遭遇(脚本)
〇開けた交差点
昼下がり・・・
欠伸が止まらない・・・
正午過ぎの朗らかさが要因の一つだがやはり・・・
真昼間にドカ食いをして血糖値が乱高下したのが影響であろうと思う・・・
正直なところ、自分でも何故あんなにドカ食いをしてしまったのか分からない・・・
牛丼の並盛を3杯・・・
それから牛丼のカレーを大盛りで頂いて、豚汁も付けた・・・
圧倒的な量だが・・・
やっぱ並盛りを3回頼むより特盛辺りを1回頼めば良かったかな・・・
でもそうしたらカレーは・・・
そんな事を考えていると車道の方から耳をつんざく音が聞こえた・・・
その時の私は瞬間的に幼少と変わらぬくらいに身を縮め、酷くおびえたような顔で辺りを見渡した・・・
身に降りかかる脅威を必死に探るように無意識化で指令を下した脳はもはやドカ食いからの眠気をもろともせずにしていた・・・
とみこ(あの車・・・)
見覚えがあった・・・
赤いフォルクスワーゲン・・・
それが私の隣に幅寄せするようにハザードランプをご丁寧に点灯させながら徐行していた・・・
まちこ「とみこ!」
運転席から中肉中背の中年女が脂ぎった声を上げている・・・
とみこ(困ったな・・・ あのドラム缶の関係者と思われちゃった・・・)
周囲にはビジネスマンやお年寄り・・・
そして私達と同世代であろう中年男女が行き交っていて、一様にこちらを見ている・・・
まちこ「とみこ!!無視してんじゃないわよ! 車の流れをぶった切ってまで寄せたアタシの身になりなさいっての!!」
とみこ「だったらぶった切らずにそのままスルーして頂いて良かったのに・・・」
思わず返しの言葉を口に出してしまった・・・
これで私は・・・
関係者認定だ・・・
まちこ「ほら乗りな!!今から出かけるのだけどアンタを見掛けることができて本当良かったわ!」
そして乗車しなければならないらしい・・・
ドラム缶輸送車に・・・
「まちこ!」と呼びに来た時、笑ってしまいましたw
展開が楽しみですw
「関係者認定」の絶望的な気持ち、よく分かります。街中でドラム缶=まちこに出会ったら最後、ドラム缶輸送車に乗る羽目になってしまうんですよね。で、このあと、車の行先もお話の行先も不明なんですが、どうなるのかな。