swap✘✘swap

ゆきんこ

第1話 許嫁と結婚は出来ません①(脚本)

swap✘✘swap

ゆきんこ

今すぐ読む

swap✘✘swap
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇空

〇大樹の下
葉月(小学生)「えーと、ええっと・・・」
葉月(小学生)「大事なことを流星に言いたかったのに」
葉月(小学生)「忘れちゃった・・・!!」
葉月(小学生)「もう、サヨナラなのに!」
葉月(小学生)「思い出せないよ〜」
流星(小学生)「葉月」
流星(小学生)「忘れたことは、忘れよう!」
流星(小学生)「ダイジョウブ。 オレたちは、いつかまた会えるさ」
流星(小学生)「約束だよ」

〇女の子の一人部屋
葉月(はづき)「懐かしい・・・夢」
葉月(はづき)「流星が引っ越して以来、一度も会っていないけど」
葉月(はづき)「今頃、何処にいるのかな?」
葉月(はづき)(馬鹿みたいにあの言葉を信じて、彼氏も作らず待っているんだよね)
葉月(はづき)「我ながら一途!」
葉月(はづき)「でもあの時、私は流星に何を伝えたかったんだっけ?」
葉月(はづき)「う〜ん」
ママ「葉月! 朝練の時間よ〜!!」
葉月(はづき)「ヤバッ!!」
葉月(はづき)「今行くよ~!」

〇屋敷の大広間
葉月(はづき)「押忍!」
葉月(はづき)「本日も宜しくお願いしまァス!」
豪快(ごうかい)「今日はお客様が来るから、鍛錬は中止だ」
葉月(はづき)「今まで何があっても、パパは鍛錬を止めたことがないのに!」
葉月(はづき)「一体、どんな偉い人が来るの?」
豪快(ごうかい)「喜ベ!!」
豪快(ごうかい)「オマエの許嫁だ!」
葉月(はづき)「いっ、許嫁〜!?」
葉月(はづき)「無理無理無理無理! 初めて聞いたし!!」
豪快(ごうかい)「初めて言ったからな!」
葉月(はづき)「見たことも聞いたことも無い人と結婚なんかできません!」
葉月(はづき)「私はまだ、高校生だよ!?」
豪快(ごうかい)「分かっておる」
豪快(ごうかい)「これは我が天変地異流の始祖から伝わる、古(いにしえ)の予言であり」
豪快(ごうかい)「人類存続を左右するお導きなのだ」
豪快(ごうかい)「我が天変地異流と分家である破天荒流の跡取りは、」
豪快(ごうかい)「100年に1度婚姻をすることになっておる」
豪快(ごうかい)「それにより、最強流派の看板を守ることができて・・・」
豪快(ごうかい)「世界平和と人民文化の発展と調和が・・・」
豪快(ごうかい)「ン?葉月〜??」
豪快(ごうかい)「居らんのかい!!」

〇通学路
流星(りゅうせい)「ハアッハアッ・・・」
隕石(いんせき)「待て待てェー!!」
隕石(いんせき)「今日はオマエの許嫁との顔合わせの日だと言ったであろー!!」
流星(りゅうせい)「だから逃げているんだよッ、 クソ親父!!」
隕石(いんせき)「霊長類最強最終兵器の名が泣くぞ!!」
流星(りゅうせい)「そんなアダ名で呼ばれるようになったのは・・・」
流星(りゅうせい)「親父のせいだろが──ッ!!」
隕石(いんせき)「クウッ! 破天荒流を極めただけあッて、やりよる・・・」
隕石(いんせき)「だが、これならどうだ!!」
隕石(いんせき)「チラ見するなど、腋が甘いわッ!」
流星(りゅうせい)「ウーン・・・」
隕石(いんせき)「確保! 先方を待たせるワケにはいかんのじゃ!」
隕石(いんせき)「世界の存亡に関わるからな!」
流星(りゅうせい)(チクショー許嫁だなんて)
流星(りゅうせい)(オレは・・・だ・・・)

