読切(脚本)
〇白
よう、おまいら。元気か?
漏れは元気だ。
あ、未成年はここで帰って良し。
漏れは、大人な会話がしたいんだ。
さて、おまいらも法律の定める成人年齢をすぎて、立派な大人となったわけだが。
ねえ、今どんな気持ち?
今どんな気持ち?
おまいら、子供の頃の夢は叶ったか?
つーかおまいら、子供のころの夢は覚えてるか。
・・・・・・覚えてないって?
よし、今すぐ卒アル開いてこい!
卒アル、実家にあるから開けない?
実家に電話しろ、今すぐに。
久々に両親とも話せて、一石二鳥だろ!
はい、Y○uTube止めて。
メントスコーラ見るの後でいいから。
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で、おまいらの手元には今、卒アルがあるわけだが。
そこに、おまいらの子供のころの夢が書いてないか?
少し時間をやるから探してみな。
(NowLoading...)
ぬるぽ
ガッ
(NowLoading...)
見つけたか? なんて書いてある?
音読して。ちゃんと声出すんだぞ。
・・・・・・なるほど。
それが、おまいらの夢だったんだな。
その夢が叶っているそこのおまいには、もう用はない。逝ってよし。
いい夢見ろよ。あばよ!
で、残ったおまいら。
その夢、どうするんだ?
夢を、夢のままで終わらせる気か?
ああ、言いたいことはわかる。
大人になって、仕事を始めて、お金も時間もなくなったんだろ。
言いたいことはわかる。
でも、一つ考えてみて欲しい。
おまいらのその夢は、そんなにお金も時間も必要なのか?
確かに、昔は時間もお金もかかったことかもしれない。
だが、現代の日本はどうだ。
サバンナで本を出そうと思ったら、ライオンに食われないように気を付けながら一枚一枚手書きが必須だ。
ひと昔前に本を出そうと思ったら、自分で絵を描いて印刷所に電話して自費出版が必須だ。
でも、今は違う。
絵なんて、フリー素材を使えばタダだ。
安価に絵を描いてくれるフリーのイラストレーターさんもいる。
出版なんて、Kin○le出版を使えばタダだ。
紙での出版も昔よりずっとずっと安価だ。
さて、もう一度聞くぞ。
おまいらのその夢は、そんなにお金も時間も必要なのか?
少なくとも、子供の頃と大人になった今では、環境が違う。
もし、もしだ。
もしおまいらが、まだ夢を諦めたくないとほんの少しでも思うなら、もう一度夢を目指してみても遅くはないんじゃないだろうか。
世界は、意外と自由だ。
部屋に籠り続けていた漏れも、それに気づいたのは、最近だけどな。
漏れの言いたいことはそれだけだ。
見知らぬ漏れの言葉を、こんなに長く聞いてくれてありがとうな。
じゃあ、またな。
漏れは今から、刺身の上にタンポポを乗せるバイトをしてくる。
Flash黄金期など、一緒に昔を楽しんだ仲間たちが大人になり、昔時間を共有した見ず知らずの人達とはしゃいだり。
思い出補正なのかもしれませんが、時間が経つにつれ、あの時は楽しかったなぁと感じます。
大人になるにつれて、夢に向かうことより日々の事に集中してしまいがちですね。確かに、小さい頃に夢見ていたことが、今後の自分を形成する上で役立つ事ってあるかもと思わせてもらいました。
たしかに、子どもの頃の夢ってもしかしたら今なら叶えられることもあるのかも、となんだか希望が見えました。
やらないであきらめるよりも、どうしたらやれるのかって考えるのが大事ですね。