黒輝さんが小悪魔なことを、俺だけが知っている。

砂糖のカタマリ

2.黒輝さんは学級委員長(脚本)

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〇黒
  人間を絶望の淵に叩き落とし、その魂を食らう。
  それが悪魔。
  欲望にまみれた人間の魂ほど美味いらしい。
  ・・・・・・悪魔の経験談だ。

〇教室の外
神谷 ジン「黒輝さん・・・それ、何食べてるの?」
クロキ アカリ「昨日のバーゲンで買ったブラッドマンドレイクのおひたしだよ?」
神谷 ジン(そんなのどこのスーパーに売ってんだよ・・・)
クロキ アカリ「・・・食べたいの?」
神谷 ジン「いやいやいや!!!」
ブラッドマンドレイク「ギャアアアアア!!!!」
  弁当箱から紫色の煙が上がり、謎の悲鳴が聞こえてくる。
  そんなもの食べたら無事じゃ済まない。
クロキ アカリ「遠慮しなくても──」
神谷 ジン「俺もう食べ終わったから! じゃあ!」
クロキ アカリ「あ・・・!」
  振り向かず走る。
  振り向いた時に見えるであろう光景が怖すぎるからだ。
クロキ アカリ「もう・・・ジンくんったら・・・」
ブラッドマンドレイク「ギャアアアアア!!!!」

〇まっすぐの廊下
神谷 ジン(はぁ・・・昼食の時間がこれほどキツイものになるとは・・・)
  まさかクラスのマドンナとの食事が、悪魔とのランチタイムになるなんて思ってもなかった。
黒輝 アカリ「ジンくーん!」
神谷 ジン「く!」
神谷 ジン「黒輝さん・・・」
神谷 ジン(よかった・・・マドンナの黒輝さんだ・・・)
男子生徒A「はぁ、今日も黒輝さんかわいいよなぁ・・・」
男子生徒B「神谷・・・あいつ前世でどんな徳を積めば黒輝さんと仲良くなれるんだよ・・・」
神谷 ジン(前世でどんな悪行を積めば、悪魔に付きまとわれるんだろう・・・)
黒輝 アカリ「ねぇねぇジンくん、今日の放課後教室に残っていてくれないかな?」
神谷 ジン「別にいいよ」
黒輝 アカリ「ほんと? やった!」
神谷 ジン「こうしているうちは可愛いんだけどな・・・」
  放課後、おそらく二人きりの教室、そして密室・・・
神谷 ジン(悪魔との面談か・・・)
男子生徒A「くそ・・・あの細目野郎・・・!」
男子生徒B「滅べ! 細目滅べ!」
黒輝 アカリ「私学級委員長だからさ、ちょっと手伝って欲しいんだよね」
神谷 ジン「・・・黒輝さん」
黒輝 アカリ「ん? なに?」
神谷 ジン「ほっぺたにお弁当ついてるよ」
黒輝 アカリ「え!」
黒輝 アカリ「恥ずかしいな・・・えへへ・・・」
男子生徒A「があああああああああ!!!」
男子生徒B「きゃわわわわわわわわわわ!!!」
神谷 ジン(この世には知らない方がいいこともある)

〇教室
  放課後は俺の予想に反して穏やかな時間だった。
  原因は一つ。
黒輝 アカリ「よし! これで大体終わりだね!」
神谷 ジン(マドンナ黒輝さんの方で良かった・・・)
黒輝 アカリ「んんー・・・つかれたぁ・・・」
神谷 ジン「お疲れ様。ずっとその姿でいるのって大変なんだっけ?」
黒輝 アカリ「教室に誰もいないって言っても、念の為にこの姿でいた方がいいしね・・・」
  大きく伸びをする黒輝さんは、悪魔であるということがなにかの冗談では無いかと思うほど可愛かった。
黒輝 アカリ「今日は手伝ってくれてありがとねジンくん」
神谷 ジン「全然大丈夫だよ。友達だからね」
黒輝 アカリ「・・・うーん、アピールはしてるつもりなんだけどな」
神谷 ジン「ん? 何か言った?」
黒輝 アカリ「な、何も言ってないよ!」
黒輝 アカリ「そろそろ門も閉まるから早く出よ?」
神谷 ジン「そ、そうだね」
神谷 ジン(今日は一段とグイグイくるな・・・)

〇通学路
黒輝 アカリ「今日は手伝ってくれたお礼をします」
神谷 ジン「いや、お礼なんていいよ」
黒輝 アカリ「いいからいいから!」
  黒輝さんは俺の後ろに回ると背中を押し始めた。
神谷 ジン(す、すごい力・・・)
  こういう所で彼女は人間では無いという事を再確認する。
黒輝 アカリ「この辺ならいいかな・・・」
神谷 ジン「黒輝さん? 帰り道コッチじゃ──」
  人通りの少ない路地に連れ込まれた。
神谷 ジン(人通りの少ない路地に連れ込まれた?)
黒輝 アカリ「えい!」
  そして後ろから抱きしめられる。
神谷 ジン「黒木さん!? 何して・・・!」
黒輝 アカリ「そのままじっとしてて」
  マドンナからのバックハグ。
神谷 ジン(ぐ・・・ぐるじぃ・・・・・・)
  いや、悪魔からの羽交い締めか。
  ベキベキベキ!!!
神谷 ジン「え、浮いて・・・!?」
クロキ アカリ「よーし! 行っくよー!」
神谷 ジン「これ、俺飛んで・・・!!」
  そして悪魔からのお礼(自宅までの空の旅)を、俺は身をもって堪能したのだった・・・

〇通学路
  翌朝
黒輝 アカリ「おはようジンくん!」
神谷 ジン「あぁ・・・おはよう黒輝さん・・・」
黒輝 アカリ「ジンくん、顔色悪いよ? 体調悪いの?」
神谷 ジン「黒輝さん・・・これ・・・」
  俺はスマホの画面を黒輝さんに見せる。
黒輝 アカリ「ネットニュース?」
  〖怪奇! 夕暮れの空を飛ぶ謎の飛行物体!〗
黒輝 アカリ「・・・・・・あ」

コメント

  • あれ、おかしいな。ヒロインが悪魔の姿の時も可愛く見えてきた気が、錯覚🤔? 主人公自身や、周りの乗りとツッコミが面白かったです👍

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