〇通学路
豪快「待て葉月!この結婚に世界の存亡がかかっているんだー!!」
葉月(はづき)「大袈裟なんだから!」
葉月(はづき)「今どき親同士が決めた許嫁なんて、時代錯誤もイイとこでしょ!」
葉月(はづき)「今日は1日、図書館にでも行って時間潰そう」
葉月(はづき)(ちょ・・・何アレ!?)
葉月「屈強なイケオジが美少年を縄で縛りあげている!?」
葉月「イヤ~ン!この作品って18禁のBL小説だったかしら?」
葉月(はづき)(じゃなくて、めっちゃ不審者じゃない!?)
葉月(はづき)「スミマセン!!」
葉月(はづき)「そのコをどうする気ですか!?」
隕石(いんせき)「いきなり何かな?」
隕石(いんせき)「君にはカンケイ無い──」
流星(りゅうせい)「お願いです!助けて下さいッ!!」
隕石(いんせき)「馬鹿、オマエ!」
葉月(はづき)「やっぱり変態イケオジなのね! 白昼堂々と許せない!!」
葉月(はづき)「天変地異流・天誅!」
隕石(いんせき)「ギャンッ!!」
流星(りゅうせい)(木刀の一撃で親父を倒すなんて)
流星(りゅうせい)(不意打ちとはいえ、このコ強い!)
葉月(はづき)「今のうちよ!逃げましょう」
流星(りゅうせい)「う、うん!」
「・・・ウウム」
隕石(いんせき)「ふ、不覚・・・女子と思って油断した」
隕石(いんせき)「それにしても天変地異流だと・・・!?」
隕石(いんせき)「まさかあの娘・・・」

