過去編第4話『学園祭』(脚本)
〇文化祭をしている学校
三好優弥「何で高校の学園祭なんて 来ないと行けないんだ」
天宮詩乃「え、ゆーや知らないの?」
天宮詩乃「この学園って 色々なオカルト話の宝庫なんだよ」
三好優弥「さすが、オカルト好き」
天宮詩乃「そして、今回は特別企画で 旧校舎をお化け屋敷にして 肝試しが出来るんだって」
三好優弥「楽しそうだな」
天宮詩乃「でしょ?」
天宮詩乃「絶対喜ぶと思ったから連れてきた」
学校関係者「そこのお二人さん」
天宮詩乃「おお」
学校関係者「どうやら、肝試しに 関心があるようだね」
天宮詩乃「はい!」
学校関係者「では、この私がお二人に 七不思議スタンプラリーの ご案内をさせてもらおう」
天宮詩乃「おお! 本格的!」
学校関係者「賞品の都合上、人数限定の レアイベントにしてしまったから 参加者が少なくて困ってたんだ」
三好優弥「本末転倒だな」
学校関係者「君らが参加してくれるだけ ありがたい」
学校関係者「では、話しを戻そう」
学校関係者「まず、恋翔学園には 七不思議が存在すると言われている」
天宮詩乃「うんうん!」
三好優弥「高校に七不思議、、」
学校関係者「それぞれの不思議ミッションを クリアするとスタンプが与えられ 全ての謎を解いた暁には 豪華景品が与えられるのだ!」
天宮詩乃「楽しそう!」
学校関係者「学園中に、その七不思議は 散りばめられている」
学校関係者「与えられたヒントを頼りに ミッションをクリアしてくれたまえ」
天宮詩乃「はーい!」
学校関係者「では、まず七不思議について 説明しよう!」
学校関係者「一つ目の七不思議は 『彷徨う女』」
学校関係者「数十年前、暴漢に襲われ 旧校舎に逃げ込んだ女性が 不運にも頭から階段を滑り落ち 亡くなってしまった」
学校関係者「それ以来、この話を聞いた者の前に その女が現れると言われている」
学校関係者「ちなみに、この旧校舎のある場所で その話をすると、、」
天宮詩乃「わあ、凄い親切!」
学校関係者「いかんな、この調子だと ヒントを全て与えてしまいそうだ」
学校関係者「この学園マップとスタンプラリー用紙を 与えるから楽しんでくれたまえ」
三好優弥「どうも!」
天宮詩乃「ありがとう!」
学校関係者「今日中に回れなくても 明日まで有効だ」
学校関係者「では、健闘を祈る」
天宮詩乃「じゃあ、さっそくやってみよう!」
三好優弥「ああ」
〇学校のプール
三好優弥「屋外プールの蛾男 ネーミングが変態すぎる」
天宮詩乃「生徒の入ったプールの水を啜ってそう」
三好優弥「ここでは何するんだ?」
天宮詩乃「えっと、蛾男の鱗粉をたどっていくと」
天宮詩乃「隠れている蛾男に出逢えるらしい」
三好優弥「もしかして、あれか?」
天宮詩乃「早速、い、、、た?」
蛾男?「あ、どうも」
天宮詩乃「蛾男、、、?」
蛾男?「人が全然来ないので 自分から来ました」
三好優弥「仕事熱心なのか怠惰なのか どっちなんだ」
蛾男?「鱗粉いかがっすか?」
三好優弥「鱗粉配ってるのか」
蛾男?「幸せなターンな味がする鱗粉です」
天宮詩乃「思わずお煎餅に塗りたくなりそう」
蛾男?「とにかく、蛾男を発見できたので クリアです」
三好優弥「でも、蛾男ってイメージじゃないな」
蛾男?「蛾男のビジュアルが 一般向け的にアウトだったので このデザインになりました」
蛾男?「子供たちにトラウマを 植え付けるだけなので」
天宮詩乃「見たかった!」
蛾男?「そのせいで 蛾男だと気づいてもらえなくて 暇なんです」
天宮詩乃「本末転倒だね」
蛾男?「とりあえず、スタンプどうぞ」
天宮詩乃「ありがとう!」
三好優弥「あっさり過ぎたな」
〇グラウンドの水飲み場
天宮詩乃「えっと、次は何をしようかな」
天宮詩乃「旧校舎は最後に取っておきたいかな」
天宮詩乃「伝説の告白場は ヒントを着ぐるみの人に聞けって書いてある」
学園祭係「そこのお二人さん」
学園祭係「もしや、七不思議スタンプラリーの人かい?」
天宮詩乃「そうでーす!」
天宮詩乃「まさかの向こうから来るなんて」
学園祭係「じゃあ、七不思議の一つの 伝説の告白場に挑戦してみない?」
天宮詩乃「どんな内容なんです」
