〇豪華なリビングダイニング
ような「わしは、サンタだ。 サンタに見えないのはしかたない。 女子高生とぶつかって、入れ替わってしまったせいじゃ」
ような「年明けには自分の身体にもどる事が出来そうだ。入れ替わり専門家に聞いたので、そこは安心しとる。心配なのはクリスマスだ」
ような「子供たちにプレゼントを配る仕事、これについては大丈夫じゃろう。 今どきの女子高生は、頼もしい」
ような「心配なのはわしじゃ。 明日のクリスマスに映画のオーディションがあるみたいで、それに絶対出てほしいとのこと」
ような「オーディションで、気をつけて欲しいことは後でまとめてメールで送ってくれるらしい。 明日に備えて今日は寝よう」

〇オーディション会場
プロデューサー「今日はオーディションに参加頂き、ありがとうございます。 それでは早速はじめたいと思います。自己紹介をお願いいたします」
ような「愛川ようなと申します。よろしくお願いいたします！！️」
プロデューサー「凄い思いきった服装だね！ いつも着てるの？」
ような（メールに『白くてお嬢様で優等生だけど逆に清楚狙ってませんよみたいなノリの私に似合いそうなのを着ていって』とあったから！）
ような「いつもというわけではないのですが、一番自分に似合ったので、着てきました。うしろのファスナーがうまく止められませんでした」
プロデューサー「そ、そうなの。ちゃんと服着た方がいいよ。 では、自分の特技を教えてください」
ような「特技は、ウインタースポーツです」
プロデューサー「スキーやスケートかな？」
ような「ソリです！」
プロデューサー「君はサンタかな？」
ような「はい！」
ような（まずい。メールで、『素直な受け答えは好印象だから、嘘のなかに少しの本当は混ぜていいよ』とあったが、素直すぎてしまった！）
ような「冗談です！ すみません。サンタではないです。でもソリが特技なのは本当です。トのつく生き物がひっぱってくれます！」
プロデューサー「やっぱり、 サンタじゃん。 まあ、いいや。では、尊敬する人物を教えてください」
ような「花咲か爺さんです！」
プロデューサー「は、はなさか、じいさん!? な、なんで？」
ような「やはり、上からものを投げるところと爺さんなところに、シンパシーを感じます。あと、架空の人物に思われがちなところも」
プロデューサー「架空じゃん。 君、ふざけてる？ 最後に、いきごみをどうぞ」
ような（『ありきたりな受け答えじゃなくて個性も出して』という言葉になるべく添いたいんじゃが、上手くいかんな。ここで決めなければ！）
ような「空をも飛ぶ覚悟でがんばらせて頂きます！ 徹夜は慣れてます！高所も得意で、猛吹雪にも強いのです！」
プロデューサー「それはいいね。撮影は過酷だからね」
ような「はい！ どんな時もカメラを離しません！」
プロデューサー「君は撮られるほうだよ。いったいなんのオーディションだと思ってるの？」
ような「映画のオーディションですよね。カメラマンだと思ってました！」
プロデューサー「んなわけあるかーい！ 映画の内容は極秘だったけど、カメラマンなはずないわ！」
ような「すみません！ でもどちらにしてもやる気はあります！ どうぞ、よろしくお願いいたします！」
プロデューサー「じゃあ、さようなら。 なんかよぼよぼしてるから、気を付けて帰ってね・・・・・・」

〇裁きの門
「光の扉は現れた！」
ような「我の指差す道につづけーーーーーー！」
　　カット!!!
プロデューサー「よかったよー！ 迫力あるねー！ さすがようなちゃん！」
ような「本当ですか？ まだ信じられません。 まさか、私がオーディションにうかるなんて」
プロデューサー「いや、あのあと、色んなひとと話し合って、 ようなちゃんしかいないってなって」
プロデューサー「女子高生の身体にのりうつった300歳の教祖の役はようなちゃんしか出来ないよ」
ような「嬉しいです。年明けには地元に帰る予定だったんですが、マネージャーがこのままでって」
プロデューサー「あ、あのノリのいいマネージャーさんか」
ような「そうなんですよ。 私より中身は若いんです。 マネージャーさーん！ 白湯くださーい！」
さんた「はあい、はい！はい！ 白湯ね！OK！ ようなちゃん、かわちいよ！」
さんた「でももどったときのことも考えて、お肌やボディのケアよろしくね！ トナカイのことは私にまかせてね、もうマブだから！」
　　オワリ