〇図書館
葉月(はづき)「ココなら隠れる場所もあるし、人も多いから安心だね!」
流星(りゅうせい)「オレのせいで」
流星(りゅうせい)「ゴメン!」
葉月(はづき)「イイの!」
葉月(はづき)「今日は私、最初から図書館に来るつもりだったの」
葉月(はづき)「それに突然、親から許嫁が居るなんて言われてムカついていたから、」
葉月(はづき)「ストレス発散になったわ」
流星(りゅうせい)「いい・・・なづけ?」
葉月(はづき)「あ、ゴメンね。 君には関係ないことなのに」
葉月(はづき)「君こそ一体どうしたの? 道端で拉致されそうになるなんて」
葉月(はづき)「あの男は知り合い?」
流星(りゅうせい)「・・・忘れた」
葉月(はづき)「イイよ。言いたくないなら聞かないわ」
葉月(はづき)「私ね、その『忘れる』を大事にしているのよ」
葉月(はづき)「昔、『忘れたことは忘れてイイよ』って知り合いのコに言われて」
葉月(はづき)「スゴく救われた気がしたんだよね」
葉月(はづき)「ウチは親が道場をやっていて厳しかったから」
葉月(はづき)「自分にも他人にも甘く出来なくて、友達が出来なかったんだ」
葉月(はづき)「でも、自分を許してイイって教えて貰えたことで」
葉月(はづき)「人生観が変わったんだよね」
葉月(はづき)「だから、忘れてもイイんだよ!」
葉月(はづき)「って誰かに言いたかったんだ!!」
流星(りゅうせい)「それって・・・。 もしかして君・・・」
葉月(はづき)「それが今思えば初恋だったのかなあ? なんて・・・!」
葉月(はづき)「だから、なおさら許嫁なんて無理なの!」
流星(りゅうせい)「・・・」
葉月(はづき)「あ! イイこと思いついちゃった!!」
葉月(はづき)「ねえ、君が困っているなら私の彼氏のフリしてくれない?」
葉月(はづき)「そうしたら私も許嫁を断れるし、君を家に匿ってあげられるかも!」
流星(りゅうせい)「それは・・・ウーン・・・どうかな」
葉月(はづき)「エ〜駄目なの?」
???「オイ、霊長類最強最終兵器!!」
執念(しゅうねん)「やっと見つけたわよ」
流星(りゅうせい)「オマエは・・・」
流星(りゅうせい)「誰だっけ?」
執念(しゅうねん)「無差別格闘技大会で、オマエに毎回敗け続けている執念だよ!」
流星(りゅうせい)「アッ!そういえば」
執念(しゅうねん)「勝ち逃げしたまま居なくなるなんて、許さないからね!」
「いざ、尋常に勝負!!」
葉月(はづき)「ちょ~っと待った!!」
葉月(はづき)「よく事情は分からないけど、公共施設で勝負を挑むなんて外道よ!」
葉月(はづき)「同じ格闘家として見逃せない!」
葉月(はづき)「そんなに勝負したかったら、私が相手になるわ!」
葉月(はづき)「表に出て!」
執念(しゅうねん)「フッ、威勢が良いお嬢様だな」
執念(しゅうねん)「相手がドブネズミだとしても、ライオンは本気で狩るという」
葉月(はづき)「ドブネズミなんて、失礼しちゃう!」
葉月(はづき)「私はどう見てもシマエナガちゃんよ!」
執念(しゅうねん)「敗れる者に、名など無い!」
執念(しゅうねん)「何ィッ!?」
葉月(はづき)「危なっ!」
葉月(はづき)「だ〜か〜ら、人の居ない場所でやろうって言っているのよ!」
執念(しゅうねん)「やるわね・・・流星以外に強い同年代が居たなんて」
執念(しゅうねん)「コ・ロ・ス・・・」
流星(りゅうせい)(オカシなことになってきたな・・・)
流星(りゅうせい)「悪いけど、もうムリ」
執念(しゅうねん)「ウ・・・」
流星(りゅうせい)「破天荒流・凪」
葉月(はづき)「音もなく、巨体の大男を倒した!」
葉月(はづき)「このコ、強すぎる・・・!」
???「さすが破天荒流の後継者!」
豪快(ごうかい)「確かな実力、しかと見せてもらった!」
隕石(いんせき)「まだまだ未熟者故に、荒削りですがね」
葉月(はづき)「パパ!?」
葉月(はづき)「そのイケオジはヤバイ性癖の犯罪者だよッ!?」
豪快(ごうかい)「バァッカモ──ン!」
豪快(ごうかい)「失礼なことを言う娘で申し訳ない!」
豪快(ごうかい)「コチラは破天荒流総帥、破天荒隕石さんだ」
隕石(いんせき)「幼い頃に会って以来だ。覚えていなくても仕方無い」
隕石(いんせき)「私を倒したあの技、良かったよ葉月ちゃん」
葉月(はづき)「破天荒のオジサマ!?」
葉月(はづき)「ということはこの男の子が・・・」
流星(りゅうせい)「・・・流星だよ。久しぶり」
流星(りゅうせい)「俺もさっき、葉月かもって気づいた」
葉月(はづき)「まさか、許嫁って流星のことだったの!?」
流星(りゅうせい)「そのことで、葉月にちゃんと話したいことがあるんだ」
隕石(いんせき)「流星、要らんコトを言うな!!」
流星(りゅうせい)「オレは」
流星(りゅうせい)「オレは、女なんだッ!!」
葉月(はづき)「へっ・・・」
流星「葉月──!!」

次のエピソード:第2話 許嫁と結婚は出来ません ②

コメント

  • えー!最後がびっくりで!女!?
    続きが気になりすぎます〜
    しかもそれで許嫁?パパたちどうゆうつもりなんでしょうか
    葉月、豪快、隕石、流星、執念

    ネーミングセンスがさいっっっこうですね!
    一発で覚えるし性格や今後の展開も示唆されてそうで...

    楽しみです!

  • ビビりでホラーはちょっと…なので、こっちを先に読むことにしました笑。
    許嫁は幼いときに別れた初恋の相手だった…的な王道ラブコメ! …思ったら、それだけではないんですね。しかもバトル編もあるという!? 予測不能でスピーディーな展開がとても楽しいです。

  • そら、倒れたくもなるわ…

コメントをもっと見る(9件)

ページTOPへ