歌う女(脚本)
〇川沿いの公園
おばさん「あ、私のカバン!」
盗人「うへへへ、たんまり入ってそうな鞄だな おい」
「止まりなさい〜♪」
盗人「な、なんだ!?」
アゲハ「そこの盗人止まりなさ〜い♪」
盗人「んだよ、ガキじゃねーか ふざけてないでどけ! 怪我したいのか?」
アゲハ「そんなオモチャで脅しても〜♪」
アゲハ「無意味よ」
盗人「は!?」
アゲハ「マジカル〜マジカル〜 イグニッション♪」
盗人「な、なんだ!?」
アゲぴょん♪「マジカル♪トロピカル♪ アゲぴょんだぴょん♪」
盗人「な、なんか変な奴出た〜!」
アゲぴょん♪「変な奴じゃないよ〜♪ アゲぴょんだよ〜♪」
盗人「い、いや世界観についていけないんだが 俺もう帰るわ」
アゲぴょん♪「そうはさせない〜♪ アゲぴょんモブ〜♪」
アゲぴょんヲタク1「アゲぴょんに呼ばれたからには〜♪」
アゲぴょんヲタク2「いつでも駆けつける〜♪」
アゲぴょんヲタク1「我らアゲぴょん〜♪」
2人「親衛隊〜♪」
盗人「いや、ただのファンじゃねーか!」
アゲぴょん♪「さぁやっておしまい〜♪」
盗人「あ、痛い! 普通に痛い! 魔法でもなんでもないだろこれ!」
アゲぴょん♪「ありがとモブ達〜♪」
盗人「あ!」
アゲぴょん♪「鞄は見事〜取り返したわ〜♪」
盗人「ふ、普通にえげつねぇ女だな、お前・・・」
アゲぴょん♪「まだ息があったの〜?♪」
盗人「いやいや、ミュージカル調に言う台詞じゃねーだろそれ」
アゲぴょん♪「悪人の息の根は止めなきゃ〜♪」
アゲぴょん♪「アゲぴょんワンド〜♪」
盗人「な、なんだ!? また殴るのか?」
アゲぴょん♪「アゲぴょんファイア〜♪」
盗人「アチィ! 杖に何仕込んでんだ!」
アゲぴょん♪「仕込んでないよ〜♪ アゲぴょんの魔法だよ〜♪」
盗人「くぅ、なんなんだこのサイコ女」
アゲぴょん♪「もう悪さしないかこのクズ男〜♪」
盗人「いや、俺よりお前の方が絶対クズだろ」
アゲぴょん♪「は? もう一回アゲぴょんファイア喰らいたいのか? 社会不適合者」
盗人「ヒィ! もうしません! 絶対しませんから!」
アゲぴょん♪「やった〜♪ 今日もアゲぴょんの大勝利だぴょん♪」
アゲぴょん♪「さっきのおば様〜♪」
おばさん「ありがと〜アゲぴょん〜♪ 取り返してくれたのね〜♪」
アゲぴょん♪「礼には及ばないわおば様〜♪ 困ったらいつでも呼んでね〜♪」
ここはメロディシティ
可憐な少女が魔法で皆を守る少し不思議な街
盗人「な訳あるか! おい、サイコ女 自分に都合のいいナレー──」
「アゲぴょんファイヤ〜♪」
悪人も人の子ということで、想定外のシチュエーションに面食らってしまっている様子がよかったです。ありきたりな警察からの取締より効果大!?ですね。
アゲぴょんヲタクの人数とルックスが絶妙な具合にリアリティがあって嬉しいような悲しいような。言ってることが一番まともなのが犯罪者の盗人という不思議な街ですね。