オヤコドン・オブ・ザ・デッド

情無合成獣スフィアマザコンザウルス

第一探索編パート3(脚本)

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〇大学病院

〇走行する車内
柳生花凛「はいオニーサンっ、あーん♪」
橘宏美「あのね・・・これ修学旅行や遠足じゃないんだよ?ちょっとは緊張感持とう?」
柳生花凛「逆逆、こんな時だからだよっ」
柳生花凛「こういう辛い時ほど楽しい事を考えなきゃ、生きる力なんて湧いてこないのっ」
橘宏美(・・・ただのビッチギャルかと思ったけど、意外と逞しいんだな)
柳生花凛「というワケであーん♡」
橘宏美「言ってる事は解るけど、いきなり言われてもな・・・」
職員「ははっ、いいじゃないですか青春って感じで」
職員「それに、それチョコ菓子でしょう?なら尚更取っておいた方がいいですよ」
職員「今から物資を探すんです、糖分取っておいた方がいいですよ」
橘宏美「・・・じゃ、じゃあお言葉に甘えて・・・」
  ────カリッ

〇デザイナーズマンション
橘宏美「あ、ここです、ここでお願いします」
柳生花凛「ここ、マンションだよね?デパートとかじゃなくていいの?」
橘宏美「そういう所ほど他の面々から目をつけられるもんさ、そんなトラブルは避けた方がいい」
橘宏美「・・・ほら、めんどくさい連中がいるだろ」
柳生花凛「・・・ああ、うん」
  ・・・その、誰とは言わない西洋人の集団を思い出し、彼らは少し気が重くなった。

〇高い屋上
青野健次郎「・・・選定から漏れたとはいえ、若者が危険な探索に行くのに、俺は待機なんて・・・!!」
アンナベル羽佐間「しゃあないよ青野センセ。こんな状況さね、医者にゾンビになられるのはまずい」
アンナベル羽佐間「それに・・・言っただろう?」
アンナベル羽佐間「────災害時に医者は無闇に動かない」
アンナベル羽佐間「ただし準備は怠らず・・・動く時は風のように迅速に」
青野健次郎「羽佐間先生・・・」
アンナベル羽佐間「先生はよしとくれよ、アンタがアタシの教え子だったの何十年前よ?」
青野健次郎「ふふ・・・」
アンナベル羽佐間「・・・・・・にしても、いい天気だね」
青野健次郎「ええ、とても今がゾンビ騒動の真っ只中とは思えない程・・・」

〇空

〇高い屋上
アンナベル羽佐間「たしかに、晴天そのもの。いい天気だよ」
青野健次郎「そうですね・・・」
アンナベル羽佐間「──────不自然な程に」
青野健次郎「・・・・・・」
アンナベル羽佐間「考えてもみな、こんな大騒動だよ。ただでさえ意地汚いマスゴミ共が食いつかないワケがない」
アンナベル羽佐間「なのにこの通り、空は青い空と白い雲。報道のヘリなんざ見当たらない」
青野健次郎「政府が混乱を避けるために情報統制を・・・・・」
青野健次郎「・・・・いや、本邦の政府にそんな手腕があるとは思えない」
アンナベル羽佐間「その通り、更にはSNSですらこの件に関して誰も話題にしていない」
アンナベル羽佐間「さらに普通、他の街にもゾンビが現れたりするもんだろうけど・・・今のところそれすらない」
青野健次郎「・・・まるで、この街だけこの世から切り離されたみたいですね」
アンナベル羽佐間「・・・・・・今回のゾンビ騒動」
アンナベル羽佐間「なーんか、 きな臭いニオイがすんだよねぇ・・・」

〇マンションの非常階段
橘宏美「いいかい、慌てずに一歩一歩・・・」
橘宏美「こういう階段は踊り場に・・・」
橘宏美「────ほら出たッ!!」
橘宏美「落ちろおおーーーっ!!!!」
  渾身のバールの一撃を受けたゾンビは、そのまま踊り場から滑り落ち、落下し──
  ──────地面に脳漿の薔薇が咲いた。
橘宏美「ふーっ・・・ふーっ・・・どうだっ!!」
柳生花凛「すっごーい!!一撃でゾンビを倒しちゃった!!」
橘宏美「いや一撃って・・・単に階段から地上に落としただけだよ」
橘宏美「こういう場所だから出来ただけで、もしここが室内だったらどうなってたか・・・」
柳生花凛「でも、やっつけたのは事実でしょ? それに戦場を活かした頭脳プレー!」
柳生花凛「オニーサンのそんな所・・・ス・テ・キ♡」
橘宏美(む、胸が・・・っ!!摩耶さん程じゃないけど、花梨ちゃんも意外と・・・!!)
柳生花凛「あははっ♪オニーサン顔赤くなってる カワイ〜イ♡」
橘宏美「あ、あのなあ・・・」
柳生花凛「ほらっ、早くいこ?あたし、あの部屋とか怪しいと思うな〜?」
橘宏美「こ、こらっ!!一人で行こうとするなっ」

〇マンションの共用廊下
橘宏美「・・・怪しいってのはこの部屋?」
柳生花凛「うん、そーだよ」
橘宏美「・・・根拠は?」
柳生花凛「女の勘♪」
橘宏美「勘って・・・」
橘宏美「まあいいや、鍵もかかってるし中は荒らされてないだろう・・・」
橘宏美「よい・・・しょ!!」

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