読切(脚本)
〇総合病院
10月1日
三田夫婦は病院に来ていた
三田光樹「僕は車を停めておくから先に行ってて」
三田由佳「うん、分かったわ」
〇大きい病院の廊下
看護師「こちらで御座います」
三田由佳「はい・・・」
病室に入る。
〇病院の診察室
宮沢先生「こんにちは、今日は心してきいて欲しい事があります」
三田由佳「はい」
宮沢先生「メールでもお伝えさせて頂いた通り祐介 君は、心臓病を患っております」
三田由佳「それで治せるんですか?」
宮沢先生「・・・」
三田由佳「治すことが出来ないんですね?」
宮沢先生「いえ、治す方法はあります。 ただ、成功例がかなり低く困難な手術になります」
三田由佳「そう、、、ですか」
三田光樹「お待たせ、」
待合室
〇病院の待合室
三田光樹「そうだったのか、由佳絶対に祐介は助かるよ そんな気がするんだ」
三田由佳「貴方に何が分かるのよ」
三田光樹「ごめん、でも俺達がこんな調子だと、祐介だって悲しむんじゃないか?」
三田由佳「それはそうだけど、貴方みたいに私は直ぐにこの状況を受けいれる事は出来ないわ~」
こういうやり取りが1ヶ月続いた。
そんなある日病院にまた呼ばれた
〇病院の診察室
三田由佳「今日呼ばれた理由って何ですか?」
宮沢先生「まず提案何ですけど、もし良かったら他の大きい病院に移りませんか?私の友達にスーパードクターが居まして・・・」
光樹と由佳が同時に助かる可能性があるならお願いします。と言う
宮沢先生「なら招待状を出しておきます」
三田由佳「ありがとう御座います」
三田光樹「本当にありがとう御座います」
宮沢先生「いえ、これからが正念場ですよ。 これから頑張って下さい」
三田由佳「はい」
三田光樹「はい」
〇総合病院
宮本宏輝「お待ちしておりました」
三田由佳「これから宜しくお願いします」
三田光樹「お願いします」
宮本宏輝「では、1ヶ月後の12月23日から手術を行います」
三田由佳「分かりました」
三田光樹「お願いします」
三田光樹「一つお願いしたい事があるんですけど・・・」
宮本宏輝「はい・・・大丈夫です」
〇おしゃれなリビングダイニング
俺達夫婦は1ヶ月間家を開ける為家の掃除やスーパーで買うものなどメモしたりしていた。
〇スーパーの店内
沢山の食料と必要な物を持って病院に戻る。
〇綺麗な病室
祐介「ルンルン、ウキウキ、ニコニコ」
宮本宏輝「祐介君は本当に元気だね。 普通心臓病の子供は凄く辛そうな顔するんだけどね」
祐介「うん・・・」
三田光樹「来たぞ、祐介元気か?」
宮本宏輝「さっきまで笑顔で笑っていたんですが、今はもう疲れて眠ってしまったみたいです」
宮本宏輝「それにしても本当に不思議な子ですね」
三田光樹「え、何か問題があったんですか?」
宮本宏輝「いえ、むしろ祐介君は心臓病を患っているのにいつもルンルンしててとても元気なんですよ」
三田光樹「はぁー、良かった」
宮本宏輝「それでさっき思いついたんですが、僕は祐介君の事ルンルン王子って名付けました」
三田由佳「ルンルン王子?」
宮本宏輝「はい、いつもニコニコルンルンしていて顔立ちはカッコいいので」
三田由佳「何ですか?それ」
三田光樹「いい名前ですね」
〇病院の廊下
そこから1ヶ月がすぎ、手術の日になった。
宮本宏輝「では、これから手術を行うので待合室で待っていて下さい」
三田光樹「はい、分かりました。 どうか息子を助けて下さい」
三田由佳「お願いします」
宮本宏輝「分かりました。 では、祈ってて下さい」
〇手術室
宮本宏輝「今から心臓病の手術を始めます。 では、メス」
A「はい、メスです」
宮本宏輝「次は吸引機」
A「吸引機です」
手術が始まった。
手術は順調に進んでいく。
宮本宏輝「○▲取って」
A「○▲です」
B「バイタル60まで下がってます。危険です」
B「先生急いで下さい」
A「もう、手遅れです」
宮本宏輝「くそ、何か打てる手はないのか」
バイタル50、40、30、20、10、0になる。
B「これ以上やってもどうにもなりません」
サンタクロース「困ってるようだなぁ〜私からのプレゼントをやろう これを使うとよい!!」
宮本宏輝「サンタクロースか、本当にいたんだな〜」
A「?」
B「どうしたんですか?」
宮本宏輝「いや、何でもない お前らには見えないのか」
宮本宏輝「俺が助けてみせる」
宮本宏輝は心臓マッサージをする。
宮本宏輝「よし、少し戻ったか」
バイタルが徐々に戻っていく。
B「バイタルがどんどん上がっていきます」
宮本宏輝「よし、さっきの続きをしていくぞ」
A「はい」
B「分かりました」
ここから8時間の手術を行った。
宮本宏輝「よし、仕上げをするぞ、ホチキスを取ってくれ」
A「はい」
宮本は、縫った所をホチキスで止めていく。
〇病院の廊下
宮本宏輝「貴方が祈ってくれたお陰で無事手術は成功しました」
三田由佳「本当にありがとうございます。 なんてお礼すればいいか」
宮本宏輝「別に大丈夫ですよ。責務を全うしただけですから」
宮本宏輝「それに、サンタクロースが助けてくれたんですよ」
三田由佳「サンタクロースですか?笑笑」
三田光樹「それならサンタクロースに感謝しないとな」
三田由佳「うん」
〇雪山の森の中
サンタクロース「メリークリスマス〜」
病気の子どもって見ているのも辛いのですが、この少年はよく頑張ったと思います。
きっとそれでサンタクロースが助けてくれたのかな?と思いました。
オペ中にまさかサンタクロースが出てくるとは思いもよりませんでした。ルンルン王子が元気で良い子だから、素敵なプレゼントを頂いたんですね。
小児の心疾患は大変だろうなと思いながら読んでましたので、サンタさんありがとうという心情です。そんな奇跡まで起こしてくれるサンタさん最高です。