第2話 許嫁と結婚は出来ません ②(脚本)
〇大樹の下
葉月(小学生)「え〜と、ええっと・・・」
葉月(小学生)(思い出さなきゃ・・・流星にゼッタイに聞かなきゃ・・・)
葉月(小学生)「あ!思い出した」
葉月(小学生)「この前、みんなでお風呂に行ったよね」
葉月(小学生)「流星は男のコなのに、女風呂に入っていたから」
葉月(小学生)「どうしてかなって聞きたかったんだ」
流星(小学生)「そ、」
流星(小学生)「それはオレが」
流星(りゅうせい)「オレが女だからだアアアッ!!!!」
〇女の子の一人部屋
葉月(はづき)「オーマイガッシュ!!」
葉月(はづき)「何て日だ!?」
葉月(はづき)「──夢!?」
葉月(はづき)「ずいぶんヒドイ夢だったなあ」
葉月(はづき)「急に許嫁が居るとか、」
葉月(はづき)「変態イケオジとか、図体デカい格闘家とか」
葉月(はづき)「あと大きくなった流星が、まさかの・・・」
???「葉月・・・大丈夫?」
葉月(はづき)「へあ・・・」
〇屋敷の門
〇屋敷の大広間
葉月(はづき)「何で流星が私の部屋で寝ているのよ!?」
豪快(ごうかい)「許嫁だから、良いかと思ってな!」
睦月(むつき)「ママも流星クンが女のコなら良いかと思って〜!」
豪快(ごうかい)「そうそう、女のコ同士だし・・・」
豪快(ごうかい)「・・・」
豪快(ごうかい)「流星が女のコって、一体どーゆーことかね隕石クン!?」
隕石(いんせき)「地面を爆発させんでもエエやないか、 豪快チャン!」
隕石(いんせき)「睦月さん、ご飯おかわり」
睦月(むつき)「あ〜い」
豪快(ごうかい)「ちゃんと答えんか〜い!!」
隕石(いんせき)「俺の目には息子にしか見えない!」
流星(りゅうせい)「オレは女だ!」
流星(りゅうせい)「しかも葉月と同じ高校行かせるつもりなら、制服をスカートにしろよ!」
隕石(いんせき)「今は女子でも、スラックスが選べる時代よ!しかも、オマエは漢だ!!」
流星(りゅうせい)「オレは女ダアア──ッ!!!!」
隕石(いんせき)「食事中に唾を飛ばすな、流星!」
流星(りゅうせい)「こんの・・・イイ加減にしろクソ親父!!」
睦月(むつき)「ご飯が冷めるから、親子喧嘩は後にしてね!」
睦月(むつき)「隕石さん、おかわりどうぞ〜!」
隕石(いんせき)「俺は先に飯を食うぞ! 腹が減っては戦が出来ないからな」
隕石(いんせき)「飯を粗末にするヤツに強いヤツは居ない!」
豪快(ごうかい)「一理あるな! では飯の後で話そうか」
葉月(はづき)「流星、パパたちがご飯食べている隙に、私と庭で話さない?」
〇アパートの中庭
葉月(はづき)「その・・・ホントなの? 流星が女のコって」
流星(りゅうせい)「なんか、騙していたみたいでゴメンな」
流星(りゅうせい)「オフクロが俺を産んですぐに蒸発したのは知ってるだろ?」
流星(りゅうせい)「だから親父は昔から、破天荒流後継者のオレを漢として育ててきたんだ」
流星(りゅうせい)「オレも真面目に、親父に逆らわずに鍛錬や漢のフリをしてきたよ」
流星(りゅうせい)「霊長類最強最終兵器なんて通り名付けられても」
流星(りゅうせい)「女のコらしいスカートやフリルが付いた服が着られなくても」
流星(りゅうせい)「我慢して生きてきた」
流星(りゅうせい)「だけどもう限界だ!」
流星(りゅうせい)「許嫁が葉月だと聞いて、さすがにアイツはアタマがオカシイと思ったぜ!」
流星(りゅうせい)「古の言い伝えだとかで無理矢理ここまで連れてこられたけど」
流星(りゅうせい)「親子の縁を切ってでも、縁談は断るよ!!」
葉月(はづき)(今でも信じられない・・・というか、信じたくない)
葉月(はづき)(私の初恋・・・返してェー!!)
葉月(はづき)「ウッ、ウェーン!!」
流星(りゅうせい)「葉月・・・オレの話に共感して泣いてくれるのか!?」
流星(りゅうせい)「ありがとう! 心の友よ・・・!!」
葉月(はづき)(なにそれ、ズルい!!)
葉月(はづき)(女のコだって分かっていても、キュンキュンしちゃうッ!!)
