エピソード25(脚本)
〇奇妙な屋台
店主「あらコンニチワ」
「こんにちはー!」
謎占い師「きょうは早いですね」
ミヅキ「もうテストも学校も終わって 春休みになるのー」
シヅキ「春休みは、 キラキラスターズのライブに行くって決まってるもんねー♡」
「ねー♡ 楽しみー♡」
店主「キラキラスターズって 最近流行りのアイドルグループよね? 男子三人組でしたっけ?」
ミヅキ「そうそう、 これから生放送始まるんだよ。 見るー?」
ミヅキ「じゃーん、タブレット持ってきた!」
シヅキ「見よ見よー♡」
〇テレビスタジオ
室町ナガツネ「皆さん、こんにちは。 スーパーベストソングも今年で 20年を迎えました。 本日は特別生放送拡大版でお送りしています」
永島せつ子「あら、長いですね〜 ワタシたちもよくやったものですわ〜」
室町ナガツネ「ここまで続いたのも、 皆さんのお陰でございます。、」
永島せつ子「本日は大人気グループ初登場! キラキラスターズの新曲発表と言うことで、皆さんお待ちかねでございますよ〜」
永島せつ子「では!キラキラスターズの皆さん〜 どうぞ〜」
クルス「キラキラスターズです!」
テイン(なんで、 こんなに衣装が地味なんだよ)
タース(しょうがないだろ、渋滞で 間に合わなかったんだから。 現場に着いただけでもマシだろ)
クルス「みなさん、コンニチワ〜」
クルス(はは、前途多難・・・)
永島せつ子「では歌っていただきましょう! 新曲「キミのハートを撃ち抜いて!〜シューティングスター」 よろしくお願いいたします!」
〇奇妙な屋台
ミヅキ「クルス様かっこいー!」
店主「大好きなのね。 そんな彼らに ハマったきっかけは、なぁに?」
シヅキ「んーとね、最初はー、ミヅキに、 「ねぇ、この中でダレ推し?」って 聞かれてー」
店主「推し?」
ミヅキ「推しはねぇ、 誰が好きかってこと!」
シヅキ「そうそう、そんでー テイン様が推しかなって それからもう、ずっとキラスタ推し〜」
ミヅキ「それからオリキでガッツで強火めで!」
店主「わーよくわかんない♡」
謎マッチョ「若者言葉は難しいですねぇ」
ミヅキ「うちらん中では オリキ(おっかけに力を注ぐ 強火(熱狂的に愛、熱量が強い」
ミヅキ「ガッツ(全公演通う(=全通)「遠征」 ブロマイドはタワー買い(積み)席はいつも最前列!みたいな人たち!」
ミヅキ「ワタシたちは、そこまで財力ないから 近場とチャンネルチェックくらいしかできないけど、それでも全力〜」
店主「あら〜 ファンも大変なのねぇ〜」
ミヅキ「ウチワ作んなきゃね〜」
シヅキ「ね〜♡」
店主「でもなんだか 楽しそうでいいわネ」
〇テレビスタジオ
ユウヤ「ありがとうございました〜」
永島せつ子「人気絶好調! アノマロカリスの、みなさんでした!」
永島せつ子「いや〜素晴らしかったですねぇ」
永島せつ子「ねぇミーナちゃん♡」
ミーナちゃん「はい!♡」
室町ナガツネ「それでは、 長いお時間お付き合いいただき、ありがとうございました!」
はい、おつかれさまでしたー
おつかれさまでしたー
ミーナちゃん「おつかれさまでしたー」
テイン「ミーナちゃん可愛いなぁ♡ テレビで見るより、ずっと可愛いや」
タース「ダメだよ、あれ見なよ。 旦那さんが見てるんだから」
ショウヘイ「ミーナちゃんは可愛いなぁエヘヘ」
ミーナちゃん「ショウヘイさーん♡」
テイン「ちぇ、可愛い子、いないかなぁ」
クルス「テインは、しょうがないですねぇ」
テイン「そういうクルスは、良いと思う子いないのかよ?」
クルス「僕はあんまり・・・」
タース「そういうの、興味なさそうなんだよね。クルス」
クルス「ハハ・・・」
テイン「クルスは、モテるのになぁ。 なんでかなぁ」
〇奇妙な屋台
シヅキ「わーん」
ミヅキ「あーあ終わっちゃった」
ユウヤ「おつかれさまでーす!♡」
シヅキ「えっ!」
ミヅキ「ギャッ アノマロカリス!本物!」
ミヅキ「うそでしょ・・・」
クルス「僕たちも、お邪魔します〜」
ミヅキ「ぎゃあああああああああああぁ」
ミヅキ「し、失礼しました・・・」
シヅキ「び、びっくりした・・・」
ユウヤ「驚かせてごめんね〜 こちらに座るよ〜 店主いつもの〜」
店主「アラアラ賑やかね」
謎マッチョ「いまテーブルと席を増やしますね。 ヨイショッと」
謎占い師「じゃあワタシは特製のお茶を用意します」
ユウヤ「僕たちが有名になる前から 通ってたお店なんでね。 サイコーなんだよ、ここの」
ユウヤ「これこれ〜」
ナナミ「これを楽しみに今日も頑張った〜」
マチ「ねえ〜」
クルス「じゃあ僕はここに座ろう」
