エピソード1(脚本)
〇水中トンネル
とある夢の中。
自分「ここは・・・?」
男のこ「お姉ちゃん、僕と一緒に探検しよう!」
自分「あ、そっか。 親戚の子と一緒に来てたんだ」
自分「うん、手を繋いで行こうね」
男のこ「うん!へへ、なんか照れるね」
自分「なんだか頭がふわふわするなあ。階段を下ってるのにちっともそんな感じしないや」
男のこ「かいだんぐるぐる!このさきになにがあるのかな?」
〇学校の体育館
自分「あれ?さっきまで水族館にいたはずなのに?」
男のこ「あ!お姉ちゃんの部活してたところだ!」
男のこ「バレーボール部だったもんね!」
自分「うん・・・下手くそだったけど・・・」
男のこ「ねぇ、2階のとこから見ようよ!」
自分「ギャラリーから見るのは好きだよ・・・行こう」
ガン、ガンと足音が鳴る。
階段は金属でできている。
自分「くらくらする・・・」
男のこ「わ、いろんな人がバレーボールしてるね!」
たむたむボールをつく重い音、きゅっと靴の擦れる軽い音が混ざっている。
自分「みんな真剣だね・・・」
男のこ「バレーボール、やりたい?」
突然音がやんだ。
自分「え・・・?」
男のこ「もっかいおりる?まざる?」
自分「どうして急にみんなこっちをみたの・・・?」
自分「いや・・・なんだか怖いからやめとく・・・」
男のこ「ふーん。そっか」
男のこ「じゃあ別のところに行こうか」
バレーボール部の子「・・・」
手を繋いで引っ張られるまま進む。
ずっと、ずっと、見られたまま。
〇大水槽の前
自分「なんだろう・・・なにか忘れてるような・・・」
男のこ「お姉ちゃん、どうしたの?げんきない?」
自分「あ、ううん!大丈夫!」
自分「お姉ちゃんだから、わたしがしっかりしないと!」
自分「階段のぼったりおりたりしたけど、足疲れてない?」
男のこ「あ・・・」
男のこ「えへ、ぜーんぜん!」
自分「おんぶしなくていいの?」
男のこ「え!いいの! やったー!」
自分「ふふ、喜んでる。まだまだ子どもだなぁ」
ひやりとしていた背中は、重くてあたたかい。
不思議と今、怖くなかった。
案内役の男のこが誰なのか、各場面は何を暗示しているのか、考えても仕方ないけど気になりますね。夢の話ってどれも、そこはかとなく怖い感じがするのはなんででしょうかね。無意識の壁を越えて深く降りていった底にあるものを見せられた気分になるからかなあ。
朝目覚める寸前に見る夢って、大抵現実的なことが結構混じっているんですが、きっと主人公の見た夢もそんな感じなのかなあと思いました。