ふれてん

ぽんたろう

第8話『記憶違い』(脚本)

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〇中庭
京極「なんか久しぶりに話す気がするな」
三好優弥「言われてみればそうだな」
三好優弥「まあ、そんなわけで 最近、何か面白い話ないか?」
京極「会って早々そんな話か」
京極「そう言われんでも お前の存在自体がコメディだろ」
三好優弥「俺たち巷じゃ変人って言われてるらしいぜ」
京極「そんなことを言われると照れるな」
三好優弥「せめて、もうちょっと表情変えて照れろ」
京極「それで何が聞きたいんだ」
三好優弥「最近、近郊の心スポ行き過ぎて 行く場所がもうないんだよな」
京極「新しい場所を教えろということか」
三好優弥「そういうこと」
京極「新しい場所か」
京極「この学園がそこらの心スポよりは 充分ヤバいはずなんだがな」
京極「普通では考えられないことが起きる」
京極「先週も肝試しをやったんだろ?」
三好優弥「ああ、でも、出なかったんだよな」
三好優弥「でも、部員たちが飽きてきそうだしな それに、全然出くわさないしな」
京極「それはお前が見て見ぬ振りしてるからだろ」
京極「わざとやっているのか 本当に気づいてないだけなのか それは聞かんがな」
三好優弥「見て見ぬ振りか」
三好優弥「そんなつもりはないんだけどな」
京極「ところで、お前がよく言っていた 学園の七不思議についてなんだが 調べてもそんな話を聞かないんだが」
三好優弥「マジか」
京極「どこから探してきたんだ?」
三好優弥「一応、俺は前から知ってたけど」
京極「そうなのか」
三好優弥「お前、京都から来たから 知らないだけなんじゃないか?」
京極「そうかもしれんな 口伝だとすれば探せないのも頷ける」
三好優弥「そういうこと 俺以外にも知ってるやついるし」
九鬼美月「うわぁ、変人二人がいるっす」
三好優弥「何で撮った?」
九鬼美月「思わず、珍獣を撮る感覚で 撮影しちゃったっす」
京極「仕事熱心だな」
九鬼美月「ありがとうっす」
九鬼美月「2人で何を話していたっすか?」
三好優弥「新しい心スポ探していてな」
三好優弥「美月は何か知らないか?」
九鬼美月「いやー、知らないっすね」
九鬼美月「私、オカルト疎いっすから」
三好優弥「そうか、残念」
九鬼美月「優弥先輩はどうしてそんなに 心霊スポットに固執してるんすか?」
九鬼美月「ファンタジーっていうのは 前にも聞いたっすけど」
三好優弥「んー、なんでだろうな」
九鬼美月「自分でも分かってないんすね」
九鬼美月「幽霊に出会っちゃうかもしれないのに」
三好優弥「会ってみたいのかもな」
九鬼美月「やっぱ変わってるっすね」
京極「美月、聞きたいことがあるんだが」
九鬼美月「何すか?」
京極「学園の七不思議について知ってるか?」
九鬼美月「一応知ってますけど 優弥先輩に教えられて知ったっす」
京極「そうか」
九鬼美月「まあ、でも、知ってる人は あまり出会ったことないっすね」
三好優弥「あまり有名じゃないんだろ」
三好優弥「宇喜多は知ってたけどな」
京極「不思議だな」
京極「まあ、この学園なら何が起きても 不思議ではないか」

〇合宿所の稽古場
三好優弥「そういえば遠征合宿に 参加はできるのか?」
宇喜多羽彩「私は大丈夫!」
蒼村優「私も両親に許可は貰いました!」
三好双葉「羽彩先輩が行くなら行く」
三好水葉「もちろん参加! お兄ちゃん放っておけない!」
上杉遼羽「よし、全員参加ということで 宿を予約しとくわ」
三好双葉「そういえばお金とか聞いてなかった」
三好優弥「ほぼタダだぞ」
蒼村優「え、そうなんですか!?」
上杉遼羽「宿泊施設は47都道府県120か所ある 理事長の運営してる持ち物だから 学生は学内活動で申請すればタダだ」
蒼村優「理事長何者ですか」
三好優弥「金持ち」
蒼村優「金持ちのレベルが異次元ですよ」
上杉遼羽「部活動じゃなくても 学生なら家族も割引き受けられるぞ」
三好優弥「懐の深さが違うよな」
上杉遼羽「あの人は生徒のことが好きだからな」
三好優弥「俺も受験の時は世話になった」
蒼村優「先輩、理事長と会ったんですか?」
三好優弥「入学の時の面接官が理事長だったぞ」
蒼村優「先輩は一般入試とかじゃなかったんですね」
三好優弥「推薦だぞ」
三好優弥「あのときは、いろいろと良くしてくれたな」
三好優弥「今じゃネトゲーのフレンドだ」
蒼村優「理事長をフレンド扱い」
三好水葉「そういえば、今回の目的地は どこに行くの?」
三好優弥「廃病院だ」
蒼村優「なんで、そんな大物を見つけてくるんですか」
三好優弥「うちの副部長は敏腕だからな」
三好優弥「とりあえず肝試しは一回だけで あとは遊ぶぞ」
蒼村優「ホントですか!? 楽しみ!」
三好水葉「うわぁぁ、ちょろいな」
宇喜多羽彩「今から楽しみだね」
三好優弥「ああ」
宇喜多羽彩「でも、大丈夫かな 変な人たちに絡まれないかな」
宇喜多羽彩「夏の心霊スポットって 変な人たち多そう」
三好水葉「その辺は大丈夫ですよ!」
三好水葉「お兄ちゃんと上杉パイセンがいるんですから」
三好水葉「並大抵の人間は この2人には喧嘩で勝てませんよ」
宇喜多羽彩「頼りにしてるよ」
三好優弥「まあ、喧嘩なんて まともにしたことないけど 部員は絶対守ってやる」
三好水葉「嘘つけ」
宇喜多羽彩「初めて部長らしいこと言ってる」
三好優弥「失礼だな 最近ちょくちょくリーダーシップ 発揮してるだろ」
宇喜多羽彩「冗談は顔だけにしてよ」
三好水葉「確かに」
三好優弥「お前らな」

