〇体育館の中
ナナシ「──────────」
ハンカ（寝てる、のか？　 いやそれにしてもこれはあまりに）
ナナシ「────ん、おはようございます」
ハンカ（え？　今起きたの!?）
ハンカ（目を瞑ってるから全然分からん）
ハンカ「お、おはよう、ナナシくん」
ナナシ「もう交代の時間ですか」
ハンカ「いや、実は君に、 ちょっとした頼みがあってね」
ナナシ「頼み？　ですか？」
ハンカ「あぁ、あくまで”頼み”だ」
ハンカ「だから別に断ってくれても構わない」
ナナシ「それで、頼みとは？」
ハンカ「うん、 君が寝ている間に聞いたんだけどさ」
ハンカ「君の能力は、 道具型のツクモ神から記憶を引き出し その能力を十全に扱えるんだよね」
ナナシ「・・・・・・はい」
ハンカ「であれば、君が今後戦う上で、確実に助けになる場所がある」
ナナシ（助け・・・・・・生きるための、助け）
ナナシ「その場所は？」
ハンカ「その場所は、そのコミュニティは」
ハンカ「『武器庫』」
ハンカ「という」

〇黒
赤縄（うーん困ったな）
赤縄（起きたら共に行動するはずの マクロと外徳がいねぇ）
赤縄「うーん」
赤縄「ちょっと勝手するか」

〇結婚式場のレストラン
ツトム（俺が提示して条件、それは──）
ツトム（『武器庫』への同行者として、 俺とイフさんがついていくこと）
イフ（だが──）
サラシナ「お待せしました」
ナナシ「いただきます」
ナナシ「むしゃむしゃガツガツもぐもぐごっくん」
ツトム（い、一瞬で皿が空に・・・・・・）
ライサ「さ、サラシナ！　もっと持ってきて！」
サラシナ「いや、もう百品以上食べてますよ！　 この子！」
ライサ（しょうがないでしょ、だってこの子）
ライサ（どんな料理も美味しく食べてるもの）
サラシナ「お待たせしました！」
ナナシ「美味い」
「・・・・・・・・・・・・」
「もういい」
ライサ「シェ、シェフ!?」
「その子供の適性は三つ全てだ」
ナナシ「適正？」
「少年、好きなものを選べ」