エピソード3 むやみに拾ってはいけません(脚本)
〇個別オフィス
上司さん「拙いですね フィールドワーク調査 大失敗でしたよ」
部下ちゃん「そうですか? かなり収穫もあったと 思いますが」
上司さん「下着姿で森を走り回ることが 成果ですか?」
部下ちゃん「ハハハ お腹丸出しで バカ丸出しでしたね」
上司さん「笑い事じゃありません!」
部下ちゃん「まあこれを見て下さい」
上司さん「こ、これは!」
部下ちゃん「はい 山から拾ってきました 守信寺 幽(もりしんじ ゆう)さん です」
上司さん「うちじゃ飼えません返してきなさい」
部下ちゃん「犬じゃないんで そんな扱いしないでください!」
上司さん「化け物でしょうが!」
部下ちゃん「彼女はものすごく苦労したんですよ その話を聞いても 同じことが言えますか?」
上司さん「ちょっとまった なんで部下ちゃんが化け・・・ 彼女の身の上を知っているんですか?」
屍鬼「守信寺 幽です すべてをお話しします」
上司さん「しゃべったーー!」
部下ちゃん「黙ってきけよ!」
上司さん「あ、はい どうぞ」
屍鬼「私がその人と出会ったのは 3年前とある企業に入社した 春でした」
こうして上司さんは守信寺さんの
過去を聞くことになったのです
続く
上司さん「すいません 三行でまとめてもらえますか? トイレが近いんで」
幽さんは男に騙されて
お金を貢がされたあげく
井戸に落とされて殺されました
以上、三行です
上司さん「ありがとうございます」
部下ちゃん「酷い話ですね」
屍鬼「・・・(しゃべってないのですけど)」
上司さん「大変な身の上なのは分かりました しかし私の一存では・・・」
部下ちゃん「それなら大丈夫でーす」
上司さん「だから人を雇うというのは そんな簡単なものじゃあ無いんです」
部下ちゃん「稟議(りんぎ)はもう通ってまーす」
上司さん「えっ! どうやって?」
部下ちゃん「はい、これ」
「業務処理補助用の人工知能を一台
購入の承認を願います。対価¥0」
上司さん「これは購買用の稟議(りんぎ)書でしょ!」
部下ちゃん「死体は「物体」ですから おまけに購入費¥0 破格です」
屍鬼「上司さん 私は「物体」なんでしょうか?」
上司さん「ええ、その 何というか・・・」
上司さん「つまり 言いづらいですが・・・」
部下ちゃん「それより守信寺ちゃん 施設を案内するから ついてきてね」
部下ちゃん「ローラーダッシュ!」
屍鬼「置いて行かないでくださーい」
上司さん「待ちなさい! おーい!」
上司さん「走り去ってしまいましたね どうしよう?」
上司さんは思いました
「定年退職まで後5年
今からでも転職できないだろうか?」
おしまい
まさかの幽霊ちゃんが再登場!さくっと一話短編でも長編でも読めて面白いです
それにしてもひろってきちゃいましたか
くまったくまったですね
無事(!?)帰還の2人、平穏な日常に戻ると思いきや……上司さんの扱われ方に涙ですね。屍鬼さん、物品購入稟議で処理ってww