〇学校脇の道
三好優弥「今日も一緒に帰るつもりか?」
三好優弥「部室の戸締りまで待っててさ」
宇喜多羽彩「うん」
三好優弥「俺と一緒に帰ってると 変な誤解されるだろ」
宇喜多羽彩「へえ、優弥もそんなこと 考えられるんだ」
三好優弥「俺が羽彩の従者みたいに誤解されるだろ」
三好優弥「だから、何で的確に鳩尾狙えるんだよ」
宇喜多羽彩「ホントバカ!」
謎の女子生徒「わー、三好先輩と宇喜多先輩が 一緒に歩いてる!」
謎の女子生徒「美男美女で絵になるなぁ」
宇喜多羽彩「仕込み?」
三好優弥「俺がそんなことするわけないだろ」
宇喜多羽彩「まあ、知り合いいないもんね」
三好優弥「どいつもこいつも失礼過ぎんだろ」
宇喜多羽彩「ね、ねえ」
三好優弥「ん?」
宇喜多羽彩「前から気になってて 聞きたかったんだけど」
三好優弥「なんだ?」
宇喜多羽彩「私たち、中学の時に 会ったことあるよね?」
三好優弥「・・・・・・」
三好優弥「いや?会ったことないけど」
宇喜多羽彩「ねえ、お弁当覚えてる?」
三好優弥「弁当?」
三好優弥「いや?」
宇喜多羽彩「そっか、私の勘違いか」
三好優弥「どうした、羽彩?」
宇喜多羽彩「何でもない!ごめんね!」
三好優弥「弁当、、?」
宇喜多羽彩「優弥!」
宇喜多羽彩「大丈夫?」
三好優弥「あ、ああ 膝ついただけだから」
三好優弥「ちょっと頭が一瞬真っ白になった」
宇喜多羽彩「病院いく?」
三好優弥「いや、大丈夫だ 立ちくらみかもな」
宇喜多羽彩「そんなふうには見えなかったけど」
三好優弥「大丈夫大丈夫」
宇喜多羽彩「本当に?」
三好優弥「ああ」
宇喜多羽彩「せめて、家まで付いて行かせて」
三好優弥「まあそれぐらいなら」

〇シンプルな玄関
三好優弥「そんな心配しなくてもいいのに」
宇喜多羽彩「だって、優弥があんなことになるなんて」
三好優弥「俺だってそんなことあるさ」
三好水葉「羽彩先輩どうしたんですか?」
宇喜多羽彩「ちょっと優弥が立ちくらみ起こしちゃって」
三好水葉「お、お兄ちゃん大丈夫?」
三好優弥「ああ、何ともない」
三好水葉「良かった」
三好水葉「羽彩先輩、家まで送ってくれて ありがとうございます」
宇喜多羽彩「あ、全然いいよ」
三好優弥「羽彩、すまないな」
宇喜多羽彩「うん。お大事にね」
三好水葉「病院いく?」
三好優弥「そんな大したことじゃない」
三好水葉「そっか それならいいんだけど」
三好優弥「弁当って言葉を聞いて 何か引っかかってな」
三好優弥「そしたら、なんか立ちくらみした」
三好優弥「弁当なんて毎日持っていっているのにな」
三好水葉「・・・・・・」
三好水葉「そうだよ!たまたまだよ!」

〇通学路
宇喜多羽彩「優弥 やっぱり私たち会ったことあるよね?」
宇喜多羽彩「やっぱり記憶失ってるよね」

次のエピソード:第9話『仁義ある戦い』

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