し)
三好優弥「今日からここに通うのか」
三好優弥「楽しいことあればいいな」

次のエピソード:第16話『見えない絆』

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