ミヅキ「はゃあ!」
テイン「僕はこっち座るよ」
テイン「えーと、何ちゃん?」
シヅキ「シヅキです、隣はミヅキ」
テイン「シヅキちゃん、可愛いじゃん。 よろしくね♡」
シヅキ(え・・・可愛い? 信じられない・・・ と、隣に、いる)
ミヅキ(う、うわぁ・・・)
〇奇妙な屋台
ミヅキ「あ、あの・・・ ワタシずっとクルスさんのファンで・・・」
クルス「そうなのですか、ありがとうございます♡」
ミヅキ「いままで作った推しアルバムなんですが・・・ よかったら見ていただけませんか?」
クルス「わぁ、すごい!懐かしいライブまで! ありがとう!嬉しいな! 応援してくれてありがとう! じゃここにサインしてあげるね!」
ミヅキ「!?いいんですか!? ありがとうございます!」
クルス「大切にしてね♡」
ミヅキ「はい!♡」
ミヅキ「めっちゃ嬉しい〜」
クルス「そうだ!一緒に撮ろうよ! なんで気づかなかったんだろ!」
ミヅキ「いいんですか?」
クルス「いーよいーよ。トクベツ〜 はいチーズ〜」
クルス「はい、アルバム増えたね♡」
ミヅキ「クルスさん・・・大好き・・・ えーん」
テイン「あークルスが女の子泣かしたー」
ミヅキ「ご、ごめんなさい」
クルス「大丈夫大丈夫、 ナデナデ」
テイン「アハハ冗談 ごめんね♡」
ミヅキ「えーん」
〇見晴らしのいい公園
シヅキ「すっごい楽しかった。 シアワセ〜」
テイン「ライブに来てくれるよね? また会おうね」
クルス「ミヅキちゃん? ライブに来てくださいね。 ありがとう!」
ミヅキ「えーん」
「・・・」
シヅキ「ぜいたく・・・だよね」
ミヅキ「うん」
〇奇妙な屋台
店主「アラアラどうしたの? 元気がないじゃない」
ミヅキ「クルスさんが、あまりに近くになりすぎちゃって、苦しくなっちゃっただけ」
ミヅキ「だって遠い存在だと思ってたのにさ、手の届く範囲にいたんだもん。現実に。」
ミヅキ「わがままなのかな。ワタシ」
ミヅキ「すごく嬉しかったのよ。 嬉しかったけど、手の届かない人・・・」
ミヅキ「輝いてる星を見つめるだけで シアワセだったの。 それなのに・・・」
ミヅキ「月みたいに欠けて消えてしまいそう」
ミヅキ「えーん」
店主「アラアラ。 それほど好きになっちゃったのね。 辛いわよね」
店主「特製のハーブティーをどうぞ」
ミヅキ「・・・美味しい」
店主「辛くなったら、 いつでもいらっしゃい。 ハーブティーをごちそうするワ」
店主「好きな気持ちは大切なことよ」
ミヅキ「うん、ありがとう」
〇ライブハウスのステージ
テイン「来てくれたかな?子猫チャン達」
タース「あの奥にいるのが、そうじゃないですか?」
ミヅキ「・・・」
シヅキ「・・・」
〇見晴らしのいい公園
シヅキ「ライブ、よかったね」
ミヅキ「うん!」
シヅキ「じゃ、また。 学校でね」
ミヅキ「うん、またね」
ミヅキ(きっとシヅキも同じ気持ちなんだろうなぁ。 口に出して言わないけど)
ミヅキ「あんなにステキなのに 独り占めするわけにいかないもんね」
ミヅキ「よし!」
クルス「ミヅキちゃん!」
ミヅキ「クルスさん・・・」
ミヅキ(せっかくきっぱり 忘れようと決心したのに 気持ちが、揺らいじゃう・・・)
クルス「よかった!いてくれて! 今日来てくれてありがとう!」
ミヅキ「い、いえこちらこそ・・・」
ミヅキ(弱いなぁジブン・・・ 嬉しくなってるジブンがいる)
クルス「僕は、 なんかアナタが気になってね。 アルバムを見せてくれたでしょ? あんなに丁寧に作ってくれて」
クルス「最近、 僕はスランプに陥っていて、 恋愛どころか、曲を作ることさえ 自信を失ってしまっていたんだ」
クルス「それが、 キミのアルバムを見たとき、 急にインスピレーションが湧いてきて! すごく助かったんだ!」
クルス「もし良ければ、 次のアルバムのデザインを 作るの手伝ってくれないかな?」
ミヅキ「は、はい?」
クルス「僕と一緒にいてほしいんだ!」
ミヅキ「は、はい・・・」
クルス「やったぁ! じゃあ早速、スタジオに来てください!」
〇奇妙な屋台
店主「気持ちって、わからないものよね〜 だからヒトって面白いのかもネ」
店主「サテ店じまい店じまい」
遠くから見ているだけで満足な存在、それが向こうから距離を詰めてきたら……困惑してしまいますよね!ドキドキが詰まったステキなストーリーですね!
手の届かないスターが身近すぎる存在になったら月のように欠けて消えてしまいそう、って素敵な表現ですね。星は遠くにあるからこそ輝いて見えるんだもんね。
めっちゃドンピシャで大好きなお話です!!ありがとうございます!!