懐疑的な女(脚本)
〇学校の昇降口
九重詩音は疑り深い
彼女の優れた観察力によって
今日も隠された事件の謎が解き明かされる
九重 詩音「遂に動かぬ証拠を見つけましたよ」
九重 詩音「さあ、罪を認めて白状しなさい!」
諏訪 庵「急に呼び出されたと思えば、罪ってなんのことだよ?」
九重 詩音「ほう、この後に及んで認めないつもりですか」
九重 詩音「諏訪さん、あなたが私の命を狙っていることはお見通しですよ!」
諏訪 庵「命を狙う!?」
諏訪 庵「なんで俺が九重の命を狙うんだよ?」
九重 詩音「「命を狙う理由はない」と?」
九重 詩音「それではこれをどう説明するつもりですか!」
九重詩音はスマホを突きつけた。
画面にはSNSで諏訪から送られてきたメッセージが映し出されている。
諏訪 庵「これは、俺が九重に送ったメッセージだろ?」
諏訪 庵「何を説明しろって言うんだ?」
九重 詩音「「今何してる?」「宿題終わった?」」
九重 詩音「どれも私のスケジュールを探るような質問 ばかり・・・」
九重 詩音「私の生活リズムを調べて、暗殺の機会を窺っている証拠です!」
諏訪 庵「そんなわけねぇだろ!」
諏訪 庵「俺は、ただ九重と仲良くなりたかっただけ だよ」
九重 詩音「証拠はまだありますよ!」
九重 詩音「諏訪さん、私と会うと必ず手を振って挨拶しますよね?」
諏訪 庵「そうだけど、挨拶なんて普通だろ?」
九重 詩音「親しげな挨拶を装っても、私の目はごまかせませんよ」
九重 詩音「遠くから手を振って声をかけることで、私の視力や聴力を測定し、死角から奇襲をかけようという魂胆はバレバレです!」
諏訪 庵「考えすぎだって」
九重 詩音「いいでしょう」
九重 詩音「そこまでしらばっくれるなら、決定的な証拠をお見せします!」
九重詩音はクシャクシャに丸められた紙を
取り出した。
諏訪 庵「そ、それは」
九重 詩音「今朝、教室のゴミ箱から発見されたものです」
九重 詩音「広げてみると、とある人物が書いた手紙だと分かりました」
九重 詩音「宛名には私の名前、差出人には諏訪さん、 あなたの名前が書かれています」
九重 詩音「あなたが書いたもので間違いないですね?」
諏訪 庵「そうだけど」
諏訪 庵「九重、その手紙読んだのか?」
九重 詩音「はい」
九重 詩音「そして、ここに書かれた内容こそ、諏訪さんが私のことを狙っている動かぬ証拠」
九重 詩音「認めないのであれば、声に出して読ませて いだだきます!」
諏訪 庵「おい、九重やめてくれ!」
九重 詩音「『おまえのハートがほしい by 諏訪庵』」
諏訪 庵「最悪だ〜」
九重 詩音「心臓をダイレクトで狙うなんて、なんとも 猟奇的な犯行予告!」
九重 詩音「さぁ、罪を認めてください諏訪さん」
諏訪 庵「違うって」
諏訪 庵「『おまえのハートがほしい』っていうのは 命を狙ってるってことじゃなくて」
諏訪 庵「九重がスキだってことだよ」
九重 詩音「私がスキ?」
九重 詩音「スキ、すき、SUKI・・・」
九重 詩音「そういうことですか!」
九重 詩音「不審な手紙で私の「隙」を突こうとしても そうはいきませんよ」
九重 詩音「絶対に罪を認めさせてみせますから 覚悟してください」
諏訪 庵「だから違うんだって」
諏訪 庵「信じてくれよ〜」
九重さんのキャラがあまりにもアレすぎて絶対に噛み合わない会話が、とにかく楽しいですね!不憫な諏訪くんに幸あらんことをww
すでに付き合っている高校生のイチャイチャ懐疑プレイかと思っていたら詩音は大真面目なんですね。「ハートがほしい」を文字どおり「心臓を狙ってる」と思うなんて。こうなったら詩音にはこのまま懐疑道を極めてもらって、生半可な告白男たちを蹴散らしてほしいです。あっ、諏訪くんは健気なので応援してます。
諏訪くんが不憫でめっちゃ応援したくなりました!!!!!
それにしてもなんでそんなにヒロインちゃんは疑い深いのか!!わら🤣
面白かったです!!✨