第1話『うまくいかない現実逃避』(脚本)
〇古いアパートの部屋
この日、大学の試験が実施され
無事に初日を突破した和泉は
次の試験に向けて勉強を行っていた
和泉蓮「覚えることが多すぎる」
和泉蓮「もっと前から勉強しておけばよかった」
現実逃避の精霊「何してるの?」
和泉蓮「勉強してるんだよ!」
現実逃避の精霊「だから、今日はラノベも書かずに 六法全書と参考書を広げてるんだ」
和泉蓮「そうだよ、単位が欲しいんだよ」
現実逃避の精霊「そんなに単位が大事なの!?」
和泉蓮「ああ!大事だね! 再履修はもう勘弁なんだよ」
現実逃避の精霊「前みたいに社会に反抗的で どうせ何とかなるだろうっていう 楽天的な君が好きだったのに」
和泉蓮「昨日の夜に出逢ったような変態に そんなことを言われる筋合いはねえぞ!」
現実逃避の精霊「変態じゃなくて現実逃避の聖霊よ!」
現実逃避の精霊「いつもギリギリまで妄想に耽って 中二病全開の作品の執筆をしていた 君は輝いていたのに!」
現実逃避の精霊「まるで、現実逃避の日本代表のようだった」
和泉蓮「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
現実逃避の精霊「それはあなたがありもしない 将来の自分の作家像を描きながら」
現実逃避の精霊「いつかは声優と付き合うっていう 絶対不可能な妄想をしていて 思わず惚れちゃいそうになったよ」
和泉蓮「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
現実逃避の精霊「でも、今のあなたは 妄想すら忘れちゃってる!」
現実逃避の精霊「前みたいに退学上等で ありもしない未来を見つめてよ!」
和泉蓮「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
現実逃避の精霊「って聞いてる!?」
現実逃避の精霊「なに、本気で勉強しちゃってるの!?」
現実逃避の精霊「バカじゃないの!?」
和泉蓮「さっきから一人でうるせえんだよ!」
和泉蓮「民事訴訟法は覚えることが多いんだよ!」
現実逃避の精霊「神様、この真面目に現実を見ちゃってる ろくでなしをどうか元のクズ野郎に 戻してください」
和泉蓮「てめえ、美少女だから 置いといてやったけど さっさと出ていけ!」
現実逃避の精霊「いや! だって行く場所ないし!」
現実逃避の精霊「こんな現実逃避が好きな人間は 他にいないし!」
和泉蓮「不退去罪だ! 警察呼ぶぞ!」
現実逃避の精霊「いまさら、法学部の学生っぽいことを 言っても無理だからね!」
現実逃避の精霊「所詮、三流大学の学生でしょ!」
和泉蓮「お前、うちの大学の学生を すべて敵に回したからな!」
2教科のテストまで残り10時間
まだ彼は脳に何も刻んでいない
果たして、和泉はこの危機を乗り切り
単位を無事に取得することが出来るのだろうか
テスト前日、レポート提出期限前日になると突然真人間に戻る現象、懐かしいですね…(悲惨な体験を思い出しながら)
客観的かつ現実逃避の精霊さん視点だと、より一層ww