葉月(はづき)「ウェーン!! 私の変態〜!!」
流星(りゅうせい)「何で!?」
〇屋敷の大広間
睦月(むつき)「さて、朝餉も終わったことだし、 子供たちの婚約について話しましょうか」
睦月(むつき)「両家の古の予言書には、」
睦月(むつき)「破天荒家と天変地異家が交わらないとどうなると書いてあるの?」
豪快(ごうかい)「『真家』──霊長類最強最終兵器が現れないと、世界から日本が攻められることになる」
豪快(ごうかい)「古来より、ちっぽけな島国日本が、武力に優れる他国に侵略されなかったのは」
豪快(ごうかい)「神風、侍、日本魂などの功績が称えられているが」
豪快(ごうかい)「実は裏社会では」
豪快(ごうかい)「霊長類最強最終兵器の存在が絶大である、と言われているのじゃ!!」
睦月(むつき)「霊長類最強最終兵器・・・流星も今はそう呼ばれているのよね?」
睦月(むつき)「流星自身じゃダメなの?」
豪快(ごうかい)「流星も強いが、『真家』には遠く及ばない」
豪快(ごうかい)「やはり両家の血の交わった子孫に未来を託したいところだが」
豪快(ごうかい)「肝心の流星が女だったとは・・・」
豪快(ごうかい)「こんな重要な事を、何故今まで黙っていたのだ、隕石クン!!」
隕石(いんせき)「フッ、破天荒流の奥義を使えば」
隕石(いんせき)「後継者が男だろうが女だろうが関係無い!」
豪快(ごうかい)「あ、あの奥義を流星クンに使う気なのか!?」
豪快(ごうかい)「獅子は千尋の崖から我が子を突き落とすというが、まさに・・・」
豪快(ごうかい)「だが、あの奥義は両刃の剣」
豪快(ごうかい)「隕石クンは覚悟を決めたのか?」
隕石(いんせき)「元より奥義伝授が必須!」
隕石(いんせき)「俺は流星を立派な漢として育てあげてきたからな!」
隕石(いんせき)「大船に乗ったつもりで、祝言の用意をしてくれ!」
隕石(いんせき)「ワハハハ!」
〇屋敷の大広間
流星(りゅうせい)「親同士の話は終わったようだな」
流星(りゅうせい)「じゃあ聞いてくれ」
流星(りゅうせい)「オレと葉月は、この婚約は認めない・・・っていうか、」
流星(りゅうせい)「無茶すぎて冗談にもならない話だぜ!」
葉月(はづき)「私は流星が男なら、賛成だったけどね!」
隕石(いんせき)「おや?」
隕石(いんせき)「もしかしたら葉月ちゃんは、婚約に満更でもないのかな?」
葉月(はづき)「そんなことありません! そもそも、同性同士での子作りが、」
葉月(はづき)「自然界では難しいから反対なんですッ!!」
隕石(いんせき)「もし、それが叶うとしたら?」
隕石(いんせき)「どちらかが異性になれば、婚約は認めるかい?」
流星(りゅうせい)「訳の分からないことをゴチャゴチャと!」
流星(りゅうせい)「今日限りで親子の縁は切らせてもらう!」
流星(りゅうせい)「そして、生き別れの母さんを探すんだ!」
隕石(いんせき)「良かろう」
隕石(いんせき)「ならばこの父に、死ぬ気でかかってくるが良い!」
隕石(いんせき)「我が破天荒流の最終奥義で迎え撃つ!」
流星(りゅうせい)「最終奥義?」
流星(りゅうせい)「そんなモン、初めて聞いたよ! ハッタリか!?」
流星(りゅうせい)「喰らえ! 破天荒流・鎌鼬!!」
隕石(いんせき)「グワッ!!」
隕石(いんせき)「確かにオマエは強くなった」
隕石(いんせき)「だが『真家』を生み出してこそ、破天荒流の真の存在の意義があるッ!!」
隕石(いんせき)「父を・・・許せ」
隕石(いんせき)「破天荒流奥義・『とりかへばや物語』!!」
〇白
流星(りゅうせい)「な、なんだッ!? 親父が後ろから・・・」
流星(りゅうせい)「キモッ 抱きつくなァー!!」
隕石(いんせき)「父を恨め!! その念を力に換えろ!!」
流星(りゅうせい)「言われんでも、毎日テメェのワラ人形に五寸釘刺してるぜ!」
隕石(いんせき)「我が祖国・日本のためッ! 父は修羅の道を選ぶぞッ!!」
隕石(いんせき)「ただし父もオマエと共に罰は受ける・・・!!」
流星(りゅうせい)「何のハナシだ・・・!?」
流星(りゅうせい)「・・・ッ!!」
流星(りゅうせい)「ウワアアア!!」
〇屋敷の大広間
葉月「流星、流星しっかりして!」
流星(りゅうせい)「ウ・・・」
流星(りゅうせい)「何が起きたんだ? 確か、親父の技にふっ飛ばされて・・・」
流星(りゅうせい)「スゴく、体が軋む・・・」
葉月(はづき)「大変なことになっちゃった!」
流星(りゅうせい)「何が?」
???「目覚めたか。気分はどうだ?」
流星(りゅうせい)「クソ・・・何だか違和感が・・・」
流星(りゅうせい)「ハッ!」
流星(りゅうせい)「オマエは誰だ!?」
流星(りゅうせい)「なぜ親父のオーラを纏っている!?」
葉月(はづき)「あの、眩い光に包まれた後・・・」
葉月(はづき)「隕石さんが、そこに居る女にすり替わっていたの!!」
???「すり替わったのではない。 女に性別が変わったのだ」
???「更に言えば、流星の性別とスワップしたといえば理解出来るかな?」
葉月(はづき)「てことは、アナタはオジサマなの!?」
葉月(はづき)「じ、じゃあ──まさか流星は!?」
〇不気味
流星(りゅうせい)「オレのお股にゾウさんがッ!?」
「Oh! my ゾウ──!!」
盛り上がってて楽しそうで素敵ですね!!
コメディの奥義を見ました😆
このわちゃわちゃ感を取り入れたいです👍
ええー!
女の子とのドタバタ恋愛コメディかと思ったら
男に!!
そして英語交じりの叫び声めちゃくちゃ好きポイントですね
入れ替わりってそっち(父親と)なんですか!?
まあ、これで晴れて2人は許嫁になって、ハッピーエンド笑…なわけがないですよね。