勉強なんかしたくないんです!(脚本)
〇華やかな裏庭
サイネリア「ふーんふふーん♪」
サイネリア「ふふーんふん♪」
ギャラクシー「サイネリア様、随分とご機嫌ですね?」
サイネリア「あら!ギャラクシーじゃないの!」
ギャラクシー「なにか良いことでもありましたか?」
サイネリア「これを見て!」
メロエル城、サイネリア様。
この度は、薬草やその他の商品の
納品を助けていただき、
ありがとうございます。
道具屋のアーノルドでございます。
まさか、あなた様が王女様だったとは
驚きました。
恐らく事情がおありでしょうし、
アンにはこのことは話してませんので
どうぞご安心下さい。
お陰様であれから商売は
とても順調です。
感謝してもしきれません。
今後、何か困ったことがあれば
いつでもお立ち寄りください。
あなた様は命の恩人です。
メロエル城下町 道具屋
アーノルドより
サイネリア「こんなお手紙もらっちゃった!」
ギャラクシー「なるほど、先日の道具屋の件ですね。 商売が上手くいったのならよかった」
サイネリア「・・・まあ、この手紙のおかげで、 お父様に怒られたんですけどね・・・」
ギャラクシー「あぁ・・・それは、まあ、 バレてしまいますよね」
サイネリア「あーん、この後、勉強時間なんだけど 時間延ばされちゃったよ・・・」
サイネリア「やるきでなーい、ギャラクシー なんとかしてよー」
ギャラクシー「サイネリア様は何故、そんなに 勉強がお嫌いなのですか? 魔法のセンスはおありなのに」
サイネリア「あっ、あー・・・ええと、うん。 ほら、じっとしていられないから!」
ギャラクシー「・・・そうですか?」
ギャラクシー(まあ、じっとしていられない、は よくわかる理由だけどな・・・ 何か違和感だな)
イチェルダ「サイネリア様、お勉強の時間ですよ」
サイネリア「い、イチェルダ先生・・・」
ギャラクシー「こんにちは、イチェルダさん。 良いお天気ですね」
イチェルダ「ああ、ギャラクシーさん。 こんにちは。 サイネリア様をお借りしていきますよ」
サイネリア「・・・(無言でギャラクシーを見る)」
ギャラクシー「サイネリア様、頑張って。 終わったらケーキを用意しますよ」
イチェルダ「何をこそこそとお話されてるの? さあ、いきますわよ」
サイネリア「はぁい・・・」
〇城の客室
イチェルダ「──それでは、教科書の18ページを ご覧下さい」
イチェルダ「魔法使用の際は、周りの人や物に 細心の注意を払い──」
イチェルダ「──無駄な力を使わずに、自然に 杖を振ることで──」
イチェルダ「──以上が、魔法を使う上での 非常に大事な・・・」
イチェルダ「──サイネリア様?」
イチェルダ「こら!! 起きなさい!!」
サイネリア「わわわわわ、ごめんなさいっ!」
イチェルダ「あなた、いつも勉強の時間は 居眠りか上の空ね・・・ 勉強がそんなにいやかしら?」
イチェルダ「あなたにはしっかり魔法学を 身につけてもらって、いずれは 隣国にお嫁に行くのですよ?」
サイネリア「は、はあ・・・」
イチェルダ「遊んでいたいのはとてもわかりますが 国益のためなのです。 ご理解の上、勉学に励んで いただかないと」
サイネリア「はい・・・・・・」
イチェルダ「──仕方ないですね。 休憩にしましょう」
サイネリア「ごめんなさい・・・」
〇城壁
サイネリア「・・・・・・」
サイネリア「あたし・・・ お嫁に行きたくないんだけどな」
ギャラクシー「嫁がれることになったら、 確かにさびしいですね・・・」
サイネリア「わっ、ギャラクシー・・・ あなた、どこにでも現れるわね」
ギャラクシー「姫のいるところなら、 いつでも参上しますよ?」
サイネリア「あ、あぁ、そう・・・ アタシに対してもそんな 生クリームみたいに甘いのね・・・」
ギャラクシー「女性はみんな優しくされるべき 存在ですからね♪」
サイネリア「・・・・・・」
ギャラクシー「・・・? どうかしましたか?」
サイネリア「ギャラクシー、今、あたしが 嫁いだらさびしいって、言った?」
ギャラクシー「ええ、言いましたよ。 冗談抜きに、今までお仕えしてきて 急に居なくなったらさびしいです」
サイネリア「そう、よね・・・」
サイネリア「それ・・・だけ?」
ギャラクシー「え?」
サイネリア「あたし、隣国の王子と 一応婚約してるじゃない?」
ギャラクシー「ああ・・・そのようですね。 あまり詳しくは聞いておりませんが」
サイネリア「隣国の王子ってさ・・・ すごいチャラ男らしいんだよね」
ギャラクシー「ちゃ、チャラ男!?」
サイネリア「なんかさ、王子様ってもっと・・・ 誠実な感じっていうか。 守ってくれるっていうか?」
サイネリア「そんな感じを期待してたから・・・」
サイネリア「勉強頑張った挙句に、そんな チャラ男の奥さんになるなんて 嫌だなーって・・・」
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