エピソード3 「お昼のお楽しみ!」前編(脚本)
〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「やっと昼休み~」
東条 風(とうじょう ふう)「あー、やっと園と喋れる~!」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・めちゃくちゃ緊張してきた」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「今、どういう感情?」
東条 風(とうじょう ふう)「緊張と、興奮の狭間です・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「なんか、大変そう・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「まだ、園と喋るのは緊張するの?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、ドキドキする・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「でも、楽しいんでしょ?」
東条 風(とうじょう ふう)「あっ・・・・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、楽しい!!」
東条 風(とうじょう ふう)「園とご飯、楽しみぃぃぃぃいいいい!!!!!!!!」
西條 園(さいじょう その)「来たよ~」
北原 そら(きたはら そら)「やぁ」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、そ、園っ!」
西條 園(さいじょう その)「風、今日は何を叫んでたの?」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、いや、その、園じゃなくて、えっと・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「園とのご飯、楽しみだって」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、香!」
西條 園(さいじょう その)「え、嬉しい・・・」
西條 園(さいじょう その)「じゃあ、風、一緒に食べよ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、うん!」
西條 園(さいじょう その)「今日は、風はお弁当?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、今日は忘れてこなかった!」
西條 園(さいじょう その)「良かった! 部活用のお弁当もあるの?」
東条 風(とうじょう ふう)「さすがにお母さんに申し訳ないから、サンドイッチ買ったかな」
西條 園(さいじょう その)「そうなんだ、美味しそう!」
東条 風(とうじょう ふう)「園も、お弁当?」
西條 園(さいじょう その)「うん!」
東条 風(とうじょう ふう)「園のお弁当って可愛いイメージ!」
西條 園(さいじょう その)「そこそこだよ~。 頑張ってはいるけどね!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あれ? なんか私、フェードアウトしてる?」
北原 そら(きたはら そら)「安心したまえ、私は二文字しか話してない」
〇教室
西條 園(さいじょう その)「美味し~い!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「園、これ自分で作ったの? 凄いね!」
西條 園(さいじょう その)「うん、頑張ってるんだ~!」
西條 園(さいじょう その)「香ちゃんも、手づくりなの?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「まぁね。 ちょっと野菜少なくて反省だけど」
西條 園(さいじょう その)「えら~い!」
東条 風(とうじょう ふう)「二人とも、すごい・・・。 私なんて、いつも作ってもらって」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風は、部活を頑張ってるわけだし、 仕方ないんじゃない?」
西條 園(さいじょう その)「うん、全然大丈夫! 私も好きでやってるだけだし!」
西條 園(さいじょう その)「それに、そらはいっつも菓子パンだし!」
北原 そら(きたはら そら)「なに見てるんだい」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そら、栄養バランス大丈夫? 良かったら、サラダとか分けて・・・」
北原 そら(きたはら そら)「まずい、余計なスイッチを入れてしまった」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ほら、あーんってしてあげる?」
北原 そら(きたはら そら)「そ、そこまでするのか!」
西條 園(さいじょう その)「えっと、話、変えよ! 風にちょっと、聞いてもいい?」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、何?」
西條 園(さいじょう その)「好きなタイプはどんな子ですか!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「いきなりの直球質問っ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「えと、あ、えと・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「お弁当とか作ってくれる、人っ!?」
西條 園(さいじょう その)「あっ・・・」
西條 園(さいじょう その)「私、お弁当、作れるよー!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、うん、尊敬しちゃう!」
北原 そら(きたはら そら)「香も弁当は作ってるわけだが」
西條 園(さいじょう その)「あ、そうじゃん・・・」
西條 園(さいじょう その)「香ちゃんは、そうかぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「万が一の時は、香ちゃんを〇〇して・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「わ、私に矛先がっ!?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私は、ただの友達だからっ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「?」
〇教室
北原 そら(きたはら そら)「そういえば、風と香はいつからの仲?」
西條 園(さいじょう その)「あ、それは私も気になってたかも!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、えと、同じ中学じゃなくて・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私達はね、学校は違ったんだけど、同じテニスクラブに入ってたんだよね」
西條 園(さいじょう その)「あ、そうなんだ!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「小学校の時から仲良かったけど、同じクラスになったのは今回が初めて。 ね、風!」
東条 風(とうじょう ふう)「あ、うん!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風は小学校の時からおっちょこちょいでさ~」
東条 風(とうじょう ふう)「ちょっ、香!」
西條 園(さいじょう その)「え、なんか可愛い~!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そう、そこが風の可愛いところでさ~」
東条 風(とうじょう ふう)「もう、そう言って香は私に世話焼きばっかりで、もぅ・・・」
北原 そら(きたはら そら)「焼き過ぎて、世話焦がし」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それ、中学校の時にも言われた」
北原 そら(きたはら そら)「既出か・・・」
西條 園(さいじょう その)「ふぅん、香ちゃんは、そっかぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「小学生の時から友達で、いつもお世話してて・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「そ、園、ただの友達だから!! そうだよね、風!!」
東条 風(とうじょう ふう)「うん! 一番、仲良い友達!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ちょっ、風!?」
西條 園(さいじょう その)「・・・・・・」
西條 園(さいじょう その)「・・・大丈夫、かな」
西條 園(さいじょう その)「うん、そうなんだ、仲良いんだね!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「なんの計算してたの!?」
東条 風(とうじょう ふう)「香、なんか焦ってる?」
後編に続く
園さんの、あざとさを超えた黒い思考が見え隠れして、楽しさと恐ろしさのグラデーションですねww 矛先を向けられた香さん、ご愁傷様…