エピソード3 全ての権力を神殿に!内ゲバはもう止めようね。う(脚本)
〇荒野の城壁
『帝政末期。金山の枯渇により貨幣経済は破綻へと向かう。更に領土を肥え太らせるたび、前線は数倍に拡大してしまった。』
『前線を支える兵站は年々細長くなり、大昔の城壁は敵の跳梁を助けるばかり。内外の住民はインフラ整備に駆り出され死んだ。』
神官 エレクトラー「さらば帝国!私が拠って立つ場所は滅びるだろう。ならば私が代って立つのみ! 天に二つと日無くば、私が全天唯一の太陽だ!」
神官 エレクトラー「助けてあげようオルトラン。 立場崩壊状態君。 世界の半分を貴様に投げてくれてやろう!」
オルトラン・オットッテー「止めてください。僕はマトモですよ。 第一!陛下直属の勇士隊隊長ですよ。 神殿の出る幕は無いはず!」
おっさんさん1「隊長殿。時代は変わったのです。 現在、治天の君は最高神祇官を兼ねてはおりませぬ。元老院令改正第三号をご存知ないとでも?」
オルトラン・オットッテー「貴方こそ陛下を蔑ろにされるのか! 更に公務中の僕には不逮捕特権証が・・・てん?」
オルトラン・オットッテー「(無い-!!!特権証が!なぜ??ならせめて隊員手帳を。な、無い・・。命令書は・・ まだ受領していない。)」
おっさんさん1「いかがされましたか?公式文書でなければ 困りますよ。それとも営所まで逝きますか? 装備の不許可貸し借りは当然重罪ですよ?」
オルトラン・オットッテー「(古道具屋は ー 逃げた!終わった。僕の人生終了だ。シューリョーだあ!) うぐっ?! (心臓が、痛い。)」
おっさんさん1「体調不良ですか。では益々ホスピタル騎士団へとご案内しなくてはなりませんな。 それ、お連れして「色々」調べて差し上げよ!」
神官 エレクトラー「その最高神祇官代理がワシだが。 何か不都合でも起こったかえ?」
おっさんさん1「かくかくしかじかでして、勇士隊隊長を名乗る不届き者を連行&お調べ致したく、」
神官 エレクトラー「ではこの一件、ワシが預かろう。 良かろうな?神聖隊隊士殿。 今更例の騎士団に借りを作るは、貴様も本望では無かろうて。な?」
おっさんさん1「し、しかしエレクトラー様。この者は危険です。呪われております!御身に何かありますれば、」
神官 エレクトラー「この程度、呪いの内に入らんわ。 ワシの女神様より授かりし権能に何か意見があるのか?控えよ!不敬であるぞ」
神官 エレクトラー「陛下におかれては確かに最高神祇官を兼ねてはおられない。 しかしながらこのエレクトラー」
神官 エレクトラー「卑賤の身ながら最高神祇官様のお側にて微力を尽くす者。これがその証たる神殿聖旨なるぞ!話を聞こうか?」
おっさんさん1「(同じ管轄内ならば上位者の権力は絶対。 将に対する事さえ能わずか。俗化が進む皇帝権力の更なる弱体化を図りたかったが。)」
おっさんさん1「滅相も御座いません。エレクトラー様。 全ては女神様の思し召し。今回はこちらの一件、全てを女神様に」
神官 エレクトラー「全ては女神様の御為に! 来い、オルトランよ」
オルトラン・オットッテー「女神様万歳万歳万々歳! (助かっては・・無いなこれは。)」
おっさんさん1「エレクトラー。単なるバビロンのイナゴか或いは・・」
ようやく危機を脱したオルトラン。
しかし、化け物には化け物を、危機には更なる危機をぶつけ合うのが乱世の常か?
権力を!踏まれて死ぬか?死は例外無く敗北だが、救いは求めるとは。破滅か内乱か?カエサルもグエナ・ポンペイウスも今や無し!
神官 エレクトラー「(全権力を神殿へ! 神殿を教会へ! 岩の上に栄えあれ!)」
神官 エレクトラー「(お前は重み苦しむか?油を投げ棄て逃げ出すか?ならば死ね。女神様が全天唯一の真実在では無い。動因の最初でも無い。)」
神官 エレクトラー「この私がそう作り直すのだ! 素晴らしい偶像に。 (先ずは概念化を、次に女神様は降りて来られる。信仰は心霊上の信実だ。)」