花姫様と最強の冷徹騎士様

ちゅるちゅるめん

花姫様と冷徹な騎士様(脚本)

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〇養護施設の庭
アレグラットの父「──本日より我が息子、”アレグラット”がノルマータイ家の長女、シャイローゼ姫様御付きの騎士となります」
アレグラット(幼少期)(家のためにと言われた仕事は会ったことの無い姫様御付きの騎士というものだった)
アレグラット(幼少期)(・・・やりたく無かったな)
アレグラット(幼少期)「ご紹介に預かりました。僕の名前はアレグラットと申します」
アレグラット(幼少期)「未熟者ではございますが、鍛練を積み、姫様を完璧に守れる騎士となりますので、以後お見知りおきください」
シャイローゼ「──クスッ」
シャイローゼ(幼少期)「えぇ、こちらこそよろしくお願いします。小さな騎士様」
アレグラット(幼少期)(噂通りの花のような方だ。可憐すぎて、一瞬反応してしまった。・・・きっと表情には出ていないだろう。大丈夫だ)
アレグラット(幼少期)(──でもなぜだろう?)
アレグラット(幼少期)(この人を見ていると、胸が苦しくなる。脈が早くなる)
アレグラットの父「いやはやしかし、噂に聞いた通りの花のように可憐な姫様ですね。うちの息子を側に立たせるのが心苦しいですよ」
先代国王「ハハッ、何を言うか!遊びたい盛りのこの年になるまで鍛練を積み、史上最年少の騎士なんだから、恥ずかしくなんてないぞ!」
先代国王「発展途上とは思えるが、それでも高い魔法技術、剣術、精神力。歴代でもトップレベルだろう」
「──────・・・」
アレグラット(幼少期)(一体いつまでこの話は続くのだろう)
  ──チラッ
アレグラット(幼少期)(──やはり、この方を見ていると、胸が苦しい・・・。理由は一体何なんだ・・・)

〇英国風の部屋
  アレグラットの部屋
アレグラット「スー・・・」
アレグラット「──ん・・・」
アレグラット「・・・」
アレグラット「また、あの夢・・・」
アレグラット(いい加減、感情なんて無くなってくれないか・・・)

〇大樹の下
アレグラット「ふうっ・・・」
???「お、おはようございます!」
アレグラット「あぁ、おはようございます。ダルメリアス様」
ダルメリアス「あの、お忙しいのは知っているのですが・・・今日も剣を教えていただきたくて・・・」
アレグラット「まだ時間に余裕はあります。30分程で良ければお付き合いします」
ダルメリアス「あ、ありがとうございます!」
  ダルメリヤス──シャイローゼの弟。真面目な努力家で、剣が好き。
  剣が得意なアレグラットを尊敬している。
  10分後
ダルメリアス「フッ・・・」
ダルメリアス「100本振りました。・・・どうでしょう?」
アレグラット「剣の重さに身体が持っていかれています。背筋を伸ばし、足腰に体重をかけて見てください」
ダルメリアス「はいっ!」
アレグラット(ダルメリヤス様は努力家だ。この高い集中力、体力は同年代の中でもトップレベルだろう)
アレグラット(自ら望んでやるんだもんな。・・・尊敬する)
ダルメリアス「・・・?どうされました?」
アレグラット「いや、なんでもないです」
  10分後
ダルメリアス「はぁ、はぁ・・・ど、どうでしょう・・・?」
アレグラット「さっきより格段に上手くなっています」
ダルメリアス「ほ、本当ですか?」
アレグラット「えぇ、では少し休憩を──」
???「ダルメリアス様、アレグラット様」
セゼル「失礼します。お嬢様のご準備が整いました。 出来れば今から出たいとの事なのですが・・・」
アレグラット「わかった、今行こう。ダルメリアス様はどうなさいますか?」
ダルメリアス「僕はもう少しここで練習していきます」
アレグラット「わかりました。・・・筋力を上げるトレーニングをすることを勧めます」
ダルメリアス「・・・!はいっ!」
アレグラット「──失礼します」

〇貴族の部屋
アレグラット「おはようございます。シャイローゼ様」
シャイローゼ「あ!!おはよう、”アル”!」
  シャイローゼ──アレグラットの想い人。花のような可憐さ、美しさから幼少期より”花姫”と呼ばれる。
アレグラット「随分と楽しそうですね。そんなにはしゃいでは、後まで身体が持ちませんよ」
シャイローゼ「だって、今日からまた学園に通うのよ!楽しみで仕方がないわ・・・!」
アレグラット「では少し予定を縮めて、ゼルベイク様にご挨拶をしに行きましょうか」
シャイローゼ「そうね、それなら早く学園に行けるものね」
アレグラット「えぇ、では参りましょう」

〇華やかな裏庭
シャイローゼ「お兄様、おはようございます!」
  アレグラットは頭を下げる
ゼルベイク「ローゼ、おはよう。出るには少し早いが、何かあったのか?」
シャイローゼ「また学園に通えるのが楽しみ過ぎて、待ちきれないのです!」
シャイローゼ「なのでお兄様、今から学園に行かせていただいてもよろしいですか?」
ゼルベイク「うん、構わないよ。だがはしゃぎすぎないよう気を付けてね」
シャイローゼ「わかりました。ではいって参ります」
ゼルベイク「アレグラット、馬車の手配は済んでいるか?」
アレグラット「ええ、すでに」
ゼルベイク「そうか、ありがとう。・・・あの子は危なっかしいところがある」
ゼルベイク「入学するお前に言うのも心苦しいが、なるべくあの子から目を離さないでやってくれ」
アレグラット「お任せください、それが私の役目ですから」
アレグラット「シャイローゼ様に近づく輩はこの剣で排除します」
  アルの持つ剣は魔剣”ミゼ・ラットイヤズス”
  魔剣とは、一定以上の魔力と剣技を持つものにしか扱えない剣
  魔剣の主になった者は1つ能力を手にすると言う。
  ただし、魔剣が主を主として認めなくなったときには能力もその魔剣も使えなくなる。
  この剣をアレグラットが扱えるようになったのは、僅か10歳の時だった。
ゼルベイク「そこまでしなくてもいいが・・・軽く脅す程度で頼むよ」
アレグラット「承知しました」
シャイローゼ「アル、早く行きましょう!」
アレグラット「はい、シャイローゼ様」
アレグラット「では、行って参ります」
ゼルベイク「うん、頼んだよ」
ゼルベイク「・・・」
ゼルベイク(彼がローゼのことが好きなのは知っている。だがいずれ、あの娘にはどこかに嫁いで貰わねばならない・・・)
ゼルベイク(だが、彼は今までローゼだけでなく国のためにも力を尽くしてくれた)
ゼルベイク(だからこそ想い人を諦めろ、というのが申し訳ない。・・・本人が1番分かっているだろうが)
ゼルベイク(だが貴族には貴族の、騎士には騎士の役割がある。だからそこは割りきらなくてはならない)
ゼルベイク(私は国王だ。間違えるわけにはいかない)
ゼルベイク(あの娘の婚約者が決まって、もし彼が暴れたとき、誰が彼を押さえられるんだろうか・・・探しておかなければ・・・)
  ゼイベルク──シャイローゼの兄。早くに亡くなった両親に変わって国王を勤める。
  責任感が強く、観察力に優れている。

次のエピソード:幼き日の記憶

コメント

  • 身分や立場の違う男女の悲恋は盛り上がりますね。読者としては二人に結ばれてほしいところですが…。魔剣と弟のダルメリアスの存在が、今後の展開の中でキーを握っているような気がします。

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