緊急事態な女(脚本)
〇アイボリー
時田早季「え?」
出社日という通知
時田早季「出社日、今日だっけ!?」
時田早季(しかも朝いちで来客・・・)
時田早季(となると、遅くとも5分前には会社に到着しないといけない)
時田早季(つまり、8時23分発の電車に乗らないと間に合わない)
8時02分13秒
時田早季(駅のホームまで、過去最短記録は8分)
時田早季(でも、エレベータ待ち1分、信号待ち1分、10分はみておかないと)
時田早季(となると、8時13分には家の外に出てないと間に合わない)
時田早季「ヘイ、サリー! 8時13分まで1分ごとに教えて!」
8時13分までですね。スタート
時田早季「荷物まとめ1分、着替え3分、髪のセット1分、メイクは何とか3分で済ませれば、バッファ3分!」
時田早季「まず荷物」
時田早季「ノートパソコンを鞄に入れる」
8時3分です
時田早季「ACアダプタをタップから抜いて鞄に入れる」
時田早季「モバイルルータも忘れずに」
時田早季「よし、完了」
時田早季「次に、靴下、靴下、今日はこれ」
時田早季「次、パンツは、今日は来客だから、これでっと」
8時4分です
時田早季「シャツはこれ、いや、こっち」
時田早季「あとはこのジャケット」
時田早季「そうだ、ハンカチ、ハンカチ」
8時5分です
時田早季「次に髪」
時田早季「んー、時間がないから後ろでまとめる、でよし」
時田早季「しまった。まだ歯みがきしてない!」
時田早季「フロスは今日は省略」
8時6分です
時田早季(いつもの倍速で手を動かす)
8時7分です
時田早季「歯磨きはこの辺でよし」
時田早季「コンタクトレンズは装着済み」
時田早季「次、時短メイク」
時田早季「顔は洗ってるし下地までは大丈夫」
時田早季(マスク付けることにして目元だけを重点的に、と)
8時8分です
時田早季「もう?」
時田早季「何で女は化粧が必要なのよ」
時田早季「ルッキズム、男女平等、LGBTQとかSDGSは違うか、まあとにかく何かと騒がれてるのに」
時田早季「なんで女は時間をかけなきゃいけないのかなー」
時田早季「あー、眉、眉がやばい」
8時9分です
時田早季「そもそもの話、庶民が化粧し始めたのって、日本だと江戸時代だっけ?」
時田早季「まったく余計な話よね」
時田早季「欧米でも貴族階級とかが始めたんだっけ」
時田早季「どこも経済が発展すると一般人に広がるのよねー」
時田早季「まあ、そのおかげで・・・」
8時10分です
時田早季「おっとー、バッファに入ったー」
時田早季「マスカラは時短、リップを軽く、と」
8時11分です
時田早季「やばいー」
8時12分です
時田早季「やばいやばい」
時田早季「これで、よし」
時田早季「ジャケット、鞄、鍵、財布、スマホ、よし」
8時13分です
時田早季「よし。行ける!」
時田早季「結構余裕ね」
この切羽詰まった感、すごくリアルですね。大急ぎでの仕度中なのに、ついついイライラして余計なことを考えてしまうのもありますよねー!
これは通勤したことがある女子全員が経験する緊急事態ですね。自分のことのようにハラハラしちゃいました。急いでいるのに余計なこと考えちゃうのもあるあるです。10分で支度した日も余裕で支度した日も、意外と周囲から見たら同じ仕上がりなんですよね(涙)。