歳下の彼

ルーデンス

馴れ初め(脚本)

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〇事務所
駒染京子「川越君チョット」
川越康介「はい何でしょうか駒染課長」
  川越康介29歳いつもヘマしている私の課の
  お荷物社員。
駒染京子「何かではないでしょ。お得意様の花丸商事との商談どうしたの?」
川越康介「も、申し訳ございません駒染課長。まだ資料が出来てません」
  川越君は私にとって気になる存在であるが故その弁解一つ言えないもどかしさにいつも私はヒートアップしてしまうのだ。
駒染京子「貴方の花丸商事の案件で今期の予算が達成出来るのよ。今日は残業ね」
川越康介「そ、そんなぁ。今日はクリスマス・イブですよデートが」
駒染京子「デートと仕事どちらが大事なの?」
川越康介「しかし、折角イブの食事を予約したんですよ」
駒染京子「(なんでこいつに彼女はがいて私には彼氏がいないわけ? 許せない)」
駒染京子「兎に角今日中に見積りを作って頂戴」
社員A「オイ、今日の課長やけに康介に当たってるんじゃないか?」
社員B「知らないのかよお前。今期の達成率次第で課長の次長への昇進がかかってるんだよ」
社員A「本当かよ!まだ30代でしかも独身女性だぜ」
社員B「どこかの役員のお手付きとの噂もあるけどな」
社員A「まぁイイ女だし俺だって課長があの性格でなければアタックするぜ」
社員B「あの性格で付き合うのは余ほどのマゾだよなハッハッ」
駒染京子「何お喋りしてるの!仕事に戻りなさい」
駒染京子「(全く、いつもながらセクハラには悲しくなるわね。30代独身女性が課長なのがそんなに珍しい訳?嫉妬なんて見苦しいわ)」
  今日中に見積が出来ないと我が社の重要なお得意様を失う事になるので私も川越君の残業にお付き合うすることにした。ヤレヤレ

〇事務所
  川越康介の見積は深夜までかかり私も事務所に残る事となってしまった。イブなのに・・・
川越康介「課長、見積が完成しました」
駒染京子「本当! やれば出来るじゃない。でも大変! もう10時だわ、終電に間に合うかしら?急いで帰りましょ」
川越康介「今日は私の残業にお付き合いして戴いて有難うございます──でも今日は嬉しいかったな僕は」
駒染京子「えっどうして?あっそうよね今日中に終わらせる事とができたんですものね。偉いえらい。私見直しちゃった」
川越康介「そんなことではなく、課長と長く一緒の部屋にいられて」
駒染京子「あ、ありがとう。で、でもさ今日は彼女とイブのデートでしょ遅れちゃ彼女に悪いわよ」
川越康介「ハハハご心配なく。それより駒染課長、これからご予定は?」
駒染京子「ウ~ン、アパートに帰って食事を作って──」
川越康介「よかった。予定はないんですねデートの」
駒染京子「え~ぇどうせ私のようなモテナイ30代女性は川越君と違ってイブのデートしてくれる相手がいませんから」
川越康介「ハハハ、そう卑下しないで、これから一緒に食事に行きませんか?」
  そう言って川越君は私の手首を掴みスタスタと歩いてゆく。その強引さに今までの川越君にない男を感じて私は戸惑ってしまった。

〇レストランの個室
  連れてこられたのは、落ち着いた雰囲気があるレストランだった。
駒染京子「チョットと──ここ高級フレンチの店じゃぁない?」
川越康介「課長とイブに来たくて予約を入れといたんです」
駒染京子「えっ、そんな悪いわ。私達そんな関係じゃないし──」
  私が戸惑いながら言うと川越君は、私には近づいてきた。その瞬間、川越君の柑橘系オーデコロンが私を包み始めた。
川越康介「そう言う関係になりたいんです僕は。それに僕は課長とデートがしたかったんです前から」
駒染京子「(ちょ、チョットいきなりな何なのよ。確かに私も川越君を意識してたけど・・・)」
駒染京子「有難う、その気持ち。うれしいわ、でも私は川越君の上司だし、そんな関係はいけないわ」
  私はオーデコロンの香りに必死にあがらいながら断る理由を探した。
川越康介「上司なんて関係ありませんよ。僕の好きなのは課長! 貴方だ」
駒染京子「そ、それに私の歳を知ってるでしょ。川越君より5歳年上なのよ」
川越康介「そんなの関係ない! でも困ったな。この店の予約は取り消せないし・・・でも課長が気に入らないのなら店に取り消しをしてきます」
  そう言うと川越君は店の従業員の方へ向かおうとした
駒染京子「ちょチョット待って、困ったわね。仕方ないはわ今回は川越君の頑張ったご褒美でここにしましょう。但し割り勘ね」
川越康介「ヤッター、有難うございます。あっ、それから僕の名前康介と呼んでかまいませんから課長を京子さんと呼んでいいですか?」
駒染京子「全く調子に乗って! まぁ言いわ。但しここだけよ康介」
  それから康介と私はお喋りし食事を楽しんだ。自分でも上司と部下と言う関係を忘れてしまうほどであった。
川越康介「そろそろ出ましょうか京子さんに見せたいものがあるんです」
駒染京子「そうね。もう遅いし、でも何を見に行くの?」

〇クリスマスツリーのある広場
  私はいつの間にか康介と腕を組んで彼の肩に頭を載せていた。そしていつまでもこの状態が続いたらいいと思った。
川越康介「メリークリスマス」
駒染京子「素敵なツリーね、今日は有難う。いい夢を見せてくれて康介」
川越康介「夢じゃないさ。これからずっと京子の傍にいるからね」
駒染京子「ウウン、その言葉だけでうれしいわ。でも──」
川越康介「これからは、京子を何があっても守るし傍に居続けるよ。いいだろう?」
  康介の優しい言葉に私は涙を浮かべて頷いた。

コメント

  • 出来る上司と手のかかる部下の関係でありながら、素敵なクリスマスイブの雰囲気の中で二人が恋人として、これからの幸せを祈ります。

  • イブの予定って、京子さんを誘うために取ってあったんですね。
    好きな人と過ごす、初めてのクリスマスって心に残りそうですね。
    なんだかこっちまでにやけてしまいそうです。

  • 人を好きになるのに理由なんていらないというフレーズをダイレクトに表現した様なお話で、とても心に響きました。好きという気持ちに素直になれる人はいい恋愛ができると思います。二人のハッピーエンドを祈ります!

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