エンジニア、時空をゆく

イヌドングリ

#3『文明、生き残りたい』(脚本)

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〇荒廃した街
伊達アヤ「ねえ、ヤバくね?」
時間軸生命体「ああ、難しいかもしれないね」
近未来の軍人「君!」

〇森の中
伊達アヤ「はぁ、はぁ」
近未来の軍人「待ちなさい、私は味方だ」
近未来の軍人「迷い込んでしまったようだね?」
近未来の軍人「天然のポータルには気をつけないといけないよ」
伊達アヤ(えっ、ああ、そっか)
伊達アヤ「ここで、なにしてるん、です?」
近未来の軍人「君は現代文明の人だよね?」
近未来の軍人「僕たちは文明を存続させるために戦っているんだよ」
近未来の軍人「分からないよね」
近未来の軍人「実はここは未来なんだ」
近未来の軍人「文明は何度も滅びて、その度に蘇る」
近未来の軍人「貴重な蓄積を失ってね」
伊達アヤ「テクノロジーもなくなるってことか──」
近未来の軍人「そう、でも大丈夫!」
近未来の軍人「気候が今から1万年は安定する だから、僕たち現代文明人が移住するんだ」
近未来の軍人「劣った文明をリセットしてね」
伊達アヤ「つまり、ここの人たちは・・・?」
近未来の軍人「優れた文明のために滅ぶ」
近未来の軍人「明日、コバルト爆弾で核の冬を起こすんだよ」
近未来の軍人「天気がいいからね」
近未来の軍人「邪魔しないように僕らは露払いさ」
伊達アヤ(ヤベえ!)
近未来の軍人「あっ、待って!」
近未来の軍人「ここにいたら死んでしまう!」

〇山中の川
伊達アヤ「痛った・・・」
時間軸生命体「どうした、大丈夫か?」
伊達アヤ「足、挫いた」
時間軸生命体「まずいな・・・私はポータル以外で物質に干渉できない」
街人「おい! 大丈夫か!」
街人「都人が倒れてる! 助けるぞ!」

〇テントの仮眠エリア
街人「ちょっと待ってな、聖女を呼んでくる」
伊達アヤ「・・・どうしよう」
  明日には全て滅びてしまう
リビッサ・フィオル「大丈夫ですか?」
伊達アヤ「・・・リビッサ?」
伊達アヤ「聖女って、リビッサ!?」
リビッサ・フィオル「どこかでお会いしましたか?」
リビッサ・フィオル「忘れていたら、すみません」
伊達アヤ「あ、いや、大丈夫」
伊達アヤ「一方的に知ってただけ、だから」
伊達アヤ「でも、聖女って、意外で」
リビッサ・フィオル「みんなそう呼んでいますね・・・」
リビッサ・フィオル「私は薬草屋の仕事をしているだけなんですけど・・・」
リビッサ・フィオル「さ、この薬草を貼っておけば、三日くらいで良くなりますよ」
伊達アヤ「三日か・・・」
リビッサ・フィオル「どうかされたんですか?」
伊達アヤ「明日までになんとかなんない?」
伊達アヤ「痛み止めでもいい」
リビッサ・フィオル「痛み止め、ですか・・・」
リビッサ・フィオル「作りたくてもつくれないんです」
リビッサ・フィオル「薬草を切らしていて」
伊達アヤ「気分が落ち着くハーブはあるけど?」
リビッサ・フィオル「見せてください!」
リビッサ・フィオル「・・・これ、貰っても?」
伊達アヤ「もちろん!」
リビッサ・フィオル「これで痛み止めがつくれます!」

〇森の中
伊達アヤ「まずは、この世界をなんとかするよ!」
時間軸生命体「無理は、するな」
伊達アヤ「冤罪で魔女になったリビッサが、こっちじゃ聖女だよ?」
伊達アヤ「ここを守ってやりたいじゃん」
時間軸生命体「わかったよ・・・」
時間軸生命体「で、作戦はあるのか?」
伊達アヤ「その前にさ」
伊達アヤ「コバルト爆弾がどこにあるかわかんない?」
時間軸生命体「それがな」
時間軸生命体「実は探してみてるんだが、見えないんだ・・・」
伊達アヤ「じゃあ、爆弾が送られてくる瞬間を捉えるしかないか・・・」
時間軸生命体「なにをする気だ?」
伊達アヤ「実は、考えがあるんだ」
時間軸生命体「考え?」
伊達アヤ「そっちの願いも叶えられる、多分ね」
伊達アヤ「そのためには、かなりの量の爆弾が必要なんだよ」
時間軸生命体「もう一度聞く──なにを、する気だ?」
伊達アヤ「FTL素子のことを考えると、多分うまくいくハズ」
伊達アヤ「とりあえず、街に行って爆弾を止めよう!」

〇荒廃した街
近未来の軍人「君! よかった、間に合ったね」
近未来の軍人「過去に返してあげよう」
伊達アヤ「いや、もうちょっとこの都市──」
伊達アヤ「壊れちゃってますけど見てみたいな〜、なんて」
近未来の軍人「それはダメだ!」
近未来の軍人「ポータルを開くから、西暦と位置を教えるんだ」
近未来の軍人「君を死なせたくないからね」
伊達アヤ「・・・もし、逃げたら?」
近未来の軍人「君を、信じてるよ」

〇ビルの裏
時間軸生命体「・・・追い返されてしまったな」
伊達アヤ「・・・どうする? ・・・どうすればいい?」
伊達アヤ「とにかく、リビッサを救う」
伊達アヤ「これだけは絶対にやるよ」
伊達アヤ「・・・あっ」
時間軸生命体「どうした?」
伊達アヤ「連れてってほしいところがあるんだけど」
時間軸生命体「・・・どこだ?」
伊達アヤ「──爆弾の場所が見えない、って言ったよね?」
時間軸生命体「時空の闇に突っ込めと?」
時間軸生命体「危険だ・・・!」
伊達アヤ「特に厳重なところがいい、どこかはあいつらの基地でしょ?」
時間軸生命体「それは・・・承知しかねる」
伊達アヤ「30億年後の世界、だっけ? そっちも救えるんだから!」
時間軸生命体「はぁ・・・わかったよ」
伊達アヤ「あ、ちょっと準備してからね・・・OK、お願い」

〇朝日

〇洞窟の深部

〇密林の中

〇入場ゲート
伊達アヤ「ここっぽいね」
時間軸生命体「・・・時代的にも、あってそうだな」

次のエピソード:#4『地球、パンスペルミア』

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