現実逃避の精霊 

ぽんたろう

第7話『終わりゆく日々』(脚本)

現実逃避の精霊 

ぽんたろう

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〇古いアパートの部屋
和泉蓮「これで何社目だろう」
現実逃避の精霊「あれぇ」
現実逃避の精霊「元気ないね」
和泉蓮「そりゃあ、そうだろ」
和泉蓮「また落ちた」
現実逃避の精霊「大丈夫だよ!」
現実逃避の精霊「君ならできるよ」
現実逃避の精霊「ちょっと待ってて」
和泉蓮「あいつ、どこ行ったんだ?」
  それからしばらくすると
  現実逃避の精霊は戻ってきた
現実逃避の精霊「お酒とおつまみを たくさん買って来たよ」
現実逃避の精霊「今日はいっぱい飲んでいっぱい食べて ぐっすり寝よう?」
現実逃避の精霊「明日は何もないんでしょ?」
和泉蓮「ああ」
現実逃避の精霊「じゃあ、朝まで付き合うよ」
和泉蓮「やっぱ、俺コミュ障だし バイトとかサークルもやってなかったし」
和泉蓮「勉強も何も出来なかったし」
和泉蓮「なにもないんだ」
和泉蓮「何やってきたんだろ」
現実逃避の精霊「そんなことないよ」
現実逃避の精霊「君は3年間夢に向かって 毎年小説を投稿してきたじゃない」
現実逃避の精霊「それは凄いことだよ」
和泉蓮「でも、一次選考すら通らない」
和泉蓮「結果が出てない」
和泉蓮「面接でもそれを言ったら 苦い顔をされたよ」
現実逃避の精霊「でも、大学生で投稿なんて そんなもんじゃないかな」
現実逃避の精霊「結果がでたら良いけど でも少しずつでも 文章力とか発想力は 培われてきたんじゃないかな」
和泉蓮「・・・・・・」
現実逃避の精霊「私には分かるよ」
現実逃避の精霊「君の過ごしてきた3年間は 無駄じゃないって」
現実逃避の精霊「だから、少しずつでも成長できたって アピールすれば良いんじゃないかな」
和泉蓮「・・・・・・そうだな」
和泉蓮「もうちょっと頑張ってみるわ」
現実逃避の精霊「応援してるよ」
和泉蓮「なあ、お前はどうするんだ?」
現実逃避の精霊「何が?」
和泉蓮「将来」
現実逃避の精霊「現実逃避の精霊の将来は 秘密なのです」
現実逃避の精霊「親の金で生きる穀潰しなのです」
和泉蓮「俺と一緒じゃねえか」
現実逃避の精霊「はは、そうだね」
現実逃避の精霊「だから、何も心配することないよ 下には下がいるって思えばいいよ」
和泉蓮「笑えねえよ」

次のエピソード:第8話『さよならもなし』

コメント

  • おお、これは何と素晴らしい現実逃避!人間誰しも、現実だけでは生きていくのが辛く、理想だけではそもそも生きていけないですからね。2人がこの「辛い現実」にどう立ち向かっていくのか(いかないのか?)、すごく引き込まれます!

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