〇体育館の中
ネコマ「死ね」
ハンカ「うおっ！　強烈な壁ドンだね」
ハンカ「私、そんな変なこと言ったかなぁ？」
ハンカ「冷静に考えて、そんなにおかしいこと言ってなかったと思うんだけど」
ハンカ「君たちもそう思うだろ？」
イフ「・・・・・・・・・・・・」
ツトム「当然、思うわけがないだろう!!」
ハンカ「ふむ、残念だ」
ハンカ「誰もが考えつく、 簡単なアイディアなのにねぇ」
ネコマ「──招き寄せられろ」
ハンカ「おいおい、壁ドンの次はハグかい？ 情熱的だね」
ネコマ「──」
ハンカ「痛い痛い、 無言でアイアンクローするのはやめてくれ」
ハンカ「何が嫌なんだ？　あの少年と君たちは 会ってまだ一日も経っていないはずだ」
ネコマ「ナナシくんは、同じコミュニティの仲間だ」
ハンカ「何だそりゃ、気持ち悪りぃな」
ハンカ「”そんなものが 命をかける理由になるものか”」
ネコマ「────もう一度、言ってみろ」
ハンカ「お前達とあの子は仲間でも何でもない」
ハンカ「あの子は生きる為にこのコミュニティを ”使ってる”だけ、そして」
ハンカ「君たちは”仲間が消えることが怖い”だけだ」
ハンカ「決して、 あの子が死ぬことが怖いわけじゃない」
ツトム「そんなはずないだろう 俺たちは、ナナシくんが心配で────」
ハンカ「うんうん、そりゃそうだろう 発生したばかりで、記憶喪失で 友好的な少年だ」
ハンカ「けど”それだけ”だよ それは心配するに足る理由だけど」
ハンカ「それは、 命をかけて守る理由たりえない」
ツトム「!?」
イフ「・・・・・・・・・・・・」
ハンカ「ここ最近で、 あなた達は三人の仲間を失っているね」
ハンカ「裏切り者 火縄銃のツクモ神『赤縄』」
ハンカ「そしてその赤縄に殺された 首輪のツクモ神『カーラ』」
ハンカ「さらに、ツクモ獣に殺された 時計のツクモ神『アウワ』」