琳檎と華(脚本)
〇病室のベッド
リンゴちゃん
両親のどちらにも似つかない
赤髪の私はそう呼ばれた
???「おっ!」
???「今日は元気そうじゃん!」
華「病人相手に、どこが元気そうなの!」
琳檎「ほら、怒る気力あるじゃん」
琳檎「元気、元気♪」
華「あのねぇ‥‥」
琳檎「ほい、今日の分」
琳檎「ちゃんと勉強してんの?」
華「してるわけないじゃない」
華「してるわけないじゃない」
琳檎「なぜ反復!?」
華「急な老眼に、難聴」
華「体の衰えに、 心も堪えるってホントね」
琳檎「あたしが毎日、コレを持ってきてた 意味はいずこに!?」
琳檎「あのさ‥」
華「どうせ、すぐ枯れちゃうからいいのに」
華「けど、ありがとう‥」
華「あんた以外、誰も来ないわね」
華「当然よね」
華「あたしら、同じ16なのに‥‥」
華「あたしは、この風貌なんだもん」
華「原因不明の病‥」
華「見舞いに来たら」
華「いつ自分も伝染されるか わかったもんじゃない」
「あたしは、ずっと来るよ」
琳檎「荷物届けのお役目なんか無くても」
琳檎「華が離れたい言っても、あたしは──」
琳檎「何があっても、ずっとそばにいるよ」
ぎゅっ‥‥
また明日ね
昔から、あの子からは
いい香りがした
そう、まるで名前通り──
リンゴのような
あの子の強い残り香に
あの香りに包まれると、安心する
ああ、それなのに‥‥
あの子が持ってきた花は
なぜか、すぐ枯れる
もっと長持ちしてほしいのに‥‥
また明日ね
あぁ、これは……
あれ、もう終わるけど、どう幕を引くのと思っていたらのゾクリと来る最後の言葉でした
小さくも完成度の高い作品です(。ò ∀ ó。)
リンゴちゃん…この赤髪の可愛らしいキャラクタービジュアル由来かと思いきや、衝撃です😂
設定からセリフまでどれも細部まで意味を持たせていて、とんでもない充実感の短編ですね😊大好きです😂
ゾクッとおもしろかったぁ!です☺️
よくバナナをリンゴと一緒に入れてるので、ピンと来て『オッ!』となりました!
しかし見せ方がメチャクチャうまいです!ほっこり友情ものかと思いきや…。題材の扱い方もお見事です👏
あー、こういうの大好きです♥️