学園祭係「この学園のどこかにある場所で カップルが告白すると永遠に結ばれる」
天宮詩乃「おお!」
学園祭係「他にもその告白場で願い事を告白すれば 成就すると言われているんだ」
学園祭係「もちろん、恋愛の告白だけじゃなく 達成したい目標でも構わないし 過去の過ちの告白でも大丈夫だよ」
三好優弥「過去の過ちの告白はどうなるの?」
学園祭係「過ちを許されるかな」
学園祭係「とりあえず自分たちの都合のいいように 考えてもらっていいよ」
学園祭係「人前で声に出すのは恥ずかしいだろうから 匿名で告白の内容を書いてもらって 箱に入れてもらってる」
学園祭係「あ、ちなみに、好きな人に 告白してもらっても大丈夫だよ!」
学園祭係「その場合は写真とか記念品を贈呈してるよ」
学園祭係「ちなみに、お二人さんは カップルかい?」
三好優弥「違う」
天宮詩乃「え、違うの!?」
三好優弥「違うだろ!」
学園祭係「なるほど、微笑ましいね 仲良いのは確かなようだね」
学園祭係「そういう人たちには こういうのもあるよ」
学園祭係「タイムレター」
三好優弥「タイムレター?」
学園祭係「そそ 未来の自分に手紙を書いてもらって それを数年後に開けてもらうの」
天宮詩乃「それ面白そう」
学園祭係「ちなみに学外の人は 次回以降の学園祭でしか出せないから 忘れないできてね!」
天宮詩乃「私たち、恋翔学園受験するつもりです!」
三好優弥「俺は高校行かないつもり、、」
天宮詩乃「だめ、ゆーやも受けるのっていうか 絶対入学するの!」
三好優弥「俺、頭悪いんだけど」
学園祭係「そうなんだ! じゃあ、入学後の自分に手紙を 書いてみたらどうかな?」
天宮詩乃「いいですね!」
学園祭係「じゃあ、レターどうぞ!」
学園祭係「明日まで大丈夫だから じっくり書いてきてね!」
学園祭係「出来たら係の人に渡してね!」
天宮詩乃「はーい!」
三好優弥「で、その伝説の告白場ってどこなの?」
学園祭係「ヒントは天使の腰掛け」
学園祭係「学園は広いけど天使がヒントだよ」
学園祭係「さーて、天使に近いところといえば・・・?」
学園祭係「そこに係員と手紙の箱があるから」
天宮詩乃「ええ、天使の腰掛けとか可愛い名前」
学園祭係「まあ、適当に名付けただけだけどね」
学園祭係「じゃあ、参加ということで スタンプあげちゃう!」
学園祭係「ホントはレターを 係員に渡したときだけど 特別だよ」
天宮詩乃「ありがとう!」
〇華やかな裏庭
天宮詩乃「さすがに疲れっちゃった」
三好優弥「あのあと連続で二つクリアしたからな」
天宮詩乃「うん! どれも楽しかった!」
天宮詩乃「理事長の肖像画神経衰弱は笑ったけど」
三好優弥「あとは旧校舎だけか」
天宮詩乃「明日の楽しみに取っておこう」
三好優弥「そうか、じゃあ帰るか」
天宮詩乃「水葉と双葉が待ってるからね」
天宮詩乃「夕飯の支度しないと」
三好優弥「頑張れよ」
天宮詩乃「もちろん、ゆーやも手伝うんだよ!」
〇おしゃれなキッチン
天宮詩乃「今日はカレーにしまーす」
天宮詩乃「ゆーやは にんにくとしょうがを擦ってね」
天宮詩乃「あとはたまねぎのみじん切り」
三好優弥「りょ」
三好双葉「お姉ちゃん、お兄ちゃん 何か手伝うことある?」
天宮詩乃「じゃあ双葉には サラダを盛り付けてもらおうかな」
三好双葉「はーい!」
三好優弥「水葉は?」
三好双葉「リビングでゲームしてる」
三好優弥「あいつも料理覚えればいいのに」
三好双葉「包丁持たれて怪我される方が困るよ」
三好優弥「確かに」
天宮詩乃「水葉は食べる専門だからね」
天宮詩乃「美味しく食べてもらえるだけで 充分だよ」
三好双葉「うん!」
〇男の子の一人部屋
三好優弥「詩乃が本当は死んだ家族に 会いたいって気づいてるんだ」
三好優弥「こっくりさんしたり 心霊スポット行ったり」
三好優弥「少しでも可能性があるなら 両親に会いたかったんだよな」
三好優弥「あいつがすこしでも それで満足できるなら俺は何だってする」
三好優弥「俺は誰から嫌われたっていい あいつさえ笑顔でいてくれたら」
三好優弥「詩乃がずっと天使みたいに 笑顔でいてくれたらいいんだ」
三好優弥「例え、『路上の悪魔』って言われてもな」