エンジニア、時空をゆく

イヌドングリ

#2『時間軸生命体、接触する』(脚本)

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〇諜報機関
八代社長「まあ、あの娘、リビッサだっけ? がいるから信じてもいいけど」
八代社長「とりあえず謹慎と報告書で」
伊達アヤ「・・・はい、社長」
八代社長「と、ま、それより」
八代社長「そのクォフォンは万能翻訳機になったのよね?」
伊達アヤ「通話はできなくなったっすけどね」
八代社長「・・・原因はわかる?」
伊達アヤ「いや、全然、想像もつかないっすね」
八代社長「そう──」
リビッサ・フィオル「あの・・・こんな感じでいいんでしょうか?」
「似合ってるよ!」

〇簡素な一人部屋
伊達アヤ「・・・はぁ、疲れた」
伊達アヤ(えっ、通話は来ないはず・・・?)
時間軸生命体「君が伊達アヤかな?」
伊達アヤ「・・・誰? ってか、何?」
時間軸生命体「私は、君が生み出した世界の住人だ」
伊達アヤ「ワタシが、生み出した?」
伊達アヤ「未来での話、とか?」
  なに言ってんだろ、自分
時間軸生命体「いや、数日前のことだよ」
伊達アヤ「えーっと──」
伊達アヤ「ああ!」
伊達アヤ「あれで全てのFTL素子が繋がって世界になった、とか、そういうこと?」
時間軸生命体「そうそう、地球上、全ての時間でね」
  理論上はあり得るけど、住人ってなんだろう?
時間軸生命体「私はその世界で生きている情報さ だから、全ての言葉も知っていたんだ」
時間軸生命体「話は変わるけど、君はリビッサを助けたね?」
伊達アヤ「うん、そうだけど?」
時間軸生命体「私が引き合わせた」
時間軸生命体「君の勇気と、能力を知りたくてね」
伊達アヤ「はぁ!? 死にかけたんだけど?」
伊達アヤ「まあ、リビッサは助けられたけどさ」
時間軸生命体「ああ、やっぱり君を選んでよかった」
時間軸生命体「このままだと、過労で――これ以上はやめよう」
伊達アヤ「・・・心配ありがと」
時間軸生命体「未来を見ただけさ」
時間軸生命体「そんな君に頼みがある」
時間軸生命体「この世界を救ってほしい」
伊達アヤ「・・・はい?」
時間軸生命体「これを見てくれ」

〇雪山
時間軸生命体「これが30億年後の地球」
  ・・・
時間軸生命体「海は消えて、磁気のバリアも失われた世界だ」
  ・・・それが?
時間軸生命体「地球は死の星になるんだ」

〇簡素な一人部屋
伊達アヤ「それが、どうしたっていうのよ?」
伊達アヤ「今から30億年後なんて言われても、わかんないよ」
時間軸生命体「そうなのか?」
時間軸生命体「私には君たちの隣、すぐそこにある恐怖なんだがな」
時間軸生命体「なあ、地球の生命を救ってくれ」
時間軸生命体「君ならできる」
伊達アヤ「・・・ごめん、断る」
伊達アヤ「疲れてるし」
時間軸生命体「それは君の今の話だろう?」
時間軸生命体「明日の君はどうなんだ?」
伊達アヤ「どうして、ワタシなのさ?」
時間軸生命体「勇気と知恵、技術──」
時間軸生命体「それと理解してくれる可能性が高いことだ」
伊達アヤ「もっと未来にいなかったの?」
時間軸生命体「誰もが時間移動を信じると思うか?」
伊達アヤ「それは、そうだけど・・・」
伊達アヤ「ごめん、今は考えたくない はやく寝たいのよ」
時間軸生命体「わかった、邪魔したな」

〇簡素な一人部屋

〇簡素な一人部屋
リビッサ・フィオル「おはようございます、アヤさん」
伊達アヤ「おはよ、リビッサ」
リビッサ・フィオル「調子はどうですか?」
伊達アヤ「こんな感じで休暇が貰えるとはねぇ」
リビッサ・フィオル「それはよかったですね」
リビッサ・フィオル「あ、これ気分が落ち着くハーブです こっちでも売ってたので」
伊達アヤ「ありがと、あとでもらうね」
リビッサ・フィオル「ところで・・・んは・・・八代社長と・・・で?」
伊達アヤ「リビッサ? 大丈夫?」
リビッサ・フィオル「え・・・全然・・・す・・・ど?」
伊達アヤ「リビッサ! リビッサ!?」
伊達アヤ「えっ、なにが起きたの?!」
伊達アヤ「あっ、そうだ!」
時間軸生命体「どうした?」
伊達アヤ「リビッサが消えた!」
時間軸生命体「なに?!」
時間軸生命体「ちょっと待て――彼女を助けた少し前が変化している・・・」
伊達アヤ「なにか起きたの?」
時間軸生命体「なにか・・・とても大きな爆発が起きたらしい」
時間軸生命体「彼女のいた街の近くだ」
伊達アヤ「止めにいく」
伊達アヤ「あなた、時間移動させられるんでしょ?」
時間軸生命体「まあ、できないことはないが・・・」
時間軸生命体「じゃあ、地球も頼めるか?」
伊達アヤ「わかったから、やって!」

〇荒廃した街
ガルド卿「進め! 侵入者を叩き出せ!」
「ウォーーーーー!」
ガルド卿「なんだ、あの魔術は・・・」
ガルド卿「怯むな!」
ガルド卿「グハッ」
ガルド卿「ここ、までか・・・」
兵士「ガルド卿!」
兵士「誰か、聖女のところへお運びしろ!」
伊達アヤ(なにこれ!?)
伊達アヤ(近未来対、中世ってこと?)

次のエピソード:#3『文明、生き残りたい』

コメント

  • 予想して無かった展開に😮😮😮リビッサの身に一体何が起きたのか、気になります

  • 世界を救うのに、ついで感が面白いですw
    アヤさんの活躍に期待しています!

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