第5話『昔話』(脚本)
〇古いアパートの部屋
中田「助けを求められて来たけど」
中田「まさか、お前が同棲してるなんて」
中田「自慢を見せつけられてるのか?」
和泉蓮「誤解するな、勝手に住み着いてるだけだ」
和泉蓮「地縛霊の類だと思ってくれ」
現実逃避の精霊「・・・・・・」
和泉蓮「どうした、今日はやけに静かだな」
現実逃避の精霊「あ、いや、友達いたんだと思って」
現実逃避の精霊「もしかして、お金もらって友達やってます?」
中田「違うよ 中学時代からの付き合いさ」
現実逃避の精霊「そ、そうなんですね」
和泉蓮「お前、まさか緊張してるのか?」
現実逃避の精霊「そ、そんなわけないじゃない!」
和泉蓮「珍しい」
和泉蓮「この前、大学で会った時 関井の前では普通だったのに」
現実逃避の精霊「あ、あれは」
中田「いやぁ、仲良さそうでいいな」
中田「付き合い始めてどれぐらいなんだ?」
「いや、付き合ってないし」
中田「マジか 意味わからん関係だな」
和泉蓮「俺も誰かに教えて欲しい」
和泉蓮「だから中田を呼んだんだけど」
中田「他者の意見からしても不可思議だ」
中田「何も発展してないなんて」
和泉蓮「何も起きないだろ」
現実逃避の精霊「あ、あの中田さん」
中田「何?」
現実逃避の精霊「このろくでなしは 中学時代からどんな感じだったんですか?」
和泉蓮「お前、敬語使えたんだな」
現実逃避の精霊「うるさい!」
中田「いや、大して変わらないよ」
中田「昔からアホで言ってることは 意味わからない」
現実逃避の精霊「やっぱり、そうなんですか だから中二病がいまでも 続いてるんですね」
和泉蓮「本人挟んで勝手に話進めんな」
中田「考えるよりも先に行動して 失敗しても何も学ばない」
中田「世間知らず、コミュ症のくせに プライドだけは高い」
現実逃避の精霊「昔から全然変わってない!」
中田「小説は中学の時ぐらいから書き始めて」
中田「高校の時ぐらいだよな 小説投稿始めたのは」
和泉蓮「ああ」
中田「さっきも言ったけど 後先考えずに動くタイプだから そのときも苦労したよ」
中田「こいつ、本はろくに読まないし 作文だって書けないやつだったんだ だから基礎も何も出来てなかった」
中田「起承転結、序破急とかも まともに知らなかったし」
中田「基本もできてないもんだから 最初に投稿したものは勢いだけで作って 酷いもんだったよ」
現実逃避の精霊「へえ、じゃあ、今は 多少マシになったんですね」
中田「ようやく読める文章になってきたな」
中田「それでも誤字脱字 話の矛盾は多いけど」
和泉蓮「だから人の話をほじくり返すな!」
中田「でも、あの頃は楽しかったよな」
和泉蓮「ああ確かにな」
現実逃避の精霊「もっと話聞きたい!」
中田「もっと変な話あるよ」
現実逃避の精霊「今日はこれを肴に朝まで飲みますか」
中田「いいね!」
和泉蓮「おい!こら!」
レンタルフレンドを疑われる主人公ww
未熟な過去を笑い話にできる友達って貴重な存在ですよね。普通は、仕舞い込んで蓋をして厳重に封印を施そうとするのに……そして封印が解け大騒ぎするのに